S.J. ローザン( S.J. Rozan)(著)、 直良 和美 (翻訳)
再読。
こちらはニューヨークをベースとする、ビルとリディアのストーリー。
これは何年前に読んだんだろうか。
ビルのバージョンは『冬そして夜』しかり、トラブルが起きていてもどこかシーンとした悲しみが流れていて。
何度読んでもビルは素敵だと思う。
この第2作(ビルが主人公の1作目)を読み返してみると、こうやって少しずつビルについて語っていたのだなぁと懐かしくなる。
そして、ペレケーノスとはまた違う意味で(あるいは同様に)、クラシック音楽に詳しくない私は全編通して触れられるピアノ・ソナタにもっと馴染みがあれば良かったのに、と残念な気持ちになる。
若い頃からそれなりに音楽を聴いてきたつもりなのに、クラシックは全く詳しくないし、アメリカで70年代、80年代にラジオで掛かる音楽は流石によく分らなくて。音楽好きとしてはかなり残念な気持ち。しょぼりんぬ。
【追記】タイトルについて書き忘れてた。
これ原題が"Concourse" で著者の公式ウエブサイトで作品の概略が↓↓と記されている。"And at the end of the avenue called the Grand Concourse is the place people go to die, the Bronx Home for the Aged."
でも明らかにGrand Concourseの土地勘とか道の感覚が分からないと、concourse〔訳:(駅などの)コンコース、中央広場、中央ホール〕では、???というタイトルになってしまう。なので邦題のピアノ・ソナタは事件とは関係ないけれどビルを表す素敵なタイトルということになるかな。
再読。
深夜ブロンクスの老人ホームで警備員が殴り殺された。手口から地元の不良グループの仕業と判断されたが、納得がいかない被害者のおじは探偵ビルに調査を依頼。かつて探偵の手ほどきをしてくれた老兵の頼みに、ビルは危険な潜入捜査を展開するが…?無鉄砲で繊細な中年探偵が、相棒リディアの存在を胸に、卑しき街を行く。シェイマス賞最優秀長編賞に輝いた、爽やかな第二弾。
こちらはニューヨークをベースとする、ビルとリディアのストーリー。
これは何年前に読んだんだろうか。
ビルのバージョンは『冬そして夜』しかり、トラブルが起きていてもどこかシーンとした悲しみが流れていて。
何度読んでもビルは素敵だと思う。
この第2作(ビルが主人公の1作目)を読み返してみると、こうやって少しずつビルについて語っていたのだなぁと懐かしくなる。
そして、ペレケーノスとはまた違う意味で(あるいは同様に)、クラシック音楽に詳しくない私は全編通して触れられるピアノ・ソナタにもっと馴染みがあれば良かったのに、と残念な気持ちになる。
若い頃からそれなりに音楽を聴いてきたつもりなのに、クラシックは全く詳しくないし、アメリカで70年代、80年代にラジオで掛かる音楽は流石によく分らなくて。音楽好きとしてはかなり残念な気持ち。しょぼりんぬ。
【追記】タイトルについて書き忘れてた。
これ原題が"Concourse" で著者の公式ウエブサイトで作品の概略が↓↓と記されている。"And at the end of the avenue called the Grand Concourse is the place people go to die, the Bronx Home for the Aged."
でも明らかにGrand Concourseの土地勘とか道の感覚が分からないと、concourse〔訳:(駅などの)コンコース、中央広場、中央ホール〕では、???というタイトルになってしまう。なので邦題のピアノ・ソナタは事件とは関係ないけれどビルを表す素敵なタイトルということになるかな。
It flows through the Bronx like a river between banks of faded elegance. And at the end of the avenue called the Grand Concourse is the place people go to die, the Bronx Home for the Aged.
The only trouble is the people dying there are going before their time.
Bill Smith has been hired by an old friend to investigate the brutal killing of a young security guard on the Bronx Home grounds.
Going undercover, Smith wades out into a sea of violence and lies washing up against the old brick building. When a second murder is committed, Smith knows that there’s a method to the madness.
With the help of bright, young Chinese-American investigator Lydia Chin, Smith uncovers a web of corruption that’s found a home in the Bronx. Now he has to figure out who will die next.
