『通り魔』

2022年3月12日 読書
エド マクベイン (著), 田中 小実昌 (翻訳)

kindle化を祝って、シリーズ第二作の『通り魔』を。
街は女、秋は死の季節。闇は彼の親友、獲物は女だった――通り魔は夜の闇を身にまとい、女を襲った。「クリフォードはお礼を申します、マダム」これが彼の口ぐせだった。刑事たちの追求もむなしく、ついに殺人事件は起った……大都会の犯罪を追う警察官の悲哀をみごとに浮き彫りにした作品。


田中小実昌さんって、なんとなく有名人だったよなぁ。
かと言って、著作も翻訳した本もあまりご縁がなかったけれど。
そういえばお嬢さんも作家さんだったなぁ・・・。「おやすみなさい、と男たちへ」だったかな。読んだ記憶あるよ。そして確かもう亡くなったんだよなぁ・・・などと思いながら。

で、マクベインですよ。
群像もので楽しいし、警察ものは大好物だし、そもそも今茶色く焼けて字が小さい古本じゃなくて電子書籍で読めるだけで御の字、って感じなんですが。

非常に時代を感じるけれど。
古びてないとは100%言えないけれど、なんか良いです。長すぎず、短すぎず。週末にさくっと読める感じとか。

次は『麻薬密売人』ですな。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 読了
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』 読了
アンディ・ウィアー (著), 鷲尾直広 (イラスト), 小野田和子 (翻訳)

『読み終えてしまうのが残念だわ』と書いていた、『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読み終えましたわ。

いやー、本当に面白かった。
あまりに早く読み終えてしまうのが持ったいなくて途中で小休止してたんだけど、土曜に読了。

『火星の人」が大好きだったので、面白いだろうとは思ってはいたけれど。

英語の一人称の" I "って色がないと思うんだけど、日本語は色がありすぎて。
翻訳小説では「一人称をどう訳すか問題」はよくあるけれど。

これを「ぼく」と訳す場合の魔法が輝いている様な作品だと思ったわぁー。
ぼくの魔法。ふふ。

そして、最後も「そう来たか−」とほろり。

10点満点で評価するならばと考えてみたけど、差し引く部分がなくて10点かもしれない。

なんかマイナス要素あったかな。

単行本で上下巻なので少々お高い(そういえば単行本ーーkindleですがーーを久々に買ったなぁ)のがネックですが、本当に楽しかった。

いや、あの、物理は全然分からないけどね。

アマゾンでの紹介:
上巻:
グレースは、真っ白い奇妙な部屋で、たった一人で目を覚ました。ロボットアームに看護されながらずいぶん長く寝ていたようで、自分の名前も思い出せなかったが、推測するに、どうやらここは地球ではないらしい……。断片的によみがえる記憶と科学知識から、彼は少しずつ真実を導き出す。ここは宇宙船〈ヘイル・メアリー〉号――。
ペトロヴァ問題と呼ばれる災禍によって、太陽エネルギーが指数関数的に減少、存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動。遠く宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放った……。

『火星の人』で火星の、『アルテミス』で月での絶望的状況でのサバイバルをリアルに描いた著者が、人類滅亡の危機に立ち向かう男を描いた極限のエンターテインメント。

下巻:
未知の地球外生命体アストロファージ――これこそが太陽エネルギーを食べて減少させ、地球の全生命を絶滅の危機に追いやっていたものの正体だった。
人類の英知を結集した「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の目的は、ほかの恒星が光量を減少させるなか、唯一アストロファージに感染していないタウ・セチに赴き、その理由を探し出すことだ。
そして、〈ヘイル・メアリー〉号の乗組員のなか、唯一タウ・セチ星系にたどり着いたグレースは、たったひとりでこの不可能ミッションに挑むことになるかと思えた……。

2021年アメリカでの発売以来、NYタイムズをはじめ様々なベストセラー・リストに挙がり、ライアン・ゴズリング主演で映画化が進行中の、ファースト・コンタクトSFの新たな金字塔。


結構、内容書いてるのね。そして、ライアン・ゴズリング主演かー。

「火星の人」の映画、『オデッセイ』(主演:マット・ディロン)は原作が好きすぎて見てないんだけど。

さて、どうなるのかなぁ。
ライアン・ゴズリングは結構良いキャスティングな気がするけど。

もともとSFはあまり詳しくないので、「火星の人」は友人のオススメだったのだけれど。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』が楽しかったので、これは物理に詳しそうな友人にオススメしてみたわ。ふっふっふ。
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
アンディ ウィアー (著)、小野田 和子 (翻訳)

ちょっとー、これ面白すぎるんですけど。
 未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人(ひとり)人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント


『火星の人』が、SFや科学/物理学オンチのワタシでも最高〜!に面白かったんだけど。
(映画はそういえば見てないな。映画も「火星の人」ってタイトルにすればよかったのに〜と思ったままだ)

次作の『アルテミス』は失念してまだ読んでおらず。
で、今回お友達のオススメで(ちょっと高かったけど)本作をポチってみたら、もう止まらない。

実は面白くて面白くてさっさと上巻読み終わってしまって、下巻の途中でこのまま読み終わっちゃうのがもったいない気がして(笑)、今敢えて止めてるところ。

この著者アンディ ・ウィアー と訳者の小野田和子さんの相性もすごく良いんじゃないだろうか。

あぁ、こういう素晴らしい訳者の爪の垢をどっかの誰かに飲ませたいもんだぜ
(と、良い訳の本を読む度に思う・・・。ううう。私の好きなアメリカ人作家の担当翻訳者は本当に訳がひどいんだぜーー号泣)

しかし、(多分)敢えて上下巻にして、それぞれ¥1782という価格は(なんたって紙は単行本だもんね)やっぱり著者が売れっ子で版権が高いからなのかなー。
売れると踏んで単行本で出してるんだろうしねぇ。

でも本当に面白い。
相変わらず物理や計算はわからず飛ばし読みでも面白い。

読み終えてしまうのが残念だわ。
警官嫌い 87分署シリーズ
エド マクベイン (著)、井上 一夫 (翻訳)

いやぁー。めでたい!遂に全巻Kindle化!

