ロバート クレイス (著)、 村上 和久 (翻訳)
先週末に続いて、今週末も仕事。
コペンハーゲン帰りのゲストに貰った風邪が全然治らず、昨晩は仕事飯をお休みさせて貰ってホテルで休養。
持ってきていたロバートクレイスのこちらを。
コール&パイクシリーズでパイクが主人公バージョン。
エルヴィス・コールのシリーズは本国アメリカでは人気シリーズだろうに、新潮文庫から扶桑社と版元を跨って出版されていたものの、6作目の『サンセット大通りの疑惑 ― 探偵エルヴィス・コール』で訳出が止まってしまっている。(最新の『約束』を除いて)
こちらは今は無き武田ランダムハウスジャパンからの出版。
パイクが主人公のものも4冊出ている様だけれど、日本で出たのはこの1冊だけの模様。当然ながらというべきか訳者も異なる。
無口で笑わず、謎の多いパイクについて随分と語られていて、新鮮。
そして、『約束』に出てくるジョン・ストーンが!
あらー、こんなところでもう出てたのねー。
バッド・フリンとの関係性とか色々と魅力的な要素がいっぱいなのに、なんで日本で人気が出なかったのかなぁ・・・・。
訳出されているのは全て読んでしまった様なので、後はもう原著で読むしか無いのかー。うむ。
エルヴィス・コールとジョー・パイクのシリーズはこれだけ出ている模様。
Elvis Cole/Joe Pike Novels (listed in order of publication)
1. The Monkey’s Raincoat (1987)
Anthony Award winner
Macavity Award winner
Edgar Award nominee
Shamus Award nominee
2. Stalking the Angel (1989)
3. Lullaby Town (1992)
Anthony Award nominee
Shamus Award nominee
4. Free Fall (1993)
Edgar Award nominee
5.Voodoo River (1995)
(note: first appearance by Lucy Chenier)
6. Sunset Express (1996)
Shamus Award winner
Publishers Weekly – Best Books of 1996 selection
7. Indigo Slam (1997)
Shamus Award nominee
8. L.A. Requiem (1999)
Dilys Award winner
Edgar Award nominee
Anthony Award nominee
Shamus Award nominee
9. The Last Detective (2003)
(note: Carol Starkey, who first appears in Demolition Angel, joins the Cole series)
Audie Award Finalist
10.The Forgotten Man (2005)
Shamus Award nominee
11. The Watchman (2007)
The Barry Award winner – Best Thriller 2007
Mystery Ink Gumshoe Award winner – Best Thriller 2007
Strand Critics Award nominee
Anthony Award nominee
International Thriller Writers Thriller Award nominee
12. Chasing Darkness (2008)
Southern California Independent Booksellers Association – Best Mystery Award nominee
13. The First Rule (2010)
14. The Sentry (2011)
15. Taken (2012)
16. The Promise (2015)
先週末に続いて、今週末も仕事。
コペンハーゲン帰りのゲストに貰った風邪が全然治らず、昨晩は仕事飯をお休みさせて貰ってホテルで休養。
持ってきていたロバートクレイスのこちらを。
コール&パイクシリーズでパイクが主人公バージョン。
エルヴィス・コールのシリーズは本国アメリカでは人気シリーズだろうに、新潮文庫から扶桑社と版元を跨って出版されていたものの、6作目の『サンセット大通りの疑惑 ― 探偵エルヴィス・コール』で訳出が止まってしまっている。(最新の『約束』を除いて)
こちらは今は無き武田ランダムハウスジャパンからの出版。
パイクが主人公のものも4冊出ている様だけれど、日本で出たのはこの1冊だけの模様。当然ながらというべきか訳者も異なる。
実業家の娘の警護を引き受けたパイクに次々と容赦ない襲撃が! 実力派作家の新シリーズ第1弾。バリー賞、ガムシュー賞受賞作。
銃砲店経営者ジョー・パイクは知り合いの傭兵を通じて要人警護を依頼される。警護の対象は実業家コナーの娘ラーキン。彼女は二週間前の深夜、著名な実業家であるジョージ・キングが運転する車と衝突事故を起こしていた。相手の車にはキング夫妻ともう一人の男が乗っていたが、夫妻は警察が到着する前に走り去り、同乗していた男は歩いて現場から立ち去っていた。
その三日後、司法省の捜査官がラーキンを訪れる。彼女の証言をもとに似顔絵を作成したところ、立ち去った男が指名手配中の殺人犯ミーシュであることが明らかになる。資金洗浄の疑いでキングの身辺を捜査していた司法省は、彼女を証人としてキングを訴追する方針を固めるが、その直後、彼女の自宅に三人の男が侵入する。
警察が駆けつけてラーキンは無事だったが、姿を消したキング夫妻とミーシュをつなぐ唯一の人物として狙われたと考える司法省は彼女に警護をつけた。それでもなお、さらに二度の襲撃を受けたことで、娘の身を案じた父親がパイクに警護を依頼したのだった。
警護を引き受けてまもなく、パイクも二度襲撃を受ける。辛うじて両方とも切り抜けたものの、わがままな娘ラーキンを抱えたパイクは危機感を抱く。果たして事件は額面どおりのものなのか? 何か裏があるのでは……? パイクは私立探偵コールや犯罪学者チェンなどの手を借りて、徐々に事件の核心へと迫っていくが!
ミステリ界をリードする実力派作家が、私立探偵エルヴィス・コールの寡黙な相棒として人気の高いジョー・パイクを主人公にして独立させた新シリーズ第1弾。バリー賞最優秀賞、ガムシュー賞最優秀賞受賞作。アンソニー賞、国際スリラー作家賞ノミネート。
無口で笑わず、謎の多いパイクについて随分と語られていて、新鮮。
そして、『約束』に出てくるジョン・ストーンが!