ジョージ・P. ペレケーノス (著)、 George P. Pelecanos (原著)、 佐藤 耕士 (翻訳)
舞台はWashington D.C. だし、ギリシャ系だし。
個人的に、これは読まなくてはなぁと思っていたペレケーノス。
遂に買いました。マケプレで。
古いのはみな生きてないんだね。
どれから読んだら良いかよく分らなかったので、順当にデビュー作から。
探偵ニック・ステファノ登場。ってな感じですね。
前半、ちょっと量販店での人間関係が長いなぁと思っていたが、なるほど。そういう後半につながるわけね。
そして『エスキモーに製氷機を売る』って台詞はこの作品に(も?)出てきてたんだ!へぇーーーー。丁度この間誰かに言われたので、偶然におっと思う。
(でも、ググったら、マーケティングや営業の決まり文句みたいなものなのね)
女の子にご飯を作って食べさせたり、ヤク抜きの相手をしたり。お兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズやらハルキを思い出して。なるほど、『ハードボイルド』ねぇ。系譜だねぇとにやり。
会話の中での一人称が「ぼく」なのにはちょっと意外。
ジャック・カーリィのカーソン・ライダーもそうなんだよね。ふーん。
まぁ次へGOですわね。
舞台はWashington D.C. だし、ギリシャ系だし。
個人的に、これは読まなくてはなぁと思っていたペレケーノス。
遂に買いました。マケプレで。
古いのはみな生きてないんだね。
どれから読んだら良いかよく分らなかったので、順当にデビュー作から。
あの日から、すべてが崩壊に向かった。ある老人に行方不明の孫を捜してくれと頼まれた日から―家電販売会社で働くニックは、二週間前に突然失踪したアルバイトの少年ジミーを探しはじめた。まもなく彼は、少年が過激なパンクグループの男と謎の美女とともに消えたことを突きとめる。が、失踪事件はやがて麻薬絡みの殺人事件へと発展し…ハードボイルドの次代を担う新鋭が放つ、ノワールの香り漂う話題の新シリーズ。
探偵ニック・ステファノ登場。ってな感じですね。
前半、ちょっと量販店での人間関係が長いなぁと思っていたが、なるほど。そういう後半につながるわけね。
そして『エスキモーに製氷機を売る』って台詞はこの作品に(も?)出てきてたんだ!へぇーーーー。丁度この間誰かに言われたので、偶然におっと思う。
(でも、ググったら、マーケティングや営業の決まり文句みたいなものなのね)
女の子にご飯を作って食べさせたり、ヤク抜きの相手をしたり。お兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズやらハルキを思い出して。なるほど、『ハードボイルド』ねぇ。系譜だねぇとにやり。
会話の中での一人称が「ぼく」なのにはちょっと意外。
ジャック・カーリィのカーソン・ライダーもそうなんだよね。ふーん。
まぁ次へGOですわね。
アガサ・クリスティー (著)、 小倉 多加志 (翻訳)
ホント、異色。クリスティ、こんなの書いてたんだーと。
悪くは無いし、なかなか楽しめたかな。
ベルギーの小さな村に侵入したドイツ兵士を、謎の爆発現象で吹き飛ばしたのは聖女と評判の修道女であった。まもなく、彼女は「死の猟犬」について謎めいた話を始めるが…。超自然現象とそれに絡む犯罪を描いた表題作をはじめ、幻想怪奇をテーマにした異色短篇11篇と映画化された名作短篇「検察側の証人」を収録。
ホント、異色。クリスティ、こんなの書いてたんだーと。
悪くは無いし、なかなか楽しめたかな。
ヘニング マンケル (著)、 Henning Mankell (原著)、 柳沢 由実子 (翻訳)
ノンシリーズで。
マンケル6作品目。
バランダーシリーズでも、全体的に何故かシーーンっとしているイメージがあるのだけれど。ガチャガチャしていなくて、静謐な感覚。
どちらかというと悲観的。ナイーヴに生死などの内面的な悩みを吐露するのは、やはり著者のマンケルの投影なのだろうなぁという気がちらり。
マンケルは確か癌で亡くなったなーと思い出し、主人公の警察官ステファンが舌癌ということで、マンケルは若いころにも癌を患っていたのだろうか、と思ったけれど。そういう訳ではなさそう。
ナチスの残党のかなりの数がアルゼンチンに渡っていたというのは、恥ずかしながら知りませんでしたが。タンゴというモチーフとその使われ方と、タンゴステップという美しいタイトルには惹かれるものがある。
そしてエピローグが美しい。
マンケルがどんどん好きになっている気がする。
ノンシリーズで。
男は54年間、眠れぬ夜を過ごしてきた。森の中の一軒家、人形をパートナーにタンゴを踊る。だが、その夜明け、ついに影が彼をとらえた…。ステファン・リンドマン37歳、警察官。舌がんの宣告に動揺する彼が目にしたのは、新米のころ指導を受けた先輩が、無惨に殺されたという記事だった。CWA賞受賞作『目くらましの道』に続く、スウェーデン推理小説の記念碑的作品ついに登場。
マンケル6作品目。
バランダーシリーズでも、全体的に何故かシーーンっとしているイメージがあるのだけれど。ガチャガチャしていなくて、静謐な感覚。
どちらかというと悲観的。ナイーヴに生死などの内面的な悩みを吐露するのは、やはり著者のマンケルの投影なのだろうなぁという気がちらり。
マンケルは確か癌で亡くなったなーと思い出し、主人公の警察官ステファンが舌癌ということで、マンケルは若いころにも癌を患っていたのだろうか、と思ったけれど。そういう訳ではなさそう。
ナチスの残党のかなりの数がアルゼンチンに渡っていたというのは、恥ずかしながら知りませんでしたが。タンゴというモチーフとその使われ方と、タンゴステップという美しいタイトルには惹かれるものがある。
そしてエピローグが美しい。
マンケルがどんどん好きになっている気がする。
フォールアウト V・I・ウォーショースキー
サラ パレツキー (著)、山本 やよい (翻訳)
ヴィクシリーズ最新作。どうやら19作目の模様。
もうヴィクへの愛情/友情/連帯感みたいなものだけで読み続けているようなもんですが、気の強さとペッパー・ミルと呼ばれただけはある喧嘩っ早さは健在。あー、ヴィクってこうだったなぁといつも思う。
ハリー・ボッシュが正義の人であるならば、やはりこのヴィク(V.I.ウォーショースキー)も正義の人なわけで。
そこに惹かれ続けているというのもあるわけですな。
ボッシュ同様、ヴィクにはずっと頑張って欲しいです。ついていきますw
最近料理のシーンがあまり出てこないのと、アメリカの知的な人たちに当たり前的にオーガニック・フードが出てくるのは仕方ないんだろうなぁとは、ちょっと思う。オーガニックが悪いわけじゃないんだけどね。
追記:
fallout という原題の意味をちと調べたら:
1. フォールアウト、放射性降下物◆核爆発で地上に降る放射性粒子。
◆【同】radioactive dust
2. 副産物、副次的な[予期しない]影響
3. 放棄者(数)
と、なるほどー。内容そのもののよく考えられたタイトルだと思った。「死の灰」とも呼ばれるもののことらしい。日本語でフォールアウトってタイトルは全然言葉として意味が通じない気がするんだけど、良いんだろうか。
サラ パレツキー (著)、山本 やよい (翻訳)
窃盗の疑いを掛けられた青年が老女優フェリングとともに姿を消した。探偵ヴィクは、その行方を追ってフェリングの故郷であるカンザス州ダグラス郡に赴く。過去に核ミサイル配備に対する抗議運動がおこなわれたこの地で、フェリングたちは何かを撮影してまわっていたらしい。調査を進めていたヴィクは、ミサイルサイロ近くの農家で腐乱死体を発見し…。シリーズ最大級の陰謀に果たしてヴィクは打ち勝つ事が出来るのか?