以前、古本で買い集めようとしたんだけど。
古いのは紙も変色していて、字も小さいし、オトナの弱った目には辛いのよね・・・。

ハヤカワは時々、でかした!ということをやってくれますな。
夏の夜の大都会――まばゆい灯のかげに街があり、夜空の下でうごめく暗い生活があった……。闇を引き裂く何者かの兇弾が、87分署の刑事たちを次々と倒していった。果して警官嫌いの狂人のなせる業か? 同僚刑事たちの胸は憤激で燃え上った。探偵小説に新生面を開いたシリーズ第一作!


警官が殺されるというのは、現代の警察モノではかなり最大のタブーというか大きな事件として捜査されるし、この作品の中でもそういう風に描写はされているのだけれど、結構控えめに感じるのは、やはり時代が違うというか書かれてから時間が経っているからとかそういうことなんだろうなー。

ストーリーは最後まで読めば、「あ、やっぱりね」という感じですが。
87分署を電子書籍で読めるだけで嬉しいわい。

長いシリーズをじっくり読み上げていくの好きなんだよね。
そして、これみたいに1編ずつはそれほど長くなくて読みやすいのは更にオトナには嬉しいw

そろそろっと読んで読了したいっす。
『新しい時代への歌』
サラ・ピンスカー (著)、村山美雪 (翻訳)

いつもの本を読むお仲間に勧められて。

コロナ禍の前の2019年に書かれた作品ということで、予言の書とまで言われたらしいけれど。

音楽と熱狂
音楽が彼女を動かす。熱狂が彼女を変える。

テロと感染病の影響で、ひとびとが直接会う機会は激減した。観客を入れたライブなどは参集規制法によって禁じられている――。
ローズマリーは超巨大企業スーパーウォリーに勤め、自宅からアバターで顧客に対応する、単調な日々を過ごしていた。だがある日、顧客から仮想空間で行われるライブのチケットをもらったことで彼女の人生は変わる。音楽の新たな魅力を知ったローズマリーは、転職し、密かに行われているライブから新たなミュージシャンを発掘するスカウトになることを決意するのだが――。
他人と接触することがなくなった時代、禁止されてもなおライブの熱狂を求めるひとびとを描いた音楽SFの傑作。2020年度ネビュラ賞長篇部門受賞作。


音楽やライブを描写しているシーンはとても良く描かれていると思う。
読んでいて楽しいのは間違いない。

若いローズマリーの成長記でもある。

ただ、昔から音楽に親しんで生きてきた身としては、「うん、うん、そうだよねー」と楽しく読んで、最後「で?」となってしまったかも。

アナログとデジタル、リアルとオンライン/サイバー空間。

※タイムリーにロイターの記事があったので、貼っとこう
https://jp.reuters.com/article/metaverse-breakingviews-idJPKBN2K508N?taid=61f8ca0e37b74f00012468cf&utm_campaign=trueAnthem:+Trending+Content&utm_medium=trueAnthem&utm_source=twitter



サラ・ピンスカー名義でアルバムもリリースされているので、Spotifyでちょっと聴いてみたけど。うん、そうだよねー。そういう音楽をやっているんだろうなーと予想通り(あんまり私の趣味ではない)。

悪くないけど、あんまり特別感はなかったかもなぁ。
でも、お友達の間では概ね好評でした。
1月だよー。
うわーん。

年末年始は(コロナ大丈夫かなぁとヒヤヒヤしながら)1月2日に実家で母、姉、甥っ子夫婦と夕ごはん。なかなか使う予定が立てられないマイルで購入したカニと気に入りのスパークリングワインで、母も美味しいと言っていたので良かったかな。

マイルは溜まってもどこにも行けないので、ローストビーフやカニと交換したりしているけれど。ホント、どこかに飛んでいけるのは一体いつになることやら。

相変わらず、海外ドラマやらアニメやらはちびちびと。
『モンスター』マラソンが終了後、『映像研には手を出すな』を見て、『ウィッチャー』のS1を見直してS2を見て、今『タイタンズ』が終わるところ。

別にDCコミックとかバットマンとか好きなわけでもないのに、『ゴッサム』も最後まで観たし、それでクリストファー・ノーラン監督のバットマン三部作も見直したし、『タイタンズ』まで見てるという。S3の終わりのあたりなんだけど、ちょっとその演出はどうなの?というのが増えて、海外ドラマでよくあるシリーズが進んで最後の方になると、「それは無いでしょー」というのが登場する、そんなパターンになっている気が・・・。

読書は、4部作の最終作、『最後の審判』 を読了。
ロバート・ベイリー (著)、吉野弘人 (翻訳) Amazonの説明は↓
老弁護士トムにかつて煮え湯を飲まされたあの殺人鬼が脱獄し、最凶の殺し屋とともに血みどろの復讐劇の幕を開けた。相棒リック、検察官パウエル、黒人弁護士ボーら親友でもある教え子たち、さらに大切な息子夫婦と可愛い孫…殺人鬼はトムにとって最も大切なものを狙い、末期癌に冒された彼を容赦なく追い詰めていく。死の淵に立つトムは果たして愛する者たちを守れるのか。
 正義とは、友情とは、家族とは…。激しく心を揺さぶりながらも、読む者の心を熱く燃やし続けるシリーズ最高傑作。大好評胸アツ法廷エンタメ四部作、堂々の完結編!