あらー、こんなところでもう出てたのねー。
バッド・フリンとの関係性とか色々と魅力的な要素がいっぱいなのに、なんで日本で人気が出なかったのかなぁ・・・・。
訳出されているのは全て読んでしまった様なので、後はもう原著で読むしか無いのかー。うむ。
エルヴィス・コールとジョー・パイクのシリーズはこれだけ出ている模様。
Elvis Cole/Joe Pike Novels (listed in order of publication)
1. The Monkey’s Raincoat (1987)
Anthony Award winner
Macavity Award winner
Edgar Award nominee
Shamus Award nominee
2. Stalking the Angel (1989)
3. Lullaby Town (1992)
Anthony Award nominee
Shamus Award nominee
4. Free Fall (1993)
Edgar Award nominee
5.Voodoo River (1995)
(note: first appearance by Lucy Chenier)
6. Sunset Express (1996)
Shamus Award winner
Publishers Weekly – Best Books of 1996 selection
7. Indigo Slam (1997)
Shamus Award nominee
8. L.A. Requiem (1999)
Dilys Award winner
Edgar Award nominee
Anthony Award nominee
Shamus Award nominee
9. The Last Detective (2003)
(note: Carol Starkey, who first appears in Demolition Angel, joins the Cole series)
Audie Award Finalist
10.The Forgotten Man (2005)
Shamus Award nominee
11. The Watchman (2007)
The Barry Award winner – Best Thriller 2007
Mystery Ink Gumshoe Award winner – Best Thriller 2007
Strand Critics Award nominee
Anthony Award nominee
International Thriller Writers Thriller Award nominee
12. Chasing Darkness (2008)
Southern California Independent Booksellers Association – Best Mystery Award nominee
13. The First Rule (2010)
14. The Sentry (2011)
15. Taken (2012)
16. The Promise (2015)
『イン・ザ・ブラッド』
2017年10月6日 読書ジャック カーリイ(Jack Kerley)(著)、 三角 和代 (翻訳)
兄ちゃんがシリアル・キラーの第5作。新作が10月に出るというので順調に進んできました。
が。
この作品はちょっと、中だるみ。
今のアメリカの右翼的な状況を見ても、描きたかった気持ちはわからんでも無いけど。ちょっと、ストーリー展開がなぁ・・・・・、という感じ。
取り敢えず、読みました。以上終了という気持ち。
先週から体調が優れないのでグズグズベッドで読書くらいしか。
3連休も仕事だしね。
兄ちゃんがシリアル・キラーの第5作。新作が10月に出るというので順調に進んできました。
が。
この作品はちょっと、中だるみ。
刑事カーソンが漂流するボートから救い出した赤ん坊は、謎の勢力に狙われていた。収容先の病院には怪しい男たちによる襲撃が相次いだ。一方で続発する怪事件―銛で腹を刺された男の死体、倒錯プレイの最中に変死した極右の説教師…。すべてをつなぐ衝撃の真相とは?緻密な伏線とあざやかなドンデン返しを仕掛けたシリーズ第五弾。
今のアメリカの右翼的な状況を見ても、描きたかった気持ちはわからんでも無いけど。ちょっと、ストーリー展開がなぁ・・・・・、という感じ。
取り敢えず、読みました。以上終了という気持ち。
先週から体調が優れないのでグズグズベッドで読書くらいしか。
3連休も仕事だしね。
ヘニング・マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
ヴァランダーシリーズ第5作目。
とてもページ・ターナーな作品で、さくさくっと読了してしまった。
面白いし、テンポが良い。
そしてヴァランダーのプロ意識と子供を思う繊細さが好きだ。
そして『正義』を求める姿勢がとても好きだ。
実はジャック・カーリィと並行して読んでいたので、どちらもサイコパスのシリアル・キラーというモチーフが重なり、ちょっと不思議な感じ。
時代背景も随分離れているし、スウェーデンとアメリカで、全然異なるのだけれど。
1作目でミッドライフ・クライシス真っ最中という感じだったヴァランダーがその後職務上の銃撃戦により鬱状態となり、復職し、1年。
精神的にも、娘との関係も、かなり落ち着いた感じが嬉しい。
ヴァランダーシリーズ第5作目。
とてもページ・ターナーな作品で、さくさくっと読了してしまった。
面白いし、テンポが良い。
そしてヴァランダーのプロ意識と子供を思う繊細さが好きだ。
そして『正義』を求める姿勢がとても好きだ。
実はジャック・カーリィと並行して読んでいたので、どちらもサイコパスのシリアル・キラーというモチーフが重なり、ちょっと不思議な感じ。
時代背景も随分離れているし、スウェーデンとアメリカで、全然異なるのだけれど。
1作目でミッドライフ・クライシス真っ最中という感じだったヴァランダーがその後職務上の銃撃戦により鬱状態となり、復職し、1年。
精神的にも、娘との関係も、かなり落ち着いた感じが嬉しい。
夏の休暇を楽しみに待つヴァランダー警部。そんな平和な夏の始まりは、一本の電話でくつがえされた。呼ばれて行った先の菜の花畑で、少女が焼身自殺。目の前で少女が燃えるのを見たショックに追い打ちをかけるように、事件発生の通報が入った。殺されたのは元法務大臣。背中を斧で割られ、頭皮の一部を髪の毛ごと剥ぎ取られていた。CWA賞受賞作、スウェーデン警察小説の金字塔。CWAゴールドダガー受賞作。
『ブラッド・ブラザー』
2017年9月28日 読書ジャック カーリイ(Jack Kerley)(著)、三角 和代 (翻訳)