ヴィクシリーズ最新作。どうやら19作目の模様。
もうヴィクへの愛情/友情/連帯感みたいなものだけで読み続けているようなもんですが、気の強さとペッパー・ミルと呼ばれただけはある喧嘩っ早さは健在。あー、ヴィクってこうだったなぁといつも思う。
ハリー・ボッシュが正義の人であるならば、やはりこのヴィク(V.I.ウォーショースキー)も正義の人なわけで。
そこに惹かれ続けているというのもあるわけですな。
ボッシュ同様、ヴィクにはずっと頑張って欲しいです。ついていきますw
最近料理のシーンがあまり出てこないのと、アメリカの知的な人たちに当たり前的にオーガニック・フードが出てくるのは仕方ないんだろうなぁとは、ちょっと思う。オーガニックが悪いわけじゃないんだけどね。
追記:
fallout という原題の意味をちと調べたら:
1. フォールアウト、放射性降下物◆核爆発で地上に降る放射性粒子。
◆【同】radioactive dust
2. 副産物、副次的な[予期しない]影響
3. 放棄者(数)
と、なるほどー。内容そのもののよく考えられたタイトルだと思った。「死の灰」とも呼ばれるもののことらしい。日本語でフォールアウトってタイトルは全然言葉として意味が通じない気がするんだけど、良いんだろうか。
『ワン・モア』 『無垢の領域』
2018年1月16日 読書『ワン・モア』
『無垢の領域』
去年、結構集中的に桜木紫乃は読んだけれど、未読のものをkindleで。
『ワン・モア』
これは、思った以上に大団円的結末で驚く。
こんな結末も書いてたんだ。
『無垢の領域』
正直、純香の行方がちょっとそれではあんまりでは・・・・と、つい感情移入して思ってしまう。
サスペンスといえばサスペンスなんだろうけれど、桜木紫乃のサスペンス的な作品は、個人的にはそうではない作品より一段好みのレベルが下がる気がする。
『無垢の領域』
去年、結構集中的に桜木紫乃は読んだけれど、未読のものをkindleで。
『ワン・モア』
どうしようもない淋しさにひりつく心。月明かりの晩よるべなさだけを持ち寄って躰を重ねる男と女は、まるで夜の海に漂うくらげ――。切実に生きようともがく人々に温かな眼差しを投げかける絆と再生の物語。
安楽死事件を起こして離島にとばされてきた女医の美和と、オリンピック予選の大舞台から転落した元競泳選手の昴。月明かりの晩、よるべなさだけを持ち寄って躰を重ねる男と女は、まるで夜の海に漂うくらげ―。同じ頃、美和の同級生の鈴音は余命宣告を受けていて…どうしようもない淋しさにひりつく心。人肌のぬくもりにいっときの慰めを求め、切実に生きようともがく人々に温かなまなざしを投げかける、再生の物語。
これは、思った以上に大団円的結末で驚く。
こんな結末も書いてたんだ。
『無垢の領域』
道東釧路で図書館長を務める林原を 頼りに、25歳の妹純香が移住してき た。生活能力に欠ける彼女は、書道 の天才だった。野心的な書道家秋津 は、養護教諭の妻玲子に家計と母の介護を依存していた。彼は純香の才能に惚れ込み、書道教室の助手に雇う。その縁で林原と玲子の関係が深まり……無垢な存在が男と女の欲望と嫉妬を炙り出し、驚きの結末へと向かう。濃密な長編心理サスペンス。
正直、純香の行方がちょっとそれではあんまりでは・・・・と、つい感情移入して思ってしまう。
サスペンスといえばサスペンスなんだろうけれど、桜木紫乃のサスペンス的な作品は、個人的にはそうではない作品より一段好みのレベルが下がる気がする。
『彼女たちの売春(ワリキリ)』
2018年1月16日 読書荻上 チキ (著)
『彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力』の文庫化。
単行本は 2012/11/29発刊なのかな。
ここのところ、女性の貧困を特集している記事を見つけると読むようにしていて。
以前読んだ『最貧困シングルマザー』鈴木大介(著)も併せて再読。
社会のセーフティーネットという事、とても気になっている問題。
『彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力』の文庫化。
単行本は 2012/11/29発刊なのかな。
風俗店などに属さず、出会い喫茶や出会い系サイトで知り合った客相手に行う、個人売春=ワリキリ。彼女たちはなぜこの稼ぎかたを選んだのか。都市や地方で女性たちに取材を続けた結果、貧困、精神疾患、DV、家庭環境などの様々な要因と、問題を直視しない社会の姿が浮び上がる─。女性個人の事情として切り捨てず、社会の問題として捉え直すために見つめた、生々しく切実な売春のリアル。
ここのところ、女性の貧困を特集している記事を見つけると読むようにしていて。
以前読んだ『最貧困シングルマザー』鈴木大介(著)も併せて再読。
社会のセーフティーネットという事、とても気になっている問題。
『ワニの町へ来たスパイ』
2018年1月16日 読書ジャナ・デリオン(Jana DeLeon) (著)、 島村 浩子 (翻訳)
全然知りませんでしたが、アメリカではもう↓と10作も発刊されている人気シリーズらしい。第1作目がようやく訳出。
1. Louisiana Longshot 2012
2. Lethal Bayou Beauty 2013
3. Swamp Sniper 2013
4. Swamp Team 3 2014
5. Gator Bait 2014
6. Soldiers of Fortune 2015
7. Hurricane Force 2015
8. Fortune Hunter 2016
9. Later Gator 2016
10. Hook, Line and Blinker 2017