胸アツねぇ。まぁそうなのだろうけれど、私はそれほど乗り切れなかったかもなー。
多分男性が読んだ方が胸アツと感じる様な気もする。

それから、今もうすぐ読み終わりそうなのが、"弊機"でおなじみの『マーダーボットダイアリー』マーサ・ウェルズ (著), 中原 尚哉 (翻訳) の続編。

『ネットワーク・エフェクト  マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫)』 マーサ・ウェルズ (著), 中原 尚哉 (翻訳)
ヒューゴー賞・ネビュラ賞・日本翻訳大賞受賞
『マーダーボット・ダイアリー』待望の続編

「やれやれ、人間は勝手に死にがちです」
人間苦手、ドラマ大好きの“弊機”が帰ってきた!

【ネビュラ賞・ローカス賞受賞】かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されていた人型警備ユニットの“弊機”。紆余曲折のすえプリザベーション連合に落ち着くことになった弊機は、恩人であるメンサー博士の娘アメナらの護衛として惑星調査任務におもむくが、その帰路で絶体絶命の窮地におちいる。はたして弊機は人間たちを守り抜き、大好きな連続ドラマ鑑賞への耽溺にもどれるのか? ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞・日本翻訳大賞受賞&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞『マーダーボット・ダイアリー』、待望の続編!


しかし、この作品がここまで受けたのは、一人称を“弊機”と訳した訳者の中原さんの功績は大きいと思うわぁ。勿論、作品自体の魅力も大きいのは当たり前なのだけれど。

そんな感じかな。

第6波も完全に始まってるし、また当分家に籠もる以外にない毎日だけれど。
貧血がようやく少し改善してきたので、お天気の良い日には散歩くらいには行けるかなぁ・・・。
『チェストナットマン』と アニメ『モンスター』
セーアン スヴァイストロプ (著)、高橋 恭美子 (翻訳)

コペンハーゲンで若い母親を狙った凄惨な連続殺人事件が発生。
被害者は身体の一部を生きたまま切断され、
現場には栗で作った小さな人形“チェスナットマン”が残されていた。
人形に付着していた指紋が1年前に誘拐、殺害された少女のものと知った
重大犯罪課の刑事トゥリーンとヘスは、服役中の犯人と少女の母親である
政治家の周辺を調べ始めるが、捜査が混迷を極めるなか新たな殺人が起き――。


なんとなく話題になってた気がして、ポチリ。

こういう「凄惨な」事件の本って結構久々に読んだ気がする。

私は本も映画も、割と前情報無しなのが好きなんだけど。
この著者についても全く知らんかったんだけど、『デンマーク史上最高の視聴率を記録しハリウッドでもリメイクされたドラマ『The Killing /キリング』の制作・脚本で一躍脚光を浴び、国内外で数々の賞を受賞。小説家デビューとなる『チェスナットマン』The Chestnut Man(オリジナルタイトルKastanjemanden)はバリー賞の最優秀新人賞を受賞』だそうで。

デンマーク版は流石に見てないんだけど、ハリウッド・リメイクの『キリング』はかなり好きなドラマだったんだよなぁー。なるほどねん。

ところで、今、夕食のお供に、浦沢直樹原作の『モンスター』というアニメを見てるんだけど、なんと全74エピソードもあってギョッとしてたら、これは『深夜アニメで、6クール(1年半)かけた長期放送』だったらしく、『原作をほぼ忠実にアニメ化』してるらしい。『2004年4月7日から2005年9月28日』って、どんだけ長いのー。

Wikiを見ると、『20世紀少年』の前なんだね。漫画って縁がなくてあんまり読んでないけど、この方のストーリーテリングは素晴らしいと思いますわねん。

で、どっちにも男女の双子が出てくるので、ストーリーを思い出す時にごっちゃになるというw
大変失礼な話ですが。

読みながら、栗の木って日本でも結構植わってるし、おちてる栗の実って決して縁遠く無い気がするけど、この小説の表紙の画像のような栗人形ってあんまり作らない様な・・・。個人的には地面に落ちている栗ってにょろ〜っと虫がでてきそうでちょっと敬遠・・・なんだよね。

あ、日本でよく見る栗は食べられる栗の実だから人形にしないで食べてたってこと?

定期的に読みたくなる、桜木紫乃。

母の愛人だった男が、私の夫。愛なんて最初からなかった、はずなのに。夫の事故ですべてが狂い始めた――。善悪の彼岸へ近づく日常。私たちの“仮面”は崩壊し“怪物”が顔を出す。死ぬって、恰好悪いこと? 忘却不能の最後まで、あなたの心は震え続ける! 


なんとなくでポチってみた作品なんだけど、これも舞台を「ホテル・ローヤル」にしてるんだよね。へぇーっと。

ホテル・ローヤルを舞台にいろいろな作品を書いてるのかな、もしや?

ちょっとググったら「ホテル・ローヤル」が映画で実写化されたときの著者インタビューでこんなことを言っているのを見つけた。

桜木: 「前向きに逃げる」って、大切なことだと私は感じます。逃げるという言葉は後ろ向きに使われがちですが、そうではなくて前向きな気持ちでその場所を後にして、新しい場所に向かって歩いていく。
https://telling.asahi.com/article/13916963


なるほどねぇ。桜木紫乃作品はそういうの多い気がする。

この『硝子の葦』は、一応ミステリということになっているみたいで、まぁミステリと呼べないこともないけれど。

あー、そう落としたのか、とは一応思いました。

ところで、桜木紫乃は北海道の寂れた漁村や小さな街の女性を描く事が多いのだけれど。
例えばアメリカよりも、桜木紫乃の世界の女性のほうが、あまりにも違う価値観で遠い世界に感じるということ。同じ日本なんだけどね。不思議だよね。

あまりに乱暴に一括にはできないけど、ちょっとメモとして。
『亡国のハントレス』
ケイト・クイン (著)、加藤 洋子 (翻訳)

