『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』
2018年7月1日 読書
ロバート・ロプレスティ (著), 高山 真由美 (翻訳)
ちょっとバタバタしていたので、軽めの短編が良いかなぁと。
うん。何というか。今の気分にぴったりのチョイスだった。
タイミングというのも大切。
ちょっとバタバタしていたので、軽めの短編が良いかなぁと。
大学図書館の殺人、初版本盗難事件、馬の誘拐……
ミステリ作家の執筆と名推理!
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。解説=大矢博子
うん。何というか。今の気分にぴったりのチョイスだった。
タイミングというのも大切。
アガサ・クリスティー (著)、深町 眞理子 (翻訳)
トミタペ夫婦の作品。『NかMか』が中年期。今作が初老という設定。
『NかMか』よりは楽しめたのは何故だろう。時代設定?
でも、コージーよろしく、素人が鼻をつっこんでいって「あ~れ~!」と助けられる、みたいのは実はあまり好みではない。
友人がこの頃のクリスティは頭に「マクベス」があったのだろうというコメントになるほどね、とは思うけれど。
亡くなった叔母の遺品、一幅の風景画を見たタペンスは奇妙な胸騒ぎをおぼえた。描かれている運河のそばの一軒屋に見覚えがあったのだ。悪い予感を裏づけるかのように、絵のもともとの所有者だった老婦人が失踪した…初老を迎えてもますます元気、冒険大好きのおしどり探偵トミーとタペンス、縦横無尽の大活躍。
トミタペ夫婦の作品。『NかMか』が中年期。今作が初老という設定。
『NかMか』よりは楽しめたのは何故だろう。時代設定?
でも、コージーよろしく、素人が鼻をつっこんでいって「あ~れ~!」と助けられる、みたいのは実はあまり好みではない。
友人がこの頃のクリスティは頭に「マクベス」があったのだろうというコメントになるほどね、とは思うけれど。
『ファイアーウォール』
2018年6月16日 読書ヘニング・マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
ヴァランダーシリーズ第8作目。本国での刊行は1998年の模様。
コンピューターのファイアーウォールをモチーフに変わりゆく世の中を憂うヴァランダー。2000年問題もちらっと議論されたりして、ちょい懐かしい感じが。
ヴァランダーのチームのチームワークにも亀裂を感じるし、時代が変わりつつある、ということかしらん。折角良いチームになってきたと思っていたのが、前作以来揺れてますね。
しかし、コンピューターを犯行現場にそのまま残しておいて解析に通うのとか、時代というか。呑気というか。
普段アメリカものの苛烈なクライムノベルに慣れてしまっているので、時々スウェーデンってこんな感じなのかなと思う事がある。
ヴァランダーにはすっかり情が移っているので、後少ししか読めないのが悲しい。
ヴァランダーシリーズ第8作目。本国での刊行は1998年の模様。
19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲う事件が発生。逮捕された少女たちは金ほしさの犯行だと自供、反省の色はない。あまりにふてぶてしい二人の態度。尋問の席で母親を殴った少女に腹をたてたヴァランダーは思わず彼女に平手打ちを食らわせてしまう。ところがその瞬間の写真を新聞に掲載されてしまったのだ。孤立感に苛まれるヴァランダー。北欧ミステリの巨匠の傑作シリーズ。
コンピューターのファイアーウォールをモチーフに変わりゆく世の中を憂うヴァランダー。2000年問題もちらっと議論されたりして、ちょい懐かしい感じが。
ヴァランダーのチームのチームワークにも亀裂を感じるし、時代が変わりつつある、ということかしらん。折角良いチームになってきたと思っていたのが、前作以来揺れてますね。
しかし、コンピューターを犯行現場にそのまま残しておいて解析に通うのとか、時代というか。呑気というか。
普段アメリカものの苛烈なクライムノベルに慣れてしまっているので、時々スウェーデンってこんな感じなのかなと思う事がある。
ヴァランダーにはすっかり情が移っているので、後少ししか読めないのが悲しい。
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
2018年6月3日 読書ジェームズ・M. ケイン (著)、田口 俊樹 (翻訳)
映画化もされてるし、有名作品。
でも、未読だったのを、田口さんの新訳で。
読了して、え?