いやいや、めっちゃ面白かった。早く続きを訳して欲しいわ。
(この数年気づいてはいたんだけど)私は、女性が主人公の小説なら、仕事が出来る主人公じゃないと面白いと思えなくなっているということ。刑事でも探偵でもなんでも。
なので、例えば、ジャネット・イヴァノヴィッチのステファニー・シリーズは、訳出が止まったあとも何作か原著で読んだんだけど。ステファニーのドジっぷりにイライラして止めてしまった。テーザーガンのバッテリーを充電してなくてトラブルに巻き込まれるとか、それが笑いの狙いだとはわかっていても我慢できなくなってしまったのだよね。
その点、この主人公レディングは伊達に『超凄腕CIA秘密工作員』という設定ではない。仕事は出来るけど、一本ねじがずれていて、本当に笑える。
脇を固めるおばあちゃんたちもそれぞれ実にキャラがきちんと出来ていて良いし。
コージー寄りだとは思うけれど、コージーも同様の理由で最近全然読まない私でも、とっても楽しめた。
いやー、これはおススメだわー(誰に?)。
コージー好きに、かしら。
超凄腕CIA秘密工作員のわたしは、潜入任務でちょっぴり派手に暴れたせいで、狙われる身となり一時潜伏を命じられる。ルイジアナの田舎町シンフルで、“元ミスコン女王の司書で趣味は編みもの”という、自分とは正反対の女性になりすましつつ静かに暮らすつもりが、到着するなり保安官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を仕切る老婦人たちに焚きつけられ、ともに人骨事件の真相を追うことに……。人口三百に満たない町でいったい何が起きている? アメリカ本国で大人気、型破りなミステリ・シリーズ第一弾。
全然知りませんでしたが、アメリカではもう↓と10作も発刊されている人気シリーズらしい。第1作目がようやく訳出。
1. Louisiana Longshot 2012
2. Lethal Bayou Beauty 2013
3. Swamp Sniper 2013
4. Swamp Team 3 2014
5. Gator Bait 2014
6. Soldiers of Fortune 2015
7. Hurricane Force 2015
8. Fortune Hunter 2016
9. Later Gator 2016
10. Hook, Line and Blinker 2017
いやいや、めっちゃ面白かった。早く続きを訳して欲しいわ。
(この数年気づいてはいたんだけど)私は、女性が主人公の小説なら、仕事が出来る主人公じゃないと面白いと思えなくなっているということ。刑事でも探偵でもなんでも。
なので、例えば、ジャネット・イヴァノヴィッチのステファニー・シリーズは、訳出が止まったあとも何作か原著で読んだんだけど。ステファニーのドジっぷりにイライラして止めてしまった。テーザーガンのバッテリーを充電してなくてトラブルに巻き込まれるとか、それが笑いの狙いだとはわかっていても我慢できなくなってしまったのだよね。
その点、この主人公レディングは伊達に『超凄腕CIA秘密工作員』という設定ではない。仕事は出来るけど、一本ねじがずれていて、本当に笑える。
脇を固めるおばあちゃんたちもそれぞれ実にキャラがきちんと出来ていて良いし。
コージー寄りだとは思うけれど、コージーも同様の理由で最近全然読まない私でも、とっても楽しめた。
いやー、これはおススメだわー(誰に?)。
コージー好きに、かしら。
臥せっている間に読んだもの羅列。
雨に祈りを Prayers for Rain (1999)
ムーンライト・マイル Moonlight Mile (2010)
彼女たちの売春(ワリキリ) (SPA!BOOKS)
荻上 チキ
最貧困シングルマザー
鈴木大介
ワン・モア (角川文庫)
桜木 紫乃
無垢の領域(新潮文庫)
桜木 紫乃
ワニの町へ来たスパイ (創元推理文庫)
ジャナ・デリオン, 島村 浩子
はぁあ。また感想は別途。
雨に祈りを Prayers for Rain (1999)
ムーンライト・マイル Moonlight Mile (2010)
彼女たちの売春(ワリキリ) (SPA!BOOKS)
荻上 チキ
最貧困シングルマザー
鈴木大介
ワン・モア (角川文庫)
桜木 紫乃
無垢の領域(新潮文庫)
桜木 紫乃
ワニの町へ来たスパイ (創元推理文庫)
ジャナ・デリオン, 島村 浩子
はぁあ。また感想は別途。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
本年も細々とここは続けていきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願い致します。
暮れに友人たちとの食事会で、風邪ひきが一人。
まんまと風邪をもらってしまった。
29日は家で仕事。30日にその食事会、2日に実家。
それ以外、読書で引きこもって静養してたのになぁ。
喘息持ちはこれから先が怖いのでヒヤヒヤしてます。
暮れから読んでいたのは、デニス・レヘイン。
1. スコッチに涙を託して A Drink Before the War (1994)
2. 闇よ、我が手を取りたまえ Darkness, Take My Hand (1996)
3. 穢れしものに祝福を Sacred (1997)
4. 愛しき者はすべて去りゆく Gone, Baby, Gone (1998)←イマココ。
1・2作は再読。
1作目を読んだときには、村上春樹か!と思ったくらいに、軽口がハルキっぽくて驚いたんだけど。ハルキ氏はチャンドラー好きだもんね。ハードボイルドの影響を強く受けているってことですよね。
今年はどんな年になるのかなぁ。
健康には留意して、あとは流れに任せて。
さて。