続いて読んでますわよ、兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ。
面白い。
私やっぱりこのシリーズ好きだな。
「僕」という一人称が実にピッタリで、それはレアだとどれかの作品のあとがきでも書いてあったけれど、ホントにそう思う。
でも好ましく思っていた登場人物があんな形で退場するのは悲しい。新しく登場してきた刑事はこの先どうなるのかな。
しかし、『デス・コレクターズ』が、ディーヴァーとコナリーとトマス・H・クックをおさえて『本格ミステリ作家クラブ設立10周年記念事業として行われた「海外優秀本格ミステリ顕彰」で、2000年-2009年の10年間に翻訳されたミステリの中の最優秀作に選ばれた』って事は凄いことだよなと改めて思う。
と同時に、ディーヴァーとコナリーとトマス・H・クック(クックは読まないけど)をおさえたことが凄いとわかるほどにはアメリカのミステリを読んできたんだなーと思える自分を褒めてあげようw
次の『イン・ザ・ブラッド』へGOです。
続いて読んでますわよ、兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ。
きわめて知的で魅力的な青年ジェレミー。僕の兄にして連続殺人犯。彼が施設を脱走してニューヨークに潜伏、殺人を犯したという。連続する惨殺事件。ジェレミーがひそかに進行させる犯罪計画の真の目的とは?強烈なサスペンスに巧妙な騙しと細密な伏線を仕込んだ才人カーリイの最高傑作。
面白い。
私やっぱりこのシリーズ好きだな。
「僕」という一人称が実にピッタリで、それはレアだとどれかの作品のあとがきでも書いてあったけれど、ホントにそう思う。
でも好ましく思っていた登場人物があんな形で退場するのは悲しい。新しく登場してきた刑事はこの先どうなるのかな。
しかし、『デス・コレクターズ』が、ディーヴァーとコナリーとトマス・H・クックをおさえて『本格ミステリ作家クラブ設立10周年記念事業として行われた「海外優秀本格ミステリ顕彰」で、2000年-2009年の10年間に翻訳されたミステリの中の最優秀作に選ばれた』って事は凄いことだよなと改めて思う。
と同時に、ディーヴァーとコナリーとトマス・H・クック(クックは読まないけど)をおさえたことが凄いとわかるほどにはアメリカのミステリを読んできたんだなーと思える自分を褒めてあげようw
次の『イン・ザ・ブラッド』へGOです。
兄ちゃんがシリアル・キラー シリーズ
2017年9月16日 読書『百番目の男』The Hundredth Man (2004)
『デス・コレクターズ』The Death Collectors (2005)
『毒蛇の園』A Garden of Vipers (2006) /イギリス版タイトル:The Broken Souls
三角 和代 (翻訳)
積んでた『兄ちゃんがシリアル・キラー』シリーズに着手して、最初の3作を読了。シリーズものを着々と読み進めるのは結構好き。
小説も音楽のアルバムもファーストは今までの諸々をつぎ込んで出来が良いけど、2作目、3作目がどうなるのかが才能。で消えるか、4作目が盛り上がるかってな感じだと思うんだけど。
カーソン・ライダーとハリー・ノーチラスのバディー物としても、若さとナイーヴさを残すライダーも結構好きなタイプだけれど。『毒蛇の園』はちょっとイマイチかなぁ。思わせぶりに広げた風呂敷がたためなかった感が。
しかも、既視感のある設定も多くて。
毛深い男とか、家族についてとか。
でも次へGo!ではあります。
Wiki先生によりますと、日本での評価は↓だそうで。
『デス・コレクターズ』The Death Collectors (2005)
『毒蛇の園』A Garden of Vipers (2006) /イギリス版タイトル:The Broken Souls
三角 和代 (翻訳)
積んでた『兄ちゃんがシリアル・キラー』シリーズに着手して、最初の3作を読了。シリーズものを着々と読み進めるのは結構好き。
『百番目の男』連続放火殺人を解決、異常犯罪担当部署に配属された刑事カーソンには秘密があった。誰にも触れられたくない暗い秘密だ。だが連続斬首殺人が発生、事件解決のため、カーソンは過去と向き合わねばならない…。死体に刻まれた奇怪な文字に犯人が隠す歪んだ意図とは何か。若き刑事の活躍をスピーディに描くサイコ・サスペンス。
『デス・コレクターズ』死体は蝋燭と花で装飾されていた。事件を追う異常犯罪専従の刑事カーソンは、30年前に死んだ大量殺人犯の絵画が鍵だと知る。病的な絵画の断片を送りつけられた者たちが次々に殺され、失踪していたのだ。殺人鬼ゆかりの品を集めるコレクターの世界に潜入、複雑怪奇な事件の全容に迫ってゆくカーソン。彼を襲う衝撃の真相とは。
『毒蛇の園』惨殺された女性記者。酒場で殺された医師。刑務所で毒殺された受刑者。刑事カーソンの前に積み重なる死―それらをつなぐ壮大・緻密な犯罪計画とは?緊迫のサイコ・サスペンスと精密な本格ミステリを融合させる現在もっとも注目すべきミステリ作家カーリイの最新傑作。
小説も音楽のアルバムもファーストは今までの諸々をつぎ込んで出来が良いけど、2作目、3作目がどうなるのかが才能。で消えるか、4作目が盛り上がるかってな感じだと思うんだけど。
カーソン・ライダーとハリー・ノーチラスのバディー物としても、若さとナイーヴさを残すライダーも結構好きなタイプだけれど。『毒蛇の園』はちょっとイマイチかなぁ。思わせぶりに広げた風呂敷がたためなかった感が。
しかも、既視感のある設定も多くて。
毛深い男とか、家族についてとか。
でも次へGo!ではあります。
Wiki先生によりますと、日本での評価は↓だそうで。
『百番目の男』
このミステリーがすごい! 第6位、文庫翻訳ミステリー・ベスト10 第6位、週刊文春ミステリーベスト10 第6位
『デス・コレクターズ』
このミステリーがすごい! 第7位、文庫翻訳ミステリー・ベスト10 第9位
2010年6月、本格ミステリ作家クラブ設立10周年記念事業として行われた「海外優秀本格ミステリ顕彰」で、2000年-2009年の10年間に翻訳されたミステリの中の最優秀作に選ばれた
ジャック カーリイ (Jack Kerley)(著)、三角 和代 (翻訳)
父ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ(バリー・ライガ『さよなら シリアル・キラー』)(笑)に次いで、兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズに遂に着手。
あらー、やっぱり面白いじゃんか。売れただけある、当たり前か。
もうシリアル・キラーものはどうもなーなんて思っていたけれど、主人公の若手刑事カーソン・ライダーのキャラと、相棒のハリーとのバディーもの的な話も良いし。