まったく好みに合わない。
なんでそんな「不朽の名作」なのかしら。
まぁ普遍なストーリーでオトナの寓話みたいな感じはするけれど。
あかんかったー。
映画化もされてるし、有名作品。
でも、未読だったのを、田口さんの新訳で。
何度も警察のお世話になっている風来坊フランク。そんな彼がふらりと飛び込んだ道路脇の安食堂は、ギリシャ人のオヤジと豊満な人妻が経営していた。ひょんなことから、そこで働くことになった彼は、人妻といい仲になる。やがて二人は結託して亭主を殺害する完全犯罪を計画。一度は失敗するものの、二度目には見事に成功するが…。映画化7回、邦訳6回のベストセラーが新訳で。
読了して、え?
まったく好みに合わない。
なんでそんな「不朽の名作」なのかしら。
まぁ普遍なストーリーでオトナの寓話みたいな感じはするけれど。
あかんかったー。
ビル ビバリー (著)、 熊谷 千寿 (翻訳)
去年の秋に買ってあったのに、なんだか着手できず。読み始めてもどうもなかなか捗らず、だった『東の果て 夜へ』ようやく読了。
そんなにヴォリュームある作品じゃないだろうに。
しかし読後感が最高に良い!わーを、そうきたかー、イースト!!
「YAとアメリカもの好きだからきっと好きだよ」と言われていたけど結果その通りってところかな。
これも原題はDodgers(道中、白人たちに怪しまれないようドジャースのTシャツやキャップなどでファンを装っている)のところ、邦題が良いわぁ。
去年の秋に買ってあったのに、なんだか着手できず。読み始めてもどうもなかなか捗らず、だった『東の果て 夜へ』ようやく読了。
そんなにヴォリュームある作品じゃないだろうに。
しかし読後感が最高に良い!わーを、そうきたかー、イースト!!
「YAとアメリカもの好きだからきっと好きだよ」と言われていたけど結果その通りってところかな。
これも原題はDodgers(道中、白人たちに怪しまれないようドジャースのTシャツやキャップなどでファンを装っている)のところ、邦題が良いわぁ。
――少年は旅に出る。2000マイル先へ、人を殺しに。
名だたるミステリ文学賞を連続受賞。昨年、英語圏で最高の評価を獲得した傑作がついに邦訳。
★英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞
★同最優秀新人賞ジョン・クリーシー・ダガー受賞
★全英図書賞(年間最優秀犯罪小説部門)受賞
★ロサンゼルスタイムズ文学賞(ミステリ部門)受賞
「長年の読書経験で最上級の一冊だ」――ドン・ウィンズロウ(『犬の力』『ザ・カルテル』『サトリ』著者)
ロサンゼルスのスラム街「ザ・ボクシズ」で犯罪組織に所属する15歳の少年、イースト。麻薬斡旋所の見張りを担当していた彼であったが、警察の強制捜査によって施設が押さえられてしまった。仲間から責任を問われたイーストにボスが命令を下す――「ある男を殺せ」。
標的である裏切り者の判事は遠く東に離れたウィスコンシン州へ旅行中で、組織幹部が裁かれる法廷に証人として立つため、来週ロサンゼルスに戻ってくる。その前に始末する。イーストに同行するのは、13歳にして殺し屋である不仲の弟をはじめとした少年たち3名。崩壊の予感と軋轢を抱えながら、2000マイルに及ぶ旅が始まるが……。
罪の意識。同行者たちとの衝突。そして初めて見るロサンゼルスの「外」の光景が、イーストの心をかき乱していく――。孤独なる魂の彷徨を描いて絶賛を浴びたロード・ノヴェルにしてクライム・ノヴェルの傑作。解説/諏訪部浩一(東京大学准教授)
陳 浩基 (著)、天野 健太郎 (翻訳)
去年あちこちで非常に評判の良かった中国語ミステリを、ようやく。
ふむふむ。著者のあとがきでも、『ミクロ的には本格派の、マクロ的には社会はの作品』と書かれている、まさにその通りの作品で。
舞台は香港なのだけれど、あー私達って同じアジア人なんだねと思う。
ちょっと懐かしい感じで、なかなか楽しめた。
でも、昨年出版された作品を対象にした翻訳ミステリシンジケートの読者賞でこれが第1位ってことは、やっぱりみんな分かりやすい作品が好きってことねー。
去年あちこちで非常に評判の良かった中国語ミステリを、ようやく。
文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸!現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。
本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(2014年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