本年も細々とここは続けていきたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願い致します。
暮れに友人たちとの食事会で、風邪ひきが一人。
まんまと風邪をもらってしまった。
29日は家で仕事。30日にその食事会、2日に実家。
それ以外、読書で引きこもって静養してたのになぁ。
喘息持ちはこれから先が怖いのでヒヤヒヤしてます。
暮れから読んでいたのは、デニス・レヘイン。
1. スコッチに涙を託して A Drink Before the War (1994)
2. 闇よ、我が手を取りたまえ Darkness, Take My Hand (1996)
3. 穢れしものに祝福を Sacred (1997)
4. 愛しき者はすべて去りゆく Gone, Baby, Gone (1998)←イマココ。
1・2作は再読。
1作目を読んだときには、村上春樹か!と思ったくらいに、軽口がハルキっぽくて驚いたんだけど。ハルキ氏はチャンドラー好きだもんね。ハードボイルドの影響を強く受けているってことですよね。
今年はどんな年になるのかなぁ。
健康には留意して、あとは流れに任せて。
さて。
『誰もいない夜に咲く』
2017年11月26日 読書桜木紫乃
では口直しっと思って、読んだら。
あら、こちらはちょっと既視感多目で、すこーし期待外れ気味。
北海道の「畜産農家」、「書道家」という主人公の職業がかぶるのも既視感に繋がってしまう。
『プリズム』は正直、嫌な後味の作品だった。
桜木紫乃というだけでハードルあげてるのかもしれない。
※『恋肌』の新装版の模様。
では口直しっと思って、読んだら。
あら、こちらはちょっと既視感多目で、すこーし期待外れ気味。
親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは――。(「波に咲く」)寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。
北海道の「畜産農家」、「書道家」という主人公の職業がかぶるのも既視感に繋がってしまう。
『プリズム』は正直、嫌な後味の作品だった。
桜木紫乃というだけでハードルあげてるのかもしれない。
※『恋肌』の新装版の模様。
阿川大樹
『終電の神様番外編 始発のアフターファイブ』と共に。
ミステリー?へ?これ、ミステリー???
というのは脇においても。
うーーーん、ちょっと残念な気持ち、かな。
著者が横浜在住でブログやツイッターなど拝見していてとても頭の良い方だと思っていたのと、20万部突破したというのを見かけてポチってみたけど。
人身事故で影響を受ける同じ電車に乗り合わせた人たちの人生模様を描く短編連作という形で、そのモチーフは良いと思うんだけど。
理系の男性が描いたからかなぁという、少々情緒に欠ける作品群だった気が。
無料でDLできた番外編は良かった。
こういうの読むと桜木紫乃は本当に優れた作家なんだなぁと思う。
『終電の神様番外編 始発のアフターファイブ』と共に。
あと一本前に乗ってたら―― 胸にじんわり。電車から始まる人生の謎。通勤電車は謎と奇跡を乗せて――父危篤の報せに病院へ急ぐ会社員、納期が迫ったITエンジニア、背後から痴漢の手が忍び寄る美人――それぞれの場所へ向かう人々を乗せた夜の満員電車が、事故で運転を見合わせる。この「運転停止」が彼らの人生にとって思いがけないターニングポイントになり、そして……。あたたかな涙と希望が湧いてくる、傑作ミステリー!
ミステリー?へ?これ、ミステリー???
というのは脇においても。
うーーーん、ちょっと残念な気持ち、かな。
著者が横浜在住でブログやツイッターなど拝見していてとても頭の良い方だと思っていたのと、20万部突破したというのを見かけてポチってみたけど。
人身事故で影響を受ける同じ電車に乗り合わせた人たちの人生模様を描く短編連作という形で、そのモチーフは良いと思うんだけど。
理系の男性が描いたからかなぁという、少々情緒に欠ける作品群だった気が。
無料でDLできた番外編は良かった。
こういうの読むと桜木紫乃は本当に優れた作家なんだなぁと思う。
『それを愛とは呼ばず』
2017年11月18日 読書桜木 紫乃
やっぱり、桜木紫乃は良い。好きだ。
『バター』も読んだけど、木嶋佳苗的なモチーフも、桜木紫乃に掛かるとかように変わる。
透明な狂気。
レビューの通りに、えっ?というラストだけれど、ハッピーエンドなんかよりずっと良い。桜木紫乃にますます嵌まってゆく。
妻を失い故郷を追われた男。夢を失い東京に捨てられた女。交わるはずのない二人が出会ったとき、運命の輪が大きく軋み始めるーー。
「いざわコーポレーション」の社長であり、10歳年上の妻である章子が、64歳の誕生日の夜、交通事故にあった。意識不明のまま眠り続ける妻の他、社内に人脈を持たぬ亮介は、会社から、そして新潟から追われる。新たな職を得た記念に訪れた銀座のグランドキャバレーで、席についた紗希もまた、その日、19歳で上京してから10年目、タレント事務所からクビを宣告されたのだった。寄る辺ない心を抱えながら出会った二人は、微かに互いを意識しながら別れる。ひと夏に6戸の販売目標を与えられた北海道のリゾートマンションで亮介が目にしたのは、廃墟同然の新古物件だった。絶望感にかられる亮介を追って、東京から紗希がやってくるーー。実に1年半ぶり、直木賞受賞後初の長編は、まさに桜木ワールドの真骨頂! 誰もが懸命に生きているだけ。悪い人がいるわけではないのに、それぞれが報われない。切なさと、最初から流れているどうにも逃げられない不穏な空気……。そして最後に用意された、度肝を抜かれるラスト……! 緊迫感と圧倒的なドライブ感で駆け抜ける、最高傑作!