もうサイコ・サスペンスは読まないかと思ったら、これでまた続きを読む気になったよ。
海の前の家。いーなー。
父ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ(バリー・ライガ『さよなら シリアル・キラー』)(笑)に次いで、兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズに遂に着手。
あらー、やっぱり面白いじゃんか。売れただけある、当たり前か。
もうシリアル・キラーものはどうもなーなんて思っていたけれど、主人公の若手刑事カーソン・ライダーのキャラと、相棒のハリーとのバディーもの的な話も良いし。
もうサイコ・サスペンスは読まないかと思ったら、これでまた続きを読む気になったよ。
海の前の家。いーなー。
連続放火殺人を解決、異常犯罪担当部署に配属された刑事カーソンには秘密があった。誰にも触れられたくない暗い秘密だ。だが連続斬首殺人が発生、事件解決のため、カーソンは過去と向き合わねばならない…。死体に刻まれた奇怪な文字に犯人が隠す歪んだ意図とは何か。若き刑事の活躍をスピーディに描くサイコ・サスペンス。
ヘニング・マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
ってなわけで寝てたので、『笑う男』読了。
最初うじうじしてるのが・・・なんて思っていたヴァランダーだけれど、前作の『白い雌ライオン』からその実行力に好感を覚えてきました。
ボッシュたんは正義について悩みはしないけれど、ヴァランダーはもっとナイーヴなのだな、きっと。
そしてこれもグイグイっと読ませる作品。
でも正直言って結末はちょいと出来過ぎではあるまいか、と。『ミレニアム』よろしく悪のコングリマットを裁くのに、それで裁けちゃうのはなぁとは、思う。
でも不器用で、でも「正義の人」のヴァランダーだから良いかな。
ってなわけで次にまいりますよ、きっと。
正当防衛とはいえ、人を殺したことに苦しむヴァランダー。警察官を続けるか否か悩む彼のもとへ、友人の弁護士が訪ねてきた。父親の死に腑に落ちない点があると言う。しかしヴァランダーに他人に力を貸す余裕はなかった。だが警察を辞める決心をした彼が見たのは、その友人が殺害されたという新聞記事。事件を追い始めた彼の身に犯人の魔の手が迫る。ゴールドダガー受賞シリーズ。
ってなわけで寝てたので、『笑う男』読了。
最初うじうじしてるのが・・・なんて思っていたヴァランダーだけれど、前作の『白い雌ライオン』からその実行力に好感を覚えてきました。
ボッシュたんは正義について悩みはしないけれど、ヴァランダーはもっとナイーヴなのだな、きっと。
そしてこれもグイグイっと読ませる作品。
でも正直言って結末はちょいと出来過ぎではあるまいか、と。『ミレニアム』よろしく悪のコングリマットを裁くのに、それで裁けちゃうのはなぁとは、思う。
でも不器用で、でも「正義の人」のヴァランダーだから良いかな。
ってなわけで次にまいりますよ、きっと。
パトリシア ハイスミス (Patricia Highsmith)(著)、佐宗 鈴夫 (翻訳)
アランドロン主演の映画とともに。
子供の頃、洋画劇場で放映されていた映画を見た記憶があって。
魚のフォークの持ち方が違うと揶揄(下品だと罵倒に近いけれど)しているシーンや、サインをマネするシーン、それからとにかく海とボートのシーンが印象に残っていた映画。
やっぱり『リプリー』がテレビで流れていた時に、アラン・ドロンがマット・ディモン????んなわけないでしょー、と途中でやめてしまったのですが。
原作読んだら、マット・ディモンとジュード・ロウはかなり印象が近い。
ハイスミスがゲイであることをカミングアウトしているのもあり、ゲイ的な作品だとされている様ですが。私は下流の人間が金がある贅沢な生活に憧れた、という方が強いと感じましたが。
あぁしかしアラン・ドロンの美しい事。こんなに美しい俳優さんだったんだなぁ。ちょっとほかの映画も見直したくなりました。
アランドロン主演の映画とともに。
イタリアに行ったまま帰らない息子ディッキーを連れ戻してほしいと富豪に頼まれ、トム・リプリーは旅立つ。その地でディッキーは、絵を描きながら女友達マージとともに自由な生活をおくっていた。ディッキーに心惹かれたトムは、そのすべてを手に入れることを求め、殺人を犯す…巨匠ハイスミスの代表作。
子供の頃、洋画劇場で放映されていた映画を見た記憶があって。
魚のフォークの持ち方が違うと揶揄(下品だと罵倒に近いけれど)しているシーンや、サインをマネするシーン、それからとにかく海とボートのシーンが印象に残っていた映画。
やっぱり『リプリー』がテレビで流れていた時に、アラン・ドロンがマット・ディモン????んなわけないでしょー、と途中でやめてしまったのですが。
原作読んだら、マット・ディモンとジュード・ロウはかなり印象が近い。
ハイスミスがゲイであることをカミングアウトしているのもあり、ゲイ的な作品だとされている様ですが。私は下流の人間が金がある贅沢な生活に憧れた、という方が強いと感じましたが。
あぁしかしアラン・ドロンの美しい事。こんなに美しい俳優さんだったんだなぁ。ちょっとほかの映画も見直したくなりました。
アガサ クリスティー (著)、永井 淳 (翻訳)
クリスティーも引き続き。
これはマケプレで古いポケミスを売っていたので珍しく紙で買ってみた。
オリエント急行もそうだし、カリブ海まで繰り出して、クリスティーは豊かな人生を送ったんだなぁとつい思ってしまう(苦笑)。
今回はアシスタントもおらず一人で解決してしまうなんて、ミス・マープル相変わらず冴えてます。
アガサが才能溢れる作家であることは1ミリも疑問には思わないけれど、個人的な趣味としてはクラシックなヴィクトリア朝の香りがする頃の小説がやっぱり好きだなぁ。
クリスティーも引き続き。
これはマケプレで古いポケミスを売っていたので珍しく紙で買ってみた。
転地療養のため西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかに過ぎていった。しかし、まもなく彼女を相手に懐古談をしていた少佐が死体となって発見される。以前から少佐は何かを憂いていたようなのだが、いったい何が起こったというのか?美しい風景を舞台に老嬢ミス・マープルが事件の謎に挑む。
オリエント急行もそうだし、カリブ海まで繰り出して、クリスティーは豊かな人生を送ったんだなぁとつい思ってしまう(苦笑)。
今回はアシスタントもおらず一人で解決してしまうなんて、ミス・マープル相変わらず冴えてます。
アガサが才能溢れる作家であることは1ミリも疑問には思わないけれど、個人的な趣味としてはクラシックなヴィクトリア朝の香りがする頃の小説がやっぱり好きだなぁ。