2015年の台北国際ブックフェア賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化件はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。
〈目次紹介〉
1.黒與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実)
2.囚徒道義 (任侠のジレンマ)
3.最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)
4.泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤)
5.Borrowed Place (借りた場所に)
6.Borrowed Time (借りた時間に)
ふむふむ。著者のあとがきでも、『ミクロ的には本格派の、マクロ的には社会はの作品』と書かれている、まさにその通りの作品で。
舞台は香港なのだけれど、あー私達って同じアジア人なんだねと思う。
ちょっと懐かしい感じで、なかなか楽しめた。
でも、昨年出版された作品を対象にした翻訳ミステリシンジケートの読者賞でこれが第1位ってことは、やっぱりみんな分かりやすい作品が好きってことねー。
アガサ・クリスティー (著)、深町 眞理子 (翻訳)
トミタペは『おしどり探偵』に続いて、2作目。
個人的にはちょっと、イマイチだったかなぁー。
ちょっとダラダラしてる気がしてしまったような。
そもそもkindle版がうまく見つけられなくて中古の紙版を買ってしまったのが誤りだったかも。
それから登場人物の名前が全然頭に入らなかった。
『おしどり探偵』の爽やかなフレッシュさが楽しかったから?
何かが足りない感じでした。
トミタペは『おしどり探偵』に続いて、2作目。
情報部からナチの大物スパイ〈NかM〉の正体を秘密裡に探るという任務を帯びたトミーは、妻のタペンスには内緒で任地へと赴いた。だが、タペンスとて一筋縄でいく女ではない。騙されたふりをして先回り。かくして二人は、大規模なナチ・スパイ網のまっただなかへと飛びこむことに……スリル満点の冒険ミステリ
個人的にはちょっと、イマイチだったかなぁー。
ちょっとダラダラしてる気がしてしまったような。
そもそもkindle版がうまく見つけられなくて中古の紙版を買ってしまったのが誤りだったかも。
それから登場人物の名前が全然頭に入らなかった。
『おしどり探偵』の爽やかなフレッシュさが楽しかったから?
何かが足りない感じでした。
『乗客ナンバー23の消失』
2018年5月6日 読書Sebastian Fitzek セバスチャン フィツェック (著)、酒寄 進一 (翻訳)
普段あまり読まないドイツミステリ。でもあまりにもあちこちで褒められてたのと、50%ポイント還元やってたのでポチってみた。
あーなるほどねー。あちこちで面白かったと聞くのは分かる。
バカンスで読んだりしたらもっと楽しかったかもね。
でも、すこーし、肌触り的な何かが個人的な好みと違うかも。結末までちゃんとしてるし、どこがマイナスって訳ではないんだけど。
珍しく話題作3作続けて読んでみたよ(『そしてミランダを殺す』、『許されざる者』、『乗客ナンバー23の消失』)。『許されざる者』が一番好きかな。『ミランダ』が次点。
普段あまり読まないドイツミステリ。でもあまりにもあちこちで褒められてたのと、50%ポイント還元やってたのでポチってみた。
一件落着――そう思ってからが本番です。
ニューヨークまで逃げ場なし。豪華客船に渦巻く謎また謎。
amazon(ドイツ)でレビュー数1,400超、評価平均4.2。
ドイツ・ミステリーの最終兵器セバスチャン・フィツェックの代表作登場。
事件解決のためなら手段を選ばぬ囮捜査官マルティンのもとに、5年前に豪華客船「海のサルタン号」船上から忽然と姿を消した妻子にまつわる秘密を明かすという連絡が届いた。相手がマルティンを呼びだしたのは、因縁の客船。そこでは2か月に船から姿を消した少女が忽然として出現。さらなる事件が次々に起きていた。
ニューヨークへ向かう客船の中で走り出す複数のプロット――。船の奥底に監禁された女と、彼女を詰問する謎の人物。娘の忌まわしい秘密を知って恐慌を来たす女性客。何者かとともに不穏な計画を進める娘。船室のメイドを拷問する船員と、それを目撃した泥棒。船の売却を進める船主と、船の買い手である中米の男も乗船しており、マルティンを呼びだした富豪の老女は「この船には恐ろしい秘密が隠されているのよ……」とささやく。
この客船の中で何が起きているのか? からみあう嘘と裏切りと策謀――真相はめくらましの向こうにある! そしてあなたが「一件落着?」と思ってから、ドイツ・ミステリー界最大のベストセラー作家が腕によりをかけて仕掛けた意外な真相のつるべ打ちが開始される!