全く予備情報なく読みました。
↓Amazonでの紹介テキスト
第二次大戦後、激動の時代に消えた殺人者
“ザ・ハントレス”の正体とは――

第二次大戦のさなか、ドイツ占領下のポーランドに“ザ・ハントレス”と呼ばれた殺人者がいた。
森で人を狩り、子供や兵士を殺した冷酷な親衛隊将校の愛人。
その女に弟の命を奪われた元従軍記者の英国人イアンはナチハンターとして行方を捜し、1950年春、手がかりを追って大西洋を渡る――。
一方、米国ボストンでは、17歳の娘ジョーダンが父親の再婚相手に不審を抱き……。
壮大な歴史ミステリー


実は700ページオーバーで、紙の本で見るとかなりのボリュームらしく、読んでも読んでも50%までいかなくてびっくりしたくらい。

でも、「歴史ミステリー」として読むとどうかなぁ・・・と思う。ミステリーではないんじゃない?エンタメだよね、と。

でもそれを差し引いても、シスターフッドものとして読んだら、ほーんとページターナーで御面白くて。

私は恥ずかしながら歴史に弱いのだが。
ソ連に「第46親衛夜間爆撃航空連隊」という女性だけの夜間爆撃連隊があったことは知らなくて。そのパートがいろんな意味ですごくよく描かれていて。

これは久々につかみも良いし、読んだ後にも「面白かった〜」と思える作品だった。

敢えていうならば、「ハントレス」についてもう少し描いてほしかったな、というのはあるかなぁ。そこが弱かったかな。

ナチハンターという素材を気軽に使って良いのかどうなのか、という論点はあるのだろうとは思うけれど。アメリカ人の無邪気な正義感をそのまま採用してあげても良いのでは?と私なんかは思うんだよね。

この作家の一つ前の「戦場のアリス」と、スヴェトラーナ アレクシエーヴィチ著の「戦争は女の顔をしていない」を読もうと思った。


ちょっと、『コードネーム・ヴェリティ』を思い出します。


ところで、ハントレスって何?と思ったのだが。
actor / actressと同じ活用(?)の、hunter / huntressなのだね。
なるほどーーーーーと、辞書を引いて思った次第。

最近読んだもの

2021年11月24日 読書
今朝は通院のため、少々朝早くひと仕事して。
なんだか仕事が落ち着いているっぽいので。

最近読んだもののメモをば。

『ヨルガオ殺人事件』 アンソニー・ホロヴィッツ (著)、山田 蘭 (翻訳)
『カササギ殺人事件』から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた──そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズの『愚行の代償』。かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件。『カササギ殺人事件』の続編にして、至高の犯人当てミステリ登場!


色々とホロヴィッツにはミステリ好きの間では賛否両論あるみたいだけれど。
やっぱり上手だよなぁ・・・と思うのよね。
読み始めたら、ページターナーでどんどん進む。

クリスティへの完璧なオマージュというところに、私は異論はありませんが、クリスティ者からすると「うーん」らしいしw

こういうのはバカンスのときに気安く読んだら楽しいだろうなぁ・・・。さて、バカンスに行かれるのは一体いつかしらん、と思いつつ。


『タイタニックを引き揚げろ』 挫折・・・。


『自由研究には向かない殺人』 ホリー・ジャクソン (著)、服部 京子 (翻訳)
高校生のピップは自由研究で、5年前に自分の住む町で起きた17歳の少女の失踪事件を調べている。交際相手の少年が彼女を殺害し、自殺したとされていた。その少年と親しかったピップは、彼が犯人だとは信じられず、無実を証明するために、自由研究を口実に警察や新聞記者、関係者たちにインタビューをはじめる。ところが、身近な人物が次々と容疑者として浮かんできてしまい……。予想外の事実にもひるまず、事件の謎を追うピップがたどりついた驚愕の真相とは。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、英米で大ベストセラーとなった謎解きミステリ!


高校生が主人公ということでYAといって良いと思うのだけれど、これは好きな作品(ただ1点、そこは「うぅぅぅぅ。えーーーん」というのがあったけど)だなぁ。

ちょっと、『弁護士 ダニエル・ローリンズ』のことも思い出しながら読んだかも。
でも、本作はイギリスが舞台で、ダニエル・ローリンズはアメリカなんだけどね。


『杉の柩』と『十二夜』
クリスティの『杉の柩』は多分3度目。
下敷きとされているというか、引用がされているシェイクスピアの『十二夜』も今回は一応読んでみた。

杉の柩はしみじみ好きな作品だなぁ。全体的に美しくロマンティックで、犯人は確かに「えーーっ!」という人物だし、ミステリとしてどうかという議論になると認められないという人もいるのかもしれないけれど。

クリスティやポアロさんが好きな立場として読むと、もうひたすら良くできた素晴らしい作品だとしか思えない。Best5には絶対入るなぁ(ちゃんと考えたことないけど)。

只今『チェストナットマン』を休憩して、『亡国のハントレス』を読んでる。これ、エンタメとして結構出来が良いのでは?今1/3ほど読んだけど、とにかく掴みは最高!面白いわぁ。読み終わったら、さて。
最近は体調が低空飛行なので、なかなかここに書きに来れないなぁという実感。
と思っているうちに10月ですなぁ。ひゃー

仕事用に貸与されていたMacBookがおかしくなってしまい、MacBookProに買い替えたのだけれど。一から設定すると、今って諸々サブスクだから、PWが大変。仕事用だからMicrosoftのOfficeも必要だし、Businessプランにしたら、見たこともないドメインでメールアドレス(ID)作らされてギョッとしたり。はぁMicrosoftは遠くなってしまったもんだわ。

なにせ貧血なので、在宅勤務とはいえ自宅は階段があるので、長期プランとしてはマンションに住み替えた方が良いのかなぁ・・・と再び思ったり。今は買い替えや引っ越しなんてとてもするエネルギーがないから、すぐではないけど。これは長期的に、いわゆる「継続協議(自分と)案件」ですな。