白骨 (犯罪心理捜査官セバスチャン)
2017年8月7日 読書
ろくでなし(!)の犯罪心理捜査官セバスチャン・シリーズ第3作。
M・ヨート (著)、H・ローセンフェルト (著)、ヘレンハルメ 美穂 (翻訳)
ろくでなしっぷりも結構嫌いでなかったセバスチャン。あーしかし今回のそれはあーた、さすがにあかんだろ・・・という行為なんぢゃ。。。。「ひとでなし」と「ろくでなし」は違うぜよ、セバスチャン。
発見された白骨、行方不明のアフガニスタン人、そしてセバスチャンにトルケルのチームの面々と。この先これらをどう収束させるのかと思ったタイミングで、そーきたか、と。そして次に続く・・・なのねぇ、と。
有名な脚本家2人からなる著者は、シリーズの第1作や第2作の内容もどんどん含めてシリーズ第3作のストーリーを進めるのが、よくあるシリーズものでは前作のネタバレにならないように腐心してあるのとは全く違うのが興味深い。
まるでテレビドラマの冒頭に"previously on 〇〇〇(これまでの〇〇〇では"と今までの流れを説明するみたいだなぁとちらっと思う。
さ、早く続きを読みたい。
M・ヨート (著)、H・ローセンフェルト (著)、ヘレンハルメ 美穂 (翻訳)
トレッキング中の女性が偶然見つけたのは、山中に埋められた六人の遺体。ずいぶん前に埋められたらしく白骨化していたが、頭蓋骨には弾痕が。早速トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。トルケルは迷った挙げ句、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。家に居座ってしまったストーカー女にうんざりしていたセバスチャンは、渡りに舟とばかりに発見現場に同行する。史上最強の迷惑男セバスチャン再び。
ろくでなしっぷりも結構嫌いでなかったセバスチャン。あーしかし今回のそれはあーた、さすがにあかんだろ・・・という行為なんぢゃ。。。。「ひとでなし」と「ろくでなし」は違うぜよ、セバスチャン。
発見された白骨、行方不明のアフガニスタン人、そしてセバスチャンにトルケルのチームの面々と。この先これらをどう収束させるのかと思ったタイミングで、そーきたか、と。そして次に続く・・・なのねぇ、と。
有名な脚本家2人からなる著者は、シリーズの第1作や第2作の内容もどんどん含めてシリーズ第3作のストーリーを進めるのが、よくあるシリーズものでは前作のネタバレにならないように腐心してあるのとは全く違うのが興味深い。
まるでテレビドラマの冒頭に"previously on 〇〇〇(これまでの〇〇〇では"と今までの流れを説明するみたいだなぁとちらっと思う。
さ、早く続きを読みたい。
柚木麻子 著
直木賞候補と、首都圏連続不審死事件がモチーフになっていて話題の書、ということになりましょうか。
このモチーフに使用されている連続不審死事件については、ミステリ読みとしての興味は無くはなく。関連本で読んだものもあるけれど。
死刑が確定した彼女の内面をここまで織りこんだ作品に興味があったかというと自分でも疑問。
東電OL事件を下敷きにした桐野夏生の『グロテスク』は妹をうまく使う事で昇華していたと思うけれど、彼女のそれ以降の小説にはめっきり魅力を感じないし。そもそも「実話が元になっている」という事自体にはあまり興味はない。
『対岸の彼女』を思い出すなぁと思いながら、そもそも女子高育ちの匂いのする女性の主人公の小説はどちらかというと苦手だったなぁ・・・と思ったら著者が女子高育ちですね。なるほど。
色々と、そしてどんどん窮屈になっている感のある社会の中で生きづらさを感じている主人公とその親友、という設定はわからなくもないけれど、わかるかと言うとわからないに近い。
それは私が大学を出てそのまま就職といういわゆる『普通の』コースを歩んでいない上に、海外での生活経験を経たことで、そこに共感を感じさせない今の自分になっているからということなのかもね。
タイムリーではあったのでしょうが、バターの品薄まで織りこんでるのは材料多過ぎ?な気がしなくもないかなぁ。
酪農国であるオランダに行ったときに、あまりのバターの美味しさにバターは生鮮食料品だ!と目が覚めたように思った経験があるので、バターの美味しさが語られていることはよく分る(笑)。
(男性主人公が活躍する)バディものの逆の女性主人公の活躍するのは何ていうんだ?
そういう女性の関係性について語られているものが好きな人には良いかも、かな。
面白かったら、『ある時の物語』、『コードネーム・ヴェリティ』に次いで女性が主人公で面白かったーって書く気満々だったけど、ちと残念。
直木賞候補と、首都圏連続不審死事件がモチーフになっていて話題の書、ということになりましょうか。
このモチーフに使用されている連続不審死事件については、ミステリ読みとしての興味は無くはなく。関連本で読んだものもあるけれど。
死刑が確定した彼女の内面をここまで織りこんだ作品に興味があったかというと自分でも疑問。
東電OL事件を下敷きにした桐野夏生の『グロテスク』は妹をうまく使う事で昇華していたと思うけれど、彼女のそれ以降の小説にはめっきり魅力を感じないし。そもそも「実話が元になっている」という事自体にはあまり興味はない。
『対岸の彼女』を思い出すなぁと思いながら、そもそも女子高育ちの匂いのする女性の主人公の小説はどちらかというと苦手だったなぁ・・・と思ったら著者が女子高育ちですね。なるほど。
色々と、そしてどんどん窮屈になっている感のある社会の中で生きづらさを感じている主人公とその親友、という設定はわからなくもないけれど、わかるかと言うとわからないに近い。
それは私が大学を出てそのまま就職といういわゆる『普通の』コースを歩んでいない上に、海外での生活経験を経たことで、そこに共感を感じさせない今の自分になっているからということなのかもね。
タイムリーではあったのでしょうが、バターの品薄まで織りこんでるのは材料多過ぎ?な気がしなくもないかなぁ。
酪農国であるオランダに行ったときに、あまりのバターの美味しさにバターは生鮮食料品だ!と目が覚めたように思った経験があるので、バターの美味しさが語られていることはよく分る(笑)。
(男性主人公が活躍する)バディものの逆の女性主人公の活躍するのは何ていうんだ?
そういう女性の関係性について語られているものが好きな人には良いかも、かな。
面白かったら、『ある時の物語』、『コードネーム・ヴェリティ』に次いで女性が主人公で面白かったーって書く気満々だったけど、ちと残念。
グレン・エリック・ハミルトン (著)、山中朝晶 (翻訳)
原題は"Past Crimes"
読書クラスタ周辺で面白かったねーという評判を聞いていたので、まぁ面白いのは当たり前ってことかしらね。
でも、実は、一番最初の感想はYAみたい!でした!