------------
妻を失い、仕事を奪われ、故郷を追われた54歳の経営者。夢を失い、東京に敗れた29歳のタレント。そしてふたりは、出会ってしまった。狂気を孕んでゆく女の純粋は、男を搦めとり、その果てに―。想像の範疇をはるかに超えるこのラストを、あなたは受け止められるか?桜木紫乃、最高傑作。
やっぱり、桜木紫乃は良い。好きだ。
『バター』も読んだけど、木嶋佳苗的なモチーフも、桜木紫乃に掛かるとかように変わる。
透明な狂気。
レビューの通りに、えっ?というラストだけれど、ハッピーエンドなんかよりずっと良い。桜木紫乃にますます嵌まってゆく。
『くそったれバッキー・デント 』
2017年11月15日 読書Bucky F*cking Dent
デイヴィッド ドゥカヴニー (David Duchovny) (著)、 高取 芳彦(訳)
モルダーがこんなに博学で多才だったとは。
某所ですごく良かったと聞いて買ってみたけど、本当に良かった。
野球選手についてもっと詳しかったらもっと楽しかったかもしれないけれど、知らなくても全然大丈夫。
自分が末期がんだとして、あんな風に見送られたらどれだけ幸せだろう。
丁度父の通院に付き添うために取った有給の日に読了。
とてもあんな風にはいかないけれど、ね。
デイヴィッド ドゥカヴニー (David Duchovny) (著)、 高取 芳彦(訳)
モルダーがこんなに博学で多才だったとは。
『Xファイル』主演俳優が描く父と息子の絆
1978年のニューヨーク。ヤンキースタジアムでピーナッツ売りをする30代の売れない小説家テッドは、ある夜、病院からの電話で、母の死以来疎遠になっていた父が末期がんと知る。久しぶりに実家に帰ったテッドは、レッドソックスが試合に勝つと、父の病状が良くなることに気づく。父の悪友たちを巻き込み、快復のために大芝居をうつテッド。そしてついに、同率首位のレッドソックス対ヤンキースの最終決戦がやって来た……。
『ホーリー・カウ』で小説家デビューを果たした『Xファイル』のモルダー捜査官による、まさかの小説第二弾!野球、音楽、ヒッピーカルチャーなど小ネタ満載、クセモノ揃いのキャラにニヤニヤ笑い、不器用な父と息子の関係に泣ける、唯一無二のドゥカヴニー・ワールド!!
某所ですごく良かったと聞いて買ってみたけど、本当に良かった。
野球選手についてもっと詳しかったらもっと楽しかったかもしれないけれど、知らなくても全然大丈夫。
自分が末期がんだとして、あんな風に見送られたらどれだけ幸せだろう。
丁度父の通院に付き添うために取った有給の日に読了。
とてもあんな風にはいかないけれど、ね。
『ファイトクラブ』(新装版)
2017年10月29日 読書チャック・パラニューク (著)、池田 真紀子 (翻訳)
あの映画の原作。
本でも映画でも、可能な限り内容を知らずに見たり読んだりしたい性質なので、映画をその昔見てしまってネタバレているのは、痛恨ではあるものの。
文体にリズムとスピードがあって、どんどん読んでしまう。
読みながら考えていたのは、『アメリカン・サイコ』って何年だっけ?1991年です。「ヤッピー(yuppie: young urban professionals)」っていつ頃から使われだしたんだっけ?1984年頃かららしい。そして本作は1996年アメリカで刊行された模様。
先日『「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔』森 達也 (著)、という作品を読んでいたので、「カルトの成り立ち」というものまで併せて考え合わせながら読んでしまった。
結末というかその設定を知っていても、惹き込まれどんどん読んでしまった。
これはよく出来てる。ネタバレせずに読みたかったー。
チャック・パラニュークという著者についても全く知らなかったのだけれど、アメリカでは随分と人気があり(wiki によると「若年層にカルト的に」?)、結構な数の著書があるらしい。
あの映画の原作。
傷痕一つない体で死にたくない。殴り、殴られ、ぼくたちは生を実感する。
痛いほど繊細な語りがほとばしる伝説的作品が、改訳新版でついに復活!