最近読んだ本:
『ハートに火をつけないで」 ジャナ・デリオン著
待ち侘びていたワニ町第4作。楽しみにし過ぎていたせいか、サクッと終わってしまった。
いや、面白かったけど。こういう好きなシリーズは待っている間に自分のハードルを上げてしまうのかもしれない。

『女の甲冑、着たり脱いだり 毎日が戦なり』ジェーン スー
まぁ、ジェーン スーよね(褒めてる)

『あのこは貴族』 山内マリコ著
これ、読んだことがある!と読み終わる寸前に気づいたぜよ。くー。確かジェーン・スーがメンションしてたのでポチったのかなぁ・・・。

『誘拐の日』 チョン へヨン著
初の韓国ミステリ。実は私は全く韓流にハマっていないので、ドラマも映画もポップスもまるで馴染みがないんだが。これは仲良くしている集まりでの課題書で。

うーん、イマイチでしたね。ツッコミどころが満載だし。
読みやすくてサクサク読めるし、主人公の1人の女の子は魅力的に描かれているけど。
「記憶喪失」「難病」「実は兄弟だった」って、よく韓流ドラマで使われるモチーフと聞いたけどそれらもばっちり入ってて。

どうもやっぱり韓流は苦手かもしれない。

『ひらいたトランプ』再読
ポアロさんはやっぱり楽しいな。

『野獣死すべし』 ニコラス ブレイク
うーむ。まぁ一応古典ということで、読む機会が会ったことでよしとするかなって感じかな。

『ヨルガオ殺人事件』に向けて、『カササギ殺人事件』を読み返したけど、相変わらずぜんぜん覚えていなかった。はは。

こんなところかな。


『主婦病』

2021年9月12日 読書
森 美樹 (著)
「たとえ専業主婦でも、女はいざという時のために最低百万円は隠し持っているべきでしょう」。新聞の悩み相談で目にした回答をき っかけに、美津子はある仕事を始めた。八時三十分から三時まで、昼休憩を除いて六時間勤務。完全在宅勤務でノルマなし。欠かせないのは、熟したトマト─。R 18文学賞読者賞を受賞した「まばたきがスイッチ」をはじめ、生きる孤独と光を描ききる六編を収録!


最近、これいつなんでポチったんだろう、という電子積読が結構あって(苦笑)。
これも、なんで買ったのか覚えていなかったんだけど。

私は、結構好きだな。
私は「主婦」ではないので、「専業主婦」の憂鬱を理解しきっているかは別として。

そもそも短編連作という形式が好きだし。
「あー、そうきたか。上手だな」と思った。

森美樹さん、また読んでみるかも。
先日の追加版

『偽りの銃弾』
Harlan Coben (原著), ハーラン コーベン (著), 田口 俊樹 (翻訳), 大谷 瑠璃子
殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。ジョーの死に潜む謎を追ううちに、マヤは4か月前に惨殺された姉クレアの死、そして17年前のある事件の真相へとたどり着く……。
ハードボイルドなヒロインの生き様、予想を大きく超える予想外の結末。ジュリア・ロバーツが惚れ込み映画化権を獲得した、「マイロン・ボライター」シリーズで人気の著者による最新傑作スリラー!

なんでポチったのか記憶にないシリーズw

まぁエンタメとしては良いかもね。映画化しても大丈夫そうな気がする。


『弁護士ダニエル・ローリンズ』
ヴィクター メソス (著), 関 麻衣子 (翻訳)

これはきっと誰かに勧められて、欲しいものリストで眠ったものをポチって。
結構好き!
ソルトレイク・シティの刑事弁護士ダニエルは、元夫の再婚が決まり、連日二日酔い出廷中。そんなある日、麻薬密売容疑をかけられた知的障害のある黒人少年の弁護依頼が。未成年なので簡単に不起訴処分に持ち込めるかに思えた。だが、いざ調査を進めてみると、少年は誰かに利用されたとしか思えないのに、何故か検察も判事も実刑判決にする気満々で……酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士が社会の闇を吹き飛ばす!

著者は意外や男性で、現役の弁護士。あとがきで、『リーガル小説を執筆していてもっとも驚いているのは、読者から似たような内容のメールを大量に受け取る.......誰もが、本はとても面白かったけれど現実には絶対に起きないことだと書いてくる』と書いてる。実際の経験をもとに執筆しているアメリカでは大人気の作家らしい。この本が面白かったからシリーズにしてほしいんだけどなぁ・・・。その気配はなさそう。

そのほかをあとで追記するけど、一旦あげとく。
取り急ぎ、Kindle見ながら、読んだものメモしとく。
本日のリハビリ代わりに。
順不同だと思う。


1. 『利腕』
ディック・フランシス
初、ディックフランシスでした。
予想以上に楽しめた。


2. 『完全記憶探偵エイモス・デッカー ラストマイル』
デイヴィッド・バルダッチ (著)、関麻衣子 (翻訳)
完全記憶探偵が面白かったので。


3. 『ホテル・ネヴァーシンク』
アダム オファロン プライス (著), 青木 純子
ニューヨーク州の山地にそびえ立つホテル・ネヴァーシンク。大統領も宿泊に来る人気ホテルだが、子どもが行方不明になる事件がたびたび発生していた。どうやら経営者一族の抱える秘密が関わっているらしい。洋館ホテルを舞台に展開するミステリと家族の年代記

なんか独特で結構好きだったかも。


4. 『兄の終い』
村井理子
好きな翻訳家・エッセイシストなんだけど、正直『一刻も早く、兄を持ち運べるサイズにしてしまおう』という一文以外は、取り立てて・・・という感じだったかもな。