主人公は30前の大人の男性だけれど、地元を離れて軍隊にずっと属していた設定なので兵士として以外はプライベートがなかった人間の様に描かれているし、主人公バンの子供時代(と祖父)の記憶が折々に差し込まれているせいでしょうか。
「父ちゃんがシリアルキラー」・シリーズ(『さよなら、シリアルキラー』ほかのバリー・ライガ著)や未読だけど「兄ちゃんがシリアルキラー」(『ブラッド・ブラザー』 ジャック カーリイ著)などをふと思う。その並びで祖父ちゃんが犯罪者、みたいな。
途中から絶対これ誰かが裏切るパターンでしょ。誰?誰?とついつい思ってしまい、話に集中できなかったりしたけれど。
嫌いじゃない。
特に最後の章が切なく、とても良い。あれで、ぐっとクオリティが上がった気がします。やっぱり情緒がある作品は好きだな。
原題は"Past Crimes"
【アンソニー賞、マカヴィティ賞、ストランド・マガジン批評家賞最優秀新人賞受賞】 帰ってきてほしい――10年前に故郷を離れ陸軍で海外勤務についていたバンに、長い間音沙汰の無かった祖父から届いた手紙。ベテランのプロの泥棒である祖父の弱気な言葉に胸が騒いだ彼は、10日間の休暇をとって帰郷する。だが空港からなつかしき祖父の家に着くと、そこでは頭に銃撃を受けた祖父が倒れていた! 人事不省の祖父を問い詰めることも出来ないバンは、手掛かりを求め、旧知の仲である祖父の仕事仲間に協力を仰ぐ。どうやら祖父は最後の大仕事を行なっていたらしいが……ミステリ新人賞三冠を制した、昂奮と哀愁がクロスするサスペンス!
読書クラスタ周辺で面白かったねーという評判を聞いていたので、まぁ面白いのは当たり前ってことかしらね。
でも、実は、一番最初の感想はYAみたい!でした!
主人公は30前の大人の男性だけれど、地元を離れて軍隊にずっと属していた設定なので兵士として以外はプライベートがなかった人間の様に描かれているし、主人公バンの子供時代(と祖父)の記憶が折々に差し込まれているせいでしょうか。
「父ちゃんがシリアルキラー」・シリーズ(『さよなら、シリアルキラー』ほかのバリー・ライガ著)や未読だけど「兄ちゃんがシリアルキラー」(『ブラッド・ブラザー』 ジャック カーリイ著)などをふと思う。その並びで祖父ちゃんが犯罪者、みたいな。
途中から絶対これ誰かが裏切るパターンでしょ。誰?誰?とついつい思ってしまい、話に集中できなかったりしたけれど。
嫌いじゃない。
特に最後の章が切なく、とても良い。あれで、ぐっとクオリティが上がった気がします。やっぱり情緒がある作品は好きだな。
ヘニング マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
ヴァランダー・シリーズ第3作。
ヴァランダーシリーズは何故かkindle化されていないので、紙を買って読んだのですが、これがまた分厚い。
今なら上下巻に分けてると思うんだけど、どうして分けなかったのか不思議なくらいに厚かった。
でも3作目にして、ようやくヴァランダーやるじゃんか、と。
良い刑事は勘の良さ、閃き、行動力、想像力、そして正義感などが必要なわけで。凡庸な捜査官が見落とす/気にならない違和感をきっちり追いかけて事件を解決してくれるヴァランダーをかなり見直しました(えらそうだわ、ははは)。
刑事ものはついつい我らがボッシュたんを基準にしてしまうのであかんのですが。ボッシュだったらインターポール任せにしないでイライラして南アフリカの警察に電話しちゃうじゃって思っちゃったけどね。ははは。
しかしさ、人種差別主義というのは人を病の様に蝕むのだわよね。
ヴァランダー・シリーズ第3作。
スウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が消えた。失踪か、事件か、事故か?ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところが近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置が発見される。二つの事件の関連は?スウェーデンとロシア、南アフリカを結ぶ糸は?CWAゴルードダガー受賞シリーズ。
ヴァランダーシリーズは何故かkindle化されていないので、紙を買って読んだのですが、これがまた分厚い。
今なら上下巻に分けてると思うんだけど、どうして分けなかったのか不思議なくらいに厚かった。
でも3作目にして、ようやくヴァランダーやるじゃんか、と。
良い刑事は勘の良さ、閃き、行動力、想像力、そして正義感などが必要なわけで。凡庸な捜査官が見落とす/気にならない違和感をきっちり追いかけて事件を解決してくれるヴァランダーをかなり見直しました(えらそうだわ、ははは)。
刑事ものはついつい我らがボッシュたんを基準にしてしまうのであかんのですが。ボッシュだったらインターポール任せにしないでイライラして南アフリカの警察に電話しちゃうじゃって思っちゃったけどね。ははは。
しかしさ、人種差別主義というのは人を病の様に蝕むのだわよね。
『鏡は横にひび割れて』
2017年7月14日 読書 コメント (2)アガサ・クリスティー (著)、橋本 福夫 (翻訳)
ミス・マープルのシリーズ。
いやぁ、新住宅地なんて出来てきてるし、今回の動機の原因といい、かなり現代に近づいてきてますねぇ。
その原因のせいか、珍しく「あ、きっとこれが殺人の動機」と分かってしまった。
愉しく、さくさく、読了。
才能ある女性作家に掛かるとこうも女性の書き分けが可能なのだわよね、といつも思うわけですが。さて、我らがコナリーたんの新シリーズ(女性刑事もの)はどうなることでしょうねぇ。ドキドキ。
ミス・マープルのシリーズ。
穏やかなセント・メアリ・ミードの村にも、都会化の波が押し寄せてきた。新興住宅が作られ、新しい住人がやってくる。まもなくアメリカの女優がいわくつきの家に引っ越してきた。彼女の家で盛大なパーティが開かれるが、その最中、招待客が変死を遂げた。呪われた事件に永遠不滅の老婦人探偵ミス・マープルが挑む。
いやぁ、新住宅地なんて出来てきてるし、今回の動機の原因といい、かなり現代に近づいてきてますねぇ。
その原因のせいか、珍しく「あ、きっとこれが殺人の動機」と分かってしまった。
愉しく、さくさく、読了。