あーなるほどねー。あちこちで面白かったと聞くのは分かる。
バカンスで読んだりしたらもっと楽しかったかもね。
でも、すこーし、肌触り的な何かが個人的な好みと違うかも。結末までちゃんとしてるし、どこがマイナスって訳ではないんだけど。
珍しく話題作3作続けて読んでみたよ(『そしてミランダを殺す』、『許されざる者』、『乗客ナンバー23の消失』)。『許されざる者』が一番好きかな。『ミランダ』が次点。
ヘニング・マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
マンケルはkindle版が無く、紙の上下巻で。
ヴァランダーシリーズの第7作目。あぁ、後は↓の4作のみになってしまった。
ファイアーウォール Brandvägg (1998)
霜の降りる前に Innan frosten (2002)
ピラミッド Pyramiden (1999)
Den orolige mannen (2009)
シリーズ物は、主人公陣に久々に会いに行く感じが好きなのだけれど。この作品の様に、「いつものメンバー」がいなくなるというのは寂しい。
ヴァランダーはいつものヴァランダーだけれど、体調は悪いし、事件が立て続けに起きて疲労困憊で、さすがに気の毒になるレベル。
基本的に警察小説はとても好きなのだけれど、ヴァランダーは銃を事務所の自分の机にしまっておくとか、アメリカの警察ものとは違うんだなー。それほど銃は世の中に溢れていないってことなのかなと思ってもみる。
ただし、ヴァランダーが携帯を忘れたり、電源を切っておいたりするのにはイライラするわw
いつもの通り、エピローグが美しく、物語をぐっと引き締める。
今回の解説でもシリーズ最初の3作は飛ばして読んでも良いと人には勧めた方が良いかもと触れられていたけれど。うじうじ煮え切らない最初の頃のヴァランダーとは異なり、安定の面白い警察小説。そしてjustice の人。いつも通りここが大事。
ヴァランダーには幸せになって欲しいなぁと思うんだけれど。
マンケルはkindle版が無く、紙の上下巻で。
長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。あまりに無惨なその姿に、イースタ署の面々は言葉を失う。どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。二つの事件は同一犯のしわざなのか?調べ進むうちに明らかになる、同僚の隠された素顔。捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が…。現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。シリーズ第七弾。
ヴァランダーシリーズの第7作目。あぁ、後は↓の4作のみになってしまった。
ファイアーウォール Brandvägg (1998)
霜の降りる前に Innan frosten (2002)
ピラミッド Pyramiden (1999)
Den orolige mannen (2009)
シリーズ物は、主人公陣に久々に会いに行く感じが好きなのだけれど。この作品の様に、「いつものメンバー」がいなくなるというのは寂しい。
ヴァランダーはいつものヴァランダーだけれど、体調は悪いし、事件が立て続けに起きて疲労困憊で、さすがに気の毒になるレベル。
基本的に警察小説はとても好きなのだけれど、ヴァランダーは銃を事務所の自分の机にしまっておくとか、アメリカの警察ものとは違うんだなー。それほど銃は世の中に溢れていないってことなのかなと思ってもみる。
ただし、ヴァランダーが携帯を忘れたり、電源を切っておいたりするのにはイライラするわw
いつもの通り、エピローグが美しく、物語をぐっと引き締める。
今回の解説でもシリーズ最初の3作は飛ばして読んでも良いと人には勧めた方が良いかもと触れられていたけれど。うじうじ煮え切らない最初の頃のヴァランダーとは異なり、安定の面白い警察小説。そしてjustice の人。いつも通りここが大事。
ヴァランダーには幸せになって欲しいなぁと思うんだけれど。
レイフ・GW・ペーション (著)、久山 葉子 (翻訳)
いやー、面白かった!