デヴィッド・フィンチャー監督×ブラッド・ピット&エドワード・ノートン主演の映画化以後、創作の原点をパラニューク自らが明かした衝撃の著者あとがきと、アメリカ文学研究者・都甲幸治氏の解説を新規収録。
おれを力いっぱい殴ってくれ、とタイラーは言った。事の始まりはぼくの慢性不眠症だ。ちっぽけな仕事と欲しくもない家具の収集に人生を奪われかけていたからだ。ぼくらはファイト・クラブで体を殴り合い、命の痛みを確かめる。タイラーは社会に倦んだ男たちを集め、全米に広がる組織はやがて巨大な騒乱計画へと驀進する――人が生きることの病いを高らかに哄笑し、アメリカ中を熱狂させた二十世紀最強のカルト・ロマンス
本でも映画でも、可能な限り内容を知らずに見たり読んだりしたい性質なので、映画をその昔見てしまってネタバレているのは、痛恨ではあるものの。
文体にリズムとスピードがあって、どんどん読んでしまう。
読みながら考えていたのは、『アメリカン・サイコ』って何年だっけ?1991年です。「ヤッピー(yuppie: young urban professionals)」っていつ頃から使われだしたんだっけ?1984年頃かららしい。そして本作は1996年アメリカで刊行された模様。
先日『「A」―マスコミが報道しなかったオウムの素顔』森 達也 (著)、という作品を読んでいたので、「カルトの成り立ち」というものまで併せて考え合わせながら読んでしまった。
結末というかその設定を知っていても、惹き込まれどんどん読んでしまった。
これはよく出来てる。ネタバレせずに読みたかったー。
チャック・パラニュークという著者についても全く知らなかったのだけれど、アメリカでは随分と人気があり(wiki によると「若年層にカルト的に」?)、結構な数の著書があるらしい。
桜木紫乃ばかり読んでた
2017年10月23日 読書寝ていた間にkindleでポチった桜木紫乃の作品(と、そのアマゾンに出てる解説)。
「北海道」という土地と社会の弱者への優しい視線と。
こうやって生きていくしかない、という生き方を想う。
『氷平線』
◆表題作の「氷平線」が非常に良かった。何度も読み返した。
『風葬』
『起終点駅(ターミナル) 』
◆「潮風(かぜ)の家」が一番好きかなぁ。
『星々たち』
◆流れていく、咲子、千春、やや子という女三代の短編連作。とても良かった。
これに以前買った『ホテルローヤル』『蛇行する月』なんかも読み返してた。
「北海道」という土地と社会の弱者への優しい視線と。
こうやって生きていくしかない、という生き方を想う。
『氷平線』
『ホテルローヤル』で第149回直木賞を受賞した桜木紫乃のデビュー作品集! 真っ白に海が凍るオホーツク沿岸の町で静かに再会した男と女を描く『氷平線』。酪農の地を継ぐ者たちの悲しみと希望を、牧草匂う交歓の裏に映し出した『雪虫』(オール讀物新人賞受賞作)――。北海道の農村を覆う閉塞感と、そこに生きる男女の虚無的で乾いたセックスを鮮烈に描いた、読む者の魂を熱く震わせる全6篇を収録。桜木紫乃の原点はここにある。
◆表題作の「氷平線」が非常に良かった。何度も読み返した。
『風葬』
思い出して、思い出して、忘れて行くこともある──
釧路で書道教室を開く夏紀は、認知症の母が呟いた、耳慣れない地名を新聞の短歌の中に見つける。父親を知らぬ自分の出生と関わりがあるのではと、短歌を投稿した元教師の徳一に会いに根室へ。歌に引き寄せられた二人の出会いが、オホーツクで封印された過去を蘇らせる……。密漁、マフィア、拿捕……桜木ノワールの原点というべき作品、待望の文庫化!
『起終点駅(ターミナル) 』
直木賞作家桜木紫乃作品、初の映画化原作!
「かたちないもの」
笹野真理子は函館の神父・角田吾朗から「竹原基樹の納骨式に出席してほしい」という手紙を受け取る。
「海鳥の行方」
道報新聞釧路支社の新人記者・山岸里和は、釧路西港の防波堤で石崎という男と知り合う。「西港で釣り人転落死」の一報が入ったのはその一月後のことだった。
「起終点駅(ターミナル)」 映画化原作 表題作
鷲田完治が釧路で法律事務所を開いてから三十年が経った。国選の弁護だけを引き受ける鷲田にとって、椎名敦子三十歳の覚醒剤使用事件は、九月に入って最初の仕事だった。
「スクラップ・ロード」
飯島久彦は地元十勝の集落から初めて北海道大学に進学し、道内最大手・大洋銀行に内定した。片親で大手地銀に就職するのは、当時異例中の異例のことだった。
「たたかいにやぶれて咲けよ」
道東の短歌会を牽引してきた「恋多き」歌人・中田ミツの訃報が届いた。ミツにはかつて、孫ほどに歳の離れた男性の同居人がいたという。
(「潮風(かぜ)の家」
久保田千鶴子は札幌駅からバスで五時間揺られ、故郷の天塩に辿り着いた。三十年前、弟の正次はこの町で強盗殺人を犯し、拘留二日目に首をくくって死んだ。
◆「潮風(かぜ)の家」が一番好きかなぁ。
『星々たち』
奔放な実母・咲子とも、二度目の結婚でさずかった娘とも生き別れた塚本千春という女。昭和から平成へと移りゆく時代、血縁にとらわれず、北の大地をさすらう千春は、やがて現代詩の賞を受け、作家を夢見るが……。千春の数奇な生と性、彼女と関わる人々が抱えた闇と光を、研ぎ澄まされた筆致で炙り出す。桜木ワールドの魅力を凝縮した、珠玉の九編。 松田哲夫氏(編集者・書評家)激賞!『一人一人の命が星のように光っている。その輝きを「物語」に結実させたエンディングの鮮やかさは見事!』
■ひとりワルツ つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。 中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。
■渚のひと 医大に通う息子が帰省する。久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。 隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが……
■隠れ家 ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。 ■月見坂 晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は……
■トリコロール 小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。 ■逃げてきました 市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。 ■冬向日葵 罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。
■案山子 東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす元編集者・河野保徳の前に現れたのは……
■やや子 図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。内心、彼と別れようと考えているやや子だったが……
◆流れていく、咲子、千春、やや子という女三代の短編連作。とても良かった。
これに以前買った『ホテルローヤル』『蛇行する月』なんかも読み返してた。
『キリング・ゲーム』
2017年10月19日 読書ジャック・カーリイ (著)、三角 和代 (翻訳)
兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ、ついに(日本で発刊された)最新作まで追いついてしまった。
版元担当編集者が「攻めてる」と評してましたが、「うーん、なるほど。こーきたかー」とはなるかなぁ。
でもあそこで終わるのは上手くもずるくもあり。
今までのナイーブな「僕」に好感を抱いていた部分も薄れてきて、定番の女性関係なんかもあるし、このシリーズに対する愛着が下がっているのは事実かな。
兄ちゃんがシリアル・キラー・シリーズ、ついに(日本で発刊された)最新作まで追いついてしまった。
版元担当編集者が「攻めてる」と評してましたが、「うーん、なるほど。こーきたかー」とはなるかなぁ。
でもあそこで終わるのは上手くもずるくもあり。
今までのナイーブな「僕」に好感を抱いていた部分も薄れてきて、定番の女性関係なんかもあるし、このシリーズに対する愛着が下がっているのは事実かな。
街で連続殺人が起こっていた。しかし凶器も手口もバラバラ、被害者同士にもつながりはまったくない。ただ現場に1セント硬貨が残されていることだけが共通していた。被害者をランダムに選ぶ動機なき殺人なのか?