才能ある女性作家に掛かるとこうも女性の書き分けが可能なのだわよね、といつも思うわけですが。さて、我らがコナリーたんの新シリーズ(女性刑事もの)はどうなることでしょうねぇ。ドキドキ。
『その犬の歩むところ』
2017年7月3日 読書 コメント (2)ボストン テラン (著), Boston Teran (原著), 田口 俊樹 (翻訳)
うーーーーーーーん。ダメだった。
9.11。イラク戦争。ハリケーン・カトリーナ。
犬。悪意。
犬の人生を背景に/ともに、21世紀を描いているのは分かる。
でも、地の文がくどくて、大仰で。
それがつらかった。
悪意が動物に向かう小説は読んでいて本当につらい。
そういう現実/事実があることは分かっているけれど、出来れば読みたくない。
ということで、私とは相性が悪い小説でした。
残念ながら。
GIV――ギヴ。それがその犬の名だ。その孤独な犬の首輪に刻まれていた三文字だ。傷だらけで、たったひとり、山道を歩んでいた犬の名だ。彼はどこから来たのか。どこで、なぜ、こんなにも傷だらけになったのか。彼は何を見てきたのか。どこを歩んできたのか。
犯罪が、天災が、戦争が、裏切りがあった。世界が理不尽に投げてよこす悲嘆があり、それと戦い、敗れる者たちを見守ってきた一匹の犬がいた。
この世界の不条理と悲しみに立ち向かった人たちに静かに寄り添っていた気高い犬。
『神は銃弾』でみせた荘厳な世界観、『音もなく少女は』でみせた崇高な人間の強さ、そしてボストン・テランにしか生み出せない乾いた詩情をたたえる文体。傷ついたひとたちの悲劇と救済を描く感動の最新作。
うーーーーーーーん。ダメだった。
9.11。イラク戦争。ハリケーン・カトリーナ。
犬。悪意。
犬の人生を背景に/ともに、21世紀を描いているのは分かる。
でも、地の文がくどくて、大仰で。
それがつらかった。
悪意が動物に向かう小説は読んでいて本当につらい。
そういう現実/事実があることは分かっているけれど、出来れば読みたくない。
ということで、私とは相性が悪い小説でした。
残念ながら。
『コードネーム・ヴェリティ』
2017年6月25日 読書 コメント (2)
エリザベス・ウェイン (著), 吉澤 康子 (翻訳)
ポチってあったものの、kindleで積読してあった『コードネーム・ヴェリティ』を読了。
実は歴史/歴史物が苦手であんまり手を出さないのだけれど、これは心に染みた。
YAとして高く評価されていたようで、
とのこと。きちんと書かれたYAは大人にも(いや大人にはより、かも)響くという認識なので、楽しみしていた作品。
この凛々しさ。
もうね、これはね、ちょっと言葉が出ない。
(こういう物言いあんまり好きじゃないんだけど、でもついつい泣けて・・・)
私がヴァランダーをなんだかうじうじしていて今一つだなぁと思うのは、こういう主人公を愛さずにいられないからだということが分かった(苦笑)。
作りも良いし、伏線やらミステリ小説という扱いだけれど、これはアマゾンのレビューにもあった『まず私は「優れた戦争文学」、「二人の女性の友情物語」の部分を素直に読んで味わうべきだと思う』に賛成。(ついでに言えばその下のレビューが低いのにはびっくりだわ)
戦争は語り継がれるべきであるし、お涙頂戴ではなく、こうした胸を打つ二人の若き女性たちの友情という形で描かれたことにも心が震えたのでした。
今年は『ある時の物語』も良かったしなぁ。女の子が主人公の良い作品に当たったなぁ。
ポチってあったものの、kindleで積読してあった『コードネーム・ヴェリティ』を読了。
実は歴史/歴史物が苦手であんまり手を出さないのだけれど、これは心に染みた。
第二次世界大戦中、イギリス特殊作戦執行部員の女性がスパイとしてナチスの捕虜になった。彼女は親衛隊大尉に、尋問をやめる代わりに、イギリスに関する情報を手記にするよう強制される。その手記には、親友である女性飛行士マディの戦場での日々が、まるで小説のように綴られていた。彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか? さまざまな謎が最後まで読者を翻弄する傑作ミステリ。
YAとして高く評価されていたようで、
エリザベス・ウェイン
1964年ニューヨーク生まれ。ペンシルベニア大学で民俗学の博士号を取得。小型飛行機の操縦が趣味で、国際的な女性パイロットの組織、ナインティ・ナインズのメンバーになっている。1993年、アーサー王伝説を題材にした物語The Winter Princeでデビューする。同シリーズの4作目にあたるThe Lion Hunter(2007)はアンドレ・ノートン賞の候補になった。2012年刊の本書はアメリカ探偵作家クラブのエドガー賞ヤングアダルト小説部門を受賞したほか、アガサ賞、ゴールデン・カイト賞、カーネギー賞など数々の賞の最終候補になり、高く評価された。
とのこと。きちんと書かれたYAは大人にも(いや大人にはより、かも)響くという認識なので、楽しみしていた作品。
この凛々しさ。
もうね、これはね、ちょっと言葉が出ない。
(こういう物言いあんまり好きじゃないんだけど、でもついつい泣けて・・・)
私がヴァランダーをなんだかうじうじしていて今一つだなぁと思うのは、こういう主人公を愛さずにいられないからだということが分かった(苦笑)。
作りも良いし、伏線やらミステリ小説という扱いだけれど、これはアマゾンのレビューにもあった『まず私は「優れた戦争文学」、「二人の女性の友情物語」の部分を素直に読んで味わうべきだと思う』に賛成。(ついでに言えばその下のレビューが低いのにはびっくりだわ)
戦争は語り継がれるべきであるし、お涙頂戴ではなく、こうした胸を打つ二人の若き女性たちの友情という形で描かれたことにも心が震えたのでした。
今年は『ある時の物語』も良かったしなぁ。女の子が主人公の良い作品に当たったなぁ。
ロバート・B. パーカー (著)、菊池 光(訳)
『初秋』が結構良かったので、やっぱり読むべきかと古い装丁のものを中古で入手して。
スウェター翻訳の菊池光氏の訳がかなり独特な箇所がありまして。
"uh-uh" などの間投詞を多分音のままにカタカナ表記。
"pa" パパというちょっと子供っぽい呼びかけが「パー」。せめてパパの方が良いんぢゃ?