5. 『楡家の人びと』
北杜夫 第一部のみ


6. 『ザリガニの鳴くところ』
ディーリア・オーエンズ (著), 友廣 純 (翻訳)
ノースカロライナ州の湿地で男の死体が発見された。人々は「湿地の少女」に疑いの目を向ける。6歳で家族に見捨てられたときから、カイアはたったひとりで生きなければならなかった。読み書きを教えてくれた少年テイトに恋心を抱くが、彼は大学進学のため彼女を置いて去ってゆく。以来、村の人々に「湿地の少女」と呼ばれ蔑まれながらも、彼女は生き物が自然のままに生きる「ザリガニの鳴くところ」へと思いをはせて静かに暮らしていた。しかしあるとき、村の裕福な青年チェイスが彼女に近づく……みずみずしい自然に抱かれた少女の人生が不審死事件と交錯するとき、物語は予想を超える結末へ──。

ノースカロライナの独特な地形を知らないと想像しにくい背景かもと思いつつ。友人たちの間で賛否両論だったのだけれど、私は結構好きかも。ミステリとして読む必要はないと思う。


7. 『ナイト・エージェント』
マシュー クワーク (著), 堤 朝子 (翻訳)
FBI局員ピーターはホワイトハウスの危機管理室で緊急電話を取り次ぐ深夜番。284晩で入電は1度だけ。誰が何のためにかけてくるのかも知らされていない。そんなある晩、取り乱した若い女から電話がかかってくる。「赤の台帳、オスプレイ、6日後」という暗号めいた伝言とこの番号を託した伯父夫妻は、同夜何者かに殺されていた。その日からピーターは国家レベルの陰謀に巻き込まれていき――。

マイクル・コナリー大絶賛という言葉に釣られて読んだけど、まぁまぁかな。エンタメとしてそれなりに面白く読めるけど、読んだ瞬間に内容を忘れるタイプの作品。(もう思い出せない)


8. 『危険な男』
ロバート・クレイス (著), 高橋 恭美子 (翻訳)
クレイスの、しかもパイクものが読めるだけで嬉しい!
けれど、まぁどうしてもこんな感じになるよねぇーという感じは否めないかも。


9. 『ザ・プロフェッサー』
ロバート・ベイリー (著), 吉野弘人 (翻訳)
アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
 真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!


続けて、シリーズの
10. 『黒と白のはざま ザ・プロフェッサー』
11. 『ラスト・トライアル』も。
4部作とのことなので、最後の作品の訳出を待ちます。


12.『食肉の帝王』
溝口敦
なんとなく、目に留まったので。


13. 『スクリーム』
カリン スローター (著), 鈴木 美朋 (翻訳)
刑務所内の暴動中に起きた殺人事件の捜査にあたるウィルは、服役中の男から犯人を教える代わりに8年前の連続強姦殺人事件を再捜査するよう取引を持ちかけられる。
不正捜査によって男を逮捕したという人物は声望の高い前グラント郡警察署長、ウィルもよく知る人物だった。
時を置かず当時と同じ異様な手口で傷つけられた女性の遺体が発見され――。
過去と現在の因縁が衝突する、シリーズ最高傑作!

相変わらず、サラは好きになれないんだよなぁと思いつつ。
私はウィルは好きです。


14. 『献灯使』
多和田葉子
積読、解消。表題作はかなり良かった。


・・・・今日のリハビリ、終了〜
ふぅ。
簡単にメモ。

普段ノンフィクションは殆ど読まないのだけれど、なぜか続けて2冊。

『老人喰い: 高齢者を狙う詐欺の正体』
鈴木大介著
2015の刊行物。ポチってずっと積んどいたもの。

『ヤクザと原発 福島第一潜入記』
鈴木智彦著

この本は2011年発刊でもう10年前。
原発の後処理はまだまだ先が長い。のに・・・五輪とかあほみたい。


『完全記憶探偵』
デイヴィッド・バルダッチ (著)、関麻衣子 (翻訳)

面白くて、上下巻を一気読み。
考えてみると久々のサイコパス物だったのでは。

最近Netflixのマーベルの特殊能力者シリーズ(アヴェンジャーズの二軍ものと呼んでいるw) を見ているせいか「完全記憶者」という設定に何の違和感もなく入っていけた気がする。

思わず次作もポチった。

ふとドラマの「メンタリスト」も、レッドドラゴンの部分をあんなしょーもない結末にしなければ良かったのにねぇ、ということを思い出した。


『殺人は容易だ』 クリスティ


『見習い警官殺し』
レイフ・GW・ペーション (著), 久山 葉子 (翻訳)

『許されざる者』が良かったから、読んだのに。
パロディーであることはわかっていても、諸々ポリコレ的にあかん発言が酷すぎて、耐えがたかった。くっそー。次作はパスです。


『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』
ジョン ダグラス&マーク オルシェイカー (著)、井坂 清 (翻訳)

多分、Netflixのドラマ、マインドハンターの原作(の一部?)
予算がかかりすぎたわりに、数字が取れなくてシーズン2はどうなることやら、らしいのが残念。

とりあえず、こんなもんかな。




シリーズものを3作。

『猟犬』(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
ヨルン リーエル ホルスト (著)、Jørn Lier Horst (著), 猪股 和夫 (翻訳)

『警部ヴィスティング カタリーナ・コード 』(小学館文庫)
Jorn Lier Horst (原著)、ヨルン・リーエル ホルスト (著), 中谷 友紀子 (翻訳)

『警部ヴィスティング 鍵穴  ~THE INNERMOST ROOM~ 』(小学館文庫)
ヨルン・リーエル・ホルスト (著)、中谷友紀子 (翻訳)

基本的には好きなタイプの警察もの。
じっくり地味に捜査する刑事が好きなのさw

『カタリーナ・コード』が一番面白かったかもなぁ。
ジャスパー・フォード (著)、桐谷 知未 (翻訳)