ラーシュの心の中の台詞がいちいち、良いんだなぁー。口にだしたらあかんことをいちいち思っている、元偉い人。元長官。justice の人。ここが大事。
引き際も、やっぱりそう来たのねと、寂しいながらもあっさりとしていて良いし。結末もまぁそうくるよねーと思いながらも受け入れられる。
解説によると、スウェーデンではとっても売れている著者らしいけれど、初邦訳とのこと。
いやー、好きだなー。もっと読みたい。
『そしてミランダを殺す』と2作続いて面白かったので気分が良いぞ。
CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠獲得!
北欧ミステリの重鎮による究極の警察小説
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。犯人をみつけだし、報いを受けさせることはできるのか。スウェーデンミステリ界の重鎮による、CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝く究極の警察小説。
いやー、面白かった!
ラーシュの心の中の台詞がいちいち、良いんだなぁー。口にだしたらあかんことをいちいち思っている、元偉い人。元長官。justice の人。ここが大事。
引き際も、やっぱりそう来たのねと、寂しいながらもあっさりとしていて良いし。結末もまぁそうくるよねーと思いながらも受け入れられる。
解説によると、スウェーデンではとっても売れている著者らしいけれど、初邦訳とのこと。
いやー、好きだなー。もっと読みたい。
『そしてミランダを殺す』と2作続いて面白かったので気分が良いぞ。
『そしてミランダを殺す』
2018年4月22日 読書
ピーター・スワンソン (著)、務台 夏子 (翻訳)
途中から、「うわっ、面白い!」っと思い、続けて一気に読了。
サイコパス/ソシオパスの描き方がちょっと新しい?と思ったな。
こうなったらやっぱりパトリシア・ハイスミスを読むべきかしらん。
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
途中から、「うわっ、面白い!」っと思い、続けて一気に読了。
サイコパス/ソシオパスの描き方がちょっと新しい?と思ったな。
こうなったらやっぱりパトリシア・ハイスミスを読むべきかしらん。
『女には向かない職業』
2018年4月15日 読書P D ジェイムズ (著)、小泉 喜美子 (翻訳)
女探偵の元祖的おはなし?
1972年の作品なので、多分ミステリ小説読みならかなり最初の頃に読むのではないかと思う古典的作品なのだが、未読で電子積読していたのもの。
あれ、意外に好きだわ。と思うのは、もともと古典的な作品をあまり読んでいない人間だけど、クリスティをそれなりに読んだ今だからだと思う。
カレジやスエターという訳語は結構好きなのだわ。
小泉喜美子さんの訳って意識して読んだの初めてじゃないかな。
私が数少ない自分のモットーとしている「酔っぱらったら階段から転げ落ちないようにしよう」というのは小泉さんがそのようにして亡くなったから。
女探偵の元祖的おはなし?