洋服のパーツやチェックの種類などのファッション用語がわからない~!のが多くてググりましたわ。
独特だー。
ってなことはまぁ菊池光氏なので仕方ないのですが。
私思った以上にスペンサーが好きかもしれぬ。
ちょっとこれはもう少し読みますね。ふーむ。
『初秋』が結構良かったので、やっぱり読むべきかと古い装丁のものを中古で入手して。
スペンサーとの運命的出会いから十年―自閉症の少年から、ダンサーとしてすっかり成長したポールが新たな問題を抱え、スペンサーの前に現れた。連絡のとれない母親を捜し出してほしいという。調べると、母親はチンピラと駆け落ちし、しかもその男はギャング組織の金を持ち逃げしていた。やがて、スペンサーは男を追うギャングと渡りあうことに…スペンサーの生い立ちを挾み、親子と男女の絆を描く名作『初秋』の続篇。
スウェター翻訳の菊池光氏の訳がかなり独特な箇所がありまして。
"uh-uh" などの間投詞を多分音のままにカタカナ表記。
"pa" パパというちょっと子供っぽい呼びかけが「パー」。せめてパパの方が良いんぢゃ?
洋服のパーツやチェックの種類などのファッション用語がわからない~!のが多くてググりましたわ。
独特だー。
ってなことはまぁ菊池光氏なので仕方ないのですが。
私思った以上にスペンサーが好きかもしれぬ。
ちょっとこれはもう少し読みますね。ふーむ。
ロバート・クレイス (著), 高橋 恭美子 (翻訳)
ふーーーーーむ、あれこれがっちゃんこの荒業、よく着地させたなぁとは思うけど、その分少々印象が薄めかも。でもエルヴィス・コールとマギーの最新作を読めたという満足感でよしとしよう。
コール&パイクは訳出がずいぶん前に止まってしまっているのが本当に残念。原著で読むしかないかなぁ。
そして、ジョン・ストーン、出来過ぎ人物ぢゃ?はは。
次作はなんとパイクとジョン・ストーンですって。これは楽しみ。
ロス市警スコット・ジェイムズ巡査と相棒の雌のシェパード、マギーは、逃亡中の殺人犯を捜索していた。マギーが発見した家の中には、容疑者らしい男が倒れており、さらに大量の爆発物が。同じ頃、同じ住宅街で私立探偵のエルヴィス・コールは失踪した会社の同僚を探す女性の依頼を受けて調査をしていた。スコット&マギーとコール&パイク、固い絆で結ばれたふた組の相棒の物語。
ふーーーーーむ、あれこれがっちゃんこの荒業、よく着地させたなぁとは思うけど、その分少々印象が薄めかも。でもエルヴィス・コールとマギーの最新作を読めたという満足感でよしとしよう。
コール&パイクは訳出がずいぶん前に止まってしまっているのが本当に残念。原著で読むしかないかなぁ。
そして、ジョン・ストーン、出来過ぎ人物ぢゃ?はは。
次作はなんとパイクとジョン・ストーンですって。これは楽しみ。
『ポケットにライ麦を』
2017年6月2日 読書『ポケットにライ麦を』
アガサ・クリスティー (著), 宇野 利泰 (翻訳)
いつの間にか、クリスティーの作品がとても好きになっている自分に気づく。
食わず嫌いはいけませんという見本ですね。
クリスティーは本当に才能あふれた作家だということを今作でも改めて思わされる。
人物造形、ストーリー展開、そして伏線。
ミス・マープルが思った以上に旅して移動していることにも驚きます(笑)。
満足。
アガサ・クリスティー (著), 宇野 利泰 (翻訳)
投資信託会社社長の毒殺事件を皮切りにフォテスキュー家で起こった三つの殺人事件。その中に、ミス・マープルが仕込んだ若いメイドが、洗濯バサミで鼻を挟まれた絞殺死体として発見された事件があった。義憤に駆られたマープルは、犯人に鉄槌を下すべく屋敷に乗りこんだ。マザー・グースに材を取った中期の傑作。
いつの間にか、クリスティーの作品がとても好きになっている自分に気づく。
食わず嫌いはいけませんという見本ですね。
クリスティーは本当に才能あふれた作家だということを今作でも改めて思わされる。
人物造形、ストーリー展開、そして伏線。
ミス・マープルが思った以上に旅して移動していることにも驚きます(笑)。
満足。
『初秋』ロバート・B・パーカー
2017年5月23日 読書原題:Early Autumn
刊行:1980年(日本語版1982年)
翻訳:菊池 光
再読で。
『ゴッドウルフの行方』が嫌いじゃなかったので、家にあった『初秋』をひっぱりだしてきたのだけれど、いつも通りこれまたさっぱり内容を覚えていない。
スペンサーはワタクシ結構好きですね。
それから、ハルキ氏の『ダンス・ダンス・ダンス』はこれからかなりインスパイアされているのでは?と強く思いました。
もう数作読んでみようと思う。
刊行:1980年(日本語版1982年)
翻訳:菊池 光
再読で。
離婚した夫が連れ去った息子を取り戻してほしい。―スペンサーにとっては簡単な仕事だった。が、問題の少年、ポールは彼の心にわだかまりを残した。対立する両親の間で駆け引きの材料に使われ、固く心を閉ざして何事にも関心を示さない少年。スペンサーは決心する。ポールを自立させるためには、一からすべてを学ばせるしかない。スペンサー流のトレーニングが始まる。―人生の生き方を何も知らぬ少年と、彼を見守るスペンサーの交流を描き、ハードボイルドの心を新たな局面で感動的に謳い上げた傑作。
『ゴッドウルフの行方』が嫌いじゃなかったので、家にあった『初秋』をひっぱりだしてきたのだけれど、いつも通りこれまたさっぱり内容を覚えていない。
スペンサーはワタクシ結構好きですね。
それから、ハルキ氏の『ダンス・ダンス・ダンス』はこれからかなりインスパイアされているのでは?と強く思いました。
もう数作読んでみようと思う。