やがて犯人がカーソンを名指しで警察に挑戦状を送りつけてくるに及び、事件は警察の威信をかけたものとなる。過去の経験から「動機なき無差別殺人」などないと信じるカーソンだったが、突破口は一向に見えてこず、被害者の遺族の悲しみに向き合うことしかできなかった。
一方、殺人犯は微細な証拠も残さぬように細心の注意を払って殺人を遂行していた。ルーマニアの独裁政権下で心理実験のモルモットとされた過去を持つ男の狙いはいったい何か。
相変わらず体調不良。咳止めが効かず夜中もゴホゴホと。
そうすると、読書が捗る、と。
『髑髏の檻』ジャック・カーリイ (著)、三角和代・訳 (翻訳)
タイトルからして毒々しい。骸骨はどっかでてきましたっけ???
なんだかんだ言いつつ、ジャック・カーリィの新作に追いつけてしまった。次がもう新作『キリング・ゲーム』になる。(間の”Her Last Scream (2011)”は訳されないのかしらん?)
猟奇殺人ってもういーわーと思いながらも、「僕」ことカーソン・ライダーの魅力に引きずられてここまで読んでしまった。
正直シリアル・キラーの殺人の詳細は読み飛ばし気味に読んでいる。
忌まわしい死体の詳細とかって、もう食傷気味なのにねー。
ところで、僕にはステディな女性は現れないんだろうか。
そうすると、読書が捗る、と。
『髑髏の檻』ジャック・カーリイ (著)、三角和代・訳 (翻訳)
タイトルからして毒々しい。骸骨はどっかでてきましたっけ???
なんだかんだ言いつつ、ジャック・カーリィの新作に追いつけてしまった。次がもう新作『キリング・ゲーム』になる。(間の”Her Last Scream (2011)”は訳されないのかしらん?)
猟奇殺人ってもういーわーと思いながらも、「僕」ことカーソン・ライダーの魅力に引きずられてここまで読んでしまった。
正直シリアル・キラーの殺人の詳細は読み飛ばし気味に読んでいる。
忌まわしい死体の詳細とかって、もう食傷気味なのにねー。
ところで、僕にはステディな女性は現れないんだろうか。
ディーヴァーを継ぐ鬼才の人気シリーズ最新作
宝探しサイトで死体遺棄現場を知らせる連続殺人。天才殺人鬼を兄に持つ若き刑事が挑む犯罪の全貌とは。驚愕の展開を誇る鬼才の新作。
刑事カーソンが休暇で赴いたケンタッキーの山中で連続殺人が。犯人はネット上の宝探しサイトで犯行を告知し、死体はどれも奇怪な装飾を施されていた。捜査に巻き込まれたカーソンの前に現れたのは、実の兄にして逃走中の連続殺人鬼ジェレミー。ディーヴァーばりのスリルとサプライズで人気のシリーズ第6弾。
アガサ クリスティー(Agatha Christie)(著)、乾 信一郎 (翻訳)
あー、『カリブ海の秘密』の続編なのかー。
ジーンズは出て来るし、女性探偵は出て来るし、「現代」だわぁー。
1930年に『牧師館の殺人』(The Murder at the Vicarage)が書かれていて、1964年に『カリブ海の秘密』(A Caribbean Mystery)、そして1971年に『復讐の女神』(Nemesis)。
そりゃぁ、世の中は変わるよね。
『ネメシス』とピンクのふわふわしたストールのミス・マープル。ふふ。
あー、『カリブ海の秘密』の続編なのかー。
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。
ジーンズは出て来るし、女性探偵は出て来るし、「現代」だわぁー。
1930年に『牧師館の殺人』(The Murder at the Vicarage)が書かれていて、1964年に『カリブ海の秘密』(A Caribbean Mystery)、そして1971年に『復讐の女神』(Nemesis)。
そりゃぁ、世の中は変わるよね。
『ネメシス』とピンクのふわふわしたストールのミス・マープル。ふふ。