探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。自殺した共同経営者の不幸だった魂のために、一人で探偵事務所を続けるのだ。最初の依頼は、突然大学を中退しみずから命を断った青年の自殺の理由を調べてほしいというものだった。コーデリアはさっそく調査にかかったが、やがて自殺の状況に不審な事実が浮かび上がってきた…可憐な女探偵コーデリア・グレイ登場。イギリス女流本格派の第一人者が、ケンブリッジ郊外の田舎町を舞台に新米探偵のひたむきな活躍を描く。
1972年の作品なので、多分ミステリ小説読みならかなり最初の頃に読むのではないかと思う古典的作品なのだが、未読で電子積読していたのもの。
あれ、意外に好きだわ。と思うのは、もともと古典的な作品をあまり読んでいない人間だけど、クリスティをそれなりに読んだ今だからだと思う。
カレジやスエターという訳語は結構好きなのだわ。
小泉喜美子さんの訳って意識して読んだの初めてじゃないかな。
私が数少ない自分のモットーとしている「酔っぱらったら階段から転げ落ちないようにしよう」というのは小泉さんがそのようにして亡くなったから。
ひとりペレケーノス祭り
2018年4月9日 読書現在、ひとりペレケーノス祭り中なのですが。
まずはニック・ステファノ・シリーズの2作を読んで
1.硝煙に消える ”A Firing Offense” 1992年 1997年1月 佐藤耕士
2.友と別れた冬 ”Nick’s Trip” 1993年 1998年1月 松浦雅之
続いて、これらのDCカルテットと言われる4作のうち、第3作まで読了。
1.俺たちの日 ”The Big Blowdown” 1996年 1998年9月 佐藤耕士
2.愚か者の誇り ”King Suckerman” 1997年 1999年7月 松浦雅之
3.明日への契り ”The Sweet Forever” 1998年 1999年9月 佐藤耕士
昨日、この『明日への契り』を昨日読み終わったんだけど、基本的に時代小説・群像劇なのだね。
警察小説でもないし、探偵小説でもないし。
誰かが何かの事件を解決するわけでもないし。
当時、ハードボイルドファンに凄く評価されたらしいのはよく分るけど、と同時に時代が変わってあまり新しい作品を出していないのも、ちょっとわかる気がするかも??
『明日への契り』は1986年のワシントンDCが舞台で、ドラッグの問題が深刻になって、犯罪率が上がる一方で、という時代の空気がよくわかる。
またこの作品になるとようやく出てくる音楽について「あー、あれね」と思えるようになっている。
ディミトリ・カラスについて登場人物のドナが、「見た目がちょっと良いだけの、綺麗にパッケージされたギフトボックス(中は空)」という風に形容しているんだけど、言い得て妙でズキンとくる。主人公の中身が空って、ちょっとー、どうにかしてくだされーと思うのだけれど。
4作目↓↓でどうにかなるんだろーか。
4. 生への帰還 ”Shame the Devil” 2000年 2000年9月 佐藤耕士
デレク・ストレンジ & テリー・クイン シリーズについては未読なので、また感じが違うのだろうか。
ハードボイルド好きに訴えるものがある/あったのは、とてもよく分るんだけれど。
21世紀になって読破すべき小説群であるかどうかは、どうかなー。
アマゾンのレビューで「よく分らない」と星2つの人がいるけど、その気持ちもよく分る。
でも個人的には嫌いではないなぁ。ビッグの方の、ニック・ステファノに情が湧くわぁー。
それから、ペレケーノスが小説よりも映像に行ったっていうのは分かる気がする。
まずはニック・ステファノ・シリーズの2作を読んで
1.硝煙に消える ”A Firing Offense” 1992年 1997年1月 佐藤耕士
2.友と別れた冬 ”Nick’s Trip” 1993年 1998年1月 松浦雅之
続いて、これらのDCカルテットと言われる4作のうち、第3作まで読了。
1.俺たちの日 ”The Big Blowdown” 1996年 1998年9月 佐藤耕士
ギャングのボスのために借金を取りたてる―どんな危険も顧みない幼なじみのジョーとピートにとって、それは簡単な仕事だった。が、非情になりきれないピートは取り立てを見送り、見せしめのためギャングの手下に脚を折られてしまう。三年後、小さな食堂の店員として働くピートのまえに、いまやボスの片腕となったジョーが現われ…“ハードボイルドの次代を担う”と絶賛される著者が贈る、心を震わせる男たちの物語。
2.愚か者の誇り ”King Suckerman” 1997年 1999年7月 松浦雅之
仕事に縛られない気楽な人生が最高さ―ディミトリにとって、親友のマーカスのように真面目に働くのは性分ではなかった。彼はマーカスを伴い、売人のもとに麻薬の買付に訪れるが、そこでその男が情婦に暴力をふるう現場を目撃し、彼女と現金を奪って逃げてしまう。二人は情婦をかくまうが、売人は殺人狂の男を彼らへの復讐に指し向けた!話題作『俺たちの日』に続く、誇り高き男たちの物語。英国推理作家協会賞候補作。
3.明日への契り ”The Sweet Forever” 1998年 1999年9月 佐藤耕士
妻と息子と別れ、失意の日々を送るマーカス。彼は貧しさから母親と離れて暮らす少年アンソニーと出会い、驚くべき事実を聞かされた。炎上する車から若者が金を盗み出す現場を偶然目撃したというのだ。その金が麻薬密売の元締のものだったことから、組織は情報を握るアンソニーの行方を追う。やがて少年の身に危険が及ぶにいたってマーカスは組織との対決を決意する!男たちの生きざま、哀しみを叙情的に謳い上げた傑作。
昨日、この『明日への契り』を昨日読み終わったんだけど、基本的に時代小説・群像劇なのだね。
警察小説でもないし、探偵小説でもないし。
誰かが何かの事件を解決するわけでもないし。
当時、ハードボイルドファンに凄く評価されたらしいのはよく分るけど、と同時に時代が変わってあまり新しい作品を出していないのも、ちょっとわかる気がするかも??