過酷な冬を越すために人間が冬眠する世界での物語。
ふとした偶然からチャーリーは冬季取締官に志願する。
冬季取締官は眠らずに盗賊(ヴィラン)や冬の魔物(ウィンターフォルク)に対処する過酷な仕事だ。
無事取締官になったチャーリーは、冬眠に失敗しナイトウォーカーになった女性を別の地区まで送り届けることに。
ナイトウォーカーは普段はおとなしいが、空腹になるとひとを襲うちょっぴり危険な存在だ。
途中で思わぬ事件に巻き込まれながらも、ようやく〈セクター12〉にたどり着いたチャーリーは、夢の中の夏の楽園(サマートピア)で、美しいベルギッタと出逢うことになるのだった。
二度と還らぬあの夏の砂浜で。
〈セクター12〉に到着したチャーリーは、ナイトウォーカーを食べると言われている局長トッカータをはじめとして変人ばかりの冬季取締局のメンバーたちと働くことに。
さらに〈セクター12〉で噂される、“伝染性の青いビュイックの夢"を見た彼は冬眠薬モルフェノックスをめぐる謎と奇妙な事件に巻き込まれてゆく。
その夢は見たひとを殺すというのだが、何人ものひとが同じ夢を見るなんてことがありえるのだろうか?そしてチャーリーはベルギッタを守ることができるのだろうか?奇才ジャスパー・フォードによる、厳しい冬の中の切ない夏の物語。



SFに疎いのでお勧めされた作品しか読めないし詳しくないけど。
楽しく読了。

ずっとハルキの「ハードボイルド・ワンダーランド」を思い出しながらぼくの活躍を読む。
これ、人称がぼくなのと、ある意味成長譚なので、ハルキを思い出すのかな。

甥っ子が今高校生だったら絶対に勧めたいなぁ、と思った。
もう彼は30代だし、仕事がめちゃくちゃ忙しいみたいなので、勧めるのは躊躇してしまうけれど。

しかし、ディストピアものとかスパイものとか、自分では選んでいなかっただろうなぁという作品を勧めてもらえるのってありがたいなぁとしみじみ。

テレビのウォーキングデッドは見てるけど、あまり作品でディストピアものは読んでいないと思うしな。

以前も冬のミネソタを舞台にした小説を読んだ時に、冬のキリッとした空気や景色を物語で読むと美しく惹かれるけれど、実際には絶対に行きたくないよね、なぁんて思ったけれど。人間が冬眠しないと越せない冬がきたとしたら、そのまま死んでも良いから進んで冬眠するだろうなぁ・・w

はは。

他の作品も読みたいぞと思える作品で満足でした。


原題が"Early Riser"で覚えやすいのに、日本語タイトルが全然覚えられない。
そして、ラノベっぽい表紙デザイン。
タイトルも表紙も、ラノベの読者を釣ろうとしているんだろうか。
よくありがちなパターンな気がするが、どうもね、って感じではありましたね。
Dark Sacred Night の訳出。

出た時原著で読んだので、再読ということで。

まずタイトルが本当にひどい。『暗く聖なる夜』というタイトルを使ってしまったのはわかるけど、コナリーはタイトルを大切にしている作家なんだからもうちょっと考えてくれよ〜〜〜と、心の底から思う。

相変わらず訳が雑。
最後にグッとくる場面の訳で台無し、とかね。
と、和訳に関する文句はたくさんあるのですが。

ロス市警ハリウッド署深夜勤務担当女性刑事レネイ・バラードが、ハリー・ボッシュと共演。深夜勤務からハリウッド署に戻ってきたバラードは、古い事件ファイルを見ず知らずの男が漁っていたのに気づく。男はロス市警を引退したハリー・ボッシュだった。ハリウッド分署管内で発生した古い未解決事件のファイルを調べていたのだった。ボッシュを追いだしたバラードだったが、その事件に興味を示す。十五才の家出少女がハリウッドの路地で殺害された事件だった。バラードはボッシュと協力して、殺人事件の真相解明に向かう。


長年追いかけてきたボッシュが、「レイトショー」で登場したバラード刑事と未解決事件を解決してゆく、というストーリーで。ボッシュものが読めるだけで幸せ、という境地かもしれない。

いつもボッシュは殺人を解決する刑事というものに課すハードルが高く、長年それを超えてくる刑事に出会えずにいたのを知っているので。
(なぜか、ルシア・ソト、ベラ・ルルデス、レネイ・バラード、と女性刑事とは相性が良いんだよなぁ・・・)

しかし、マイクル・コナリーはいっとき質が下がった時期があったものの(ナイン・ドラゴンズのあたり)、その後持ち直して、一定のレベルを保ち毎年1冊あるいは2冊も執筆し続けているのが本当にすごいと思う。ハズレ作品が本当に少ない。

今後ボッシュがどうなるかだけ、本当に心配だけれど。
『スパイはいまも謀略の地に』
ジョン・ル・カレ (著)、加賀山 卓朗 (翻訳)

先日『誰よりも狙われた男』を再読したので、折角だしと遺作になった『スパイはいまも謀略の地に』を。

イギリス秘密情報部(SIS)のベテラン情報部員ナットは、ロシア関連の作戦遂行で成果をあげてきたが、引退の時期が迫っていた。折しもイギリス国内はEU離脱で混乱し、ロシア情報部の脅威も増していた。彼は対ロシア活動を行なう部署の再建を打診され、やむなく承諾する。そこは、スパイの吹きだまりのようなところだった。 ナットは、新興財閥(オリガルヒ)の怪しい資金の流れを探る作戦を進めるかたわら、趣味のバドミントンで、一人の若者と親しくなっていく。 ほどなく、あるロシア人亡命者から緊急の連絡が入った。その人物の情報によると、ロシアの大物スパイがイギリスで活動を始めるようだ。やがて情報部は大がかりな作戦を決行する。そして、ナットは重大な決断を下すことに……。 ブレグジットに揺れるイギリスを舞台に、練達のスパイの信念と誇りを描く傑作。


す〜っと読めて(何ならティンカーとか挫折したままだし)、まさに「今」を描いた謀略もので面白くて。

あーん、ル・カレ先生の新作がもう読めないなんて残念過ぎると遅まきながら思った次第。

その前の『スパイたちの遺産』が、アマゾン先生いわく、『傑作『寒い国から帰ってきたスパイ』『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』、世紀を超えた続篇!』という情報なので。

やはり、ここは『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を読み直すべきな気がしてきた。

ところで、アメリカに慣れ親しんだ身としては、この作品の中の、「イギリス人から見たヨーロッパ感」みたいなものが、すごくアメリカの作品とは違うよなぁ、と思ったんだよねぇー。

本もドラマもアメリカ発のものをついつい選んでしまうので。

ブレグジットとトランプを並べて小説の中で語られる様とか。
アメリカの作品で、ブレグジットが出てきた記憶がないなぁ・・・。

と、思いながら、アメリカのスパイもの"Homeland"の最終シーズンを見てるんだけどね。
さぁ、あと数話しか残ってないんだけど、どうオチをつけるんだろ。

最近読んだもの

2021年3月3日 読書
1. 『開かれた瞳孔』
『ざわめく傷痕 〈グラント郡〉シリーズ』を読了したら、第1作の『開かれた瞳孔』の詳細を思い出したくなって、結局再読。

もうすっかり忘れてたねぇー。

サラが若いなぁー。
グラント郡シリーズは訳出が止まっていたので読めていないけど、この後どのあたりで彼女の身辺に変化が起こるんだろ。

サラはイマイチ好きじゃないんだよねぇーと言いながらきっと読むと思うけど。


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2. 『汚名』 "Two Kinds of Truth"
発刊された時に原著で読んでいるので、和訳を再読。

SFPD(サンフェルナンド市警)の予備刑事(reserve officer)として、自発的に未解決事件捜査にあたっているハリー・ボッシュのもとを、昔のパートナーだったロス市警本部強盗殺人課未解決事件班刑事のルシア・ソトが現在パートナーを組んでいるボブ・タプスコットとロス検事局のアレックス・ケネディ検事補とともに訪れ、ボッシュが三十年ほど前に逮捕し、現在も死刑囚として服役中の連続殺人犯プレストン・ボーダーズに関して、あらたな証拠が出たとして、再審がひらかれる見込みだと聞かされる。残された証拠を調べ直したところ、すでに死亡している別の死刑囚ルーカス・ジョン・オルマー(連続婦女暴行殺人犯)のDNAが被害者の着衣に精液の形で付着していたことが科学的に立証されたという。事件発生当時、DNAは、犯罪捜査の証拠として認められていなかった。証拠保管庫に収められた被害者の着衣の入っている当該事件の証拠保管箱をソトとタプスコットが開封する様子は、ビデオに録画されており、そこに問題はまるで無いように思えた。
ボーダーズの弁護士ランス・クローニンの主張は、被害者の着衣に別人のDNAが付着している以上、ボーダーズ逮捕の決定的な物証(ボーダーズの住居で見つかった被害者のペンダント)は、事件担当の捜査官(ボッシュと彼のパートナー)が仕込んだものだ、というものだった。ロス市警と喧嘩別れしたいきさつから、ロス市警と検事局のボッシュに対する心証はことのほか悪く、証拠を捏造した悪徳警官としてボッシュに責任をかぶせようという気が満々だった。おのれの信用が地に落とされる危機に際し、リンカーン弁護士ミッキー・ハラーにボッシュは相談し、ミッキーの導師であるリーガル・シーゲルの智慧を借りることになる。
一方、サンフェルナンド市警の管轄で、薬局を経営する父親と息子が薬局内で銃殺されるという事件が発生し、小規模共同体の警察としては、手が足りず、ボッシュも捜査に狩りだされる。捜査を進めるなかで、この事件が、薬局を舞台にしたオキシコドン(半合成麻薬)不正請求にまつわるものであることが判明する。すなわち、身内に引き込んだ医師に鎮痛剤でもあるオキシコドンの処方箋を書かせ、患者を装った出し子たちに薬局で大量に入手させ(料金は医療保険Medicareでカバーされる)、それを売りさばいて大金をせしめている犯罪者集団がいた。薬局の父親は、永年その片棒を担がされていたのだが、息子がその不正に気づき、手を引こうとして、犯罪者集団に処刑されたのだった。犯罪者集団のアジトを突き止め、親玉を逮捕する証拠を手に入れるため、ボッシュは、潜入捜査に赴く。


↑ アマゾンの紹介、長っ w

相変わらず、訳がひどいなぁ。誤訳も多いし、イディオムの無知や会話の訳のクオリティもひどいし。もうちょっと辞書引いて、調べ物してくれよ。

それから、タイトルもひどい。

コナリーはタイトルにすごく思い入れとこだわりがあって。たいていダブル・ミーニングにしているし、綺麗なタイトルをつけるのに。

訣別:The Wrong Side of Goodbye
汚名:Two Kinds of Truth

この邦題のひどいこと。意味不明な部分もあるしね。
はぁーあ。他の訳者さんに訳してもらえたら、と思い続けてもう何年でしょうかねぇー。


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3. 『マイ・シスター、シリアルキラー」
オインカン・ブレイスウェイト (著), 粟飯原 文子 (翻訳)

真面目な看護師コレデはうんざりしていた。美貌の妹アヨオラが、今日もまたその彼氏を殺してしまったのだ。これで三人目。コレデは死体を処理するが、次第に警察の捜査が姉妹に迫り……。ナイジェリアの新星が描くブラックユーモアと切なさに満ちたサスペンス


ナイジェリアの作家ということで、話題の作品。

ま、ミステリではないけど、色々な意味で興味深く読了。

お兄ちゃんがシリアルキラー、お父ちゃんがシリアルキラーにつづいて、妹がシリアルキラーというのが登場、なぁーんて。はは。

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