『明日への契り』は1986年のワシントンDCが舞台で、ドラッグの問題が深刻になって、犯罪率が上がる一方で、という時代の空気がよくわかる。
またこの作品になるとようやく出てくる音楽について「あー、あれね」と思えるようになっている。
ディミトリ・カラスについて登場人物のドナが、「見た目がちょっと良いだけの、綺麗にパッケージされたギフトボックス(中は空)」という風に形容しているんだけど、言い得て妙でズキンとくる。主人公の中身が空って、ちょっとー、どうにかしてくだされーと思うのだけれど。
4作目↓↓でどうにかなるんだろーか。
4. 生への帰還 ”Shame the Devil” 2000年 2000年9月 佐藤耕士
デレク・ストレンジ & テリー・クイン シリーズについては未読なので、また感じが違うのだろうか。
ハードボイルド好きに訴えるものがある/あったのは、とてもよく分るんだけれど。
21世紀になって読破すべき小説群であるかどうかは、どうかなー。
アマゾンのレビューで「よく分らない」と星2つの人がいるけど、その気持ちもよく分る。
でも個人的には嫌いではないなぁ。ビッグの方の、ニック・ステファノに情が湧くわぁー。
それから、ペレケーノスが小説よりも映像に行ったっていうのは分かる気がする。
ルポを読んでみたけど
2018年4月1日 読書寝込んでいる間に、日本文学を読んで。
その後、以前買っておいた『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』というルポルタージュを読んだ。青木理氏の著作。
この本は発売されたときは知らなかったのだけれど、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗がブログで嫉妬してぎゃーっと触れていたときに、へーーーと思って、古本で買っておいたもの。随分と積読してたな。
でもなんだか中途半端なルポだなぁと気に入らなかった。
周辺調査はしていて、そのあたりはなるほどと思うけれど。なにより、容疑者との接触が少なくて、実像的なものが足りない。
まぁ、そもそも成り立ちが中編のルポを書くためだけだったのが、追加取材となったということだから仕方ないのかな。
小さい県の犯罪だからか、捜査も中途半端だった?という感じですしね。
起訴された2件の強盗殺人についても物的証拠はないしね。
そしてそれに対しての著者の、彼女だけではなし得なかった犯罪ではないか、という「合理的な」疑いも。
ミステリ小説でサイコパスの殺人者に日常的に触れている身としては、いやいやなんぼでも口でうまいこと言って犯行現場に連れて行ってその場で睡眠薬飲ませたら可能でしょ、とあほな感想も持ったり。
(ワタクシは、普段主に翻訳ミステリを読んで「死」や「殺人」や「アメリカ型の裁判」などにいつも「読書」で触れているわけですが、ハードエビデンス/物的証拠がなく、状況証拠だけで有罪と判断することには基本的に反対。特に状況証拠だけで死刑判決になっている事件は、感情的に思うところはあっても、反対と思ってます)
それで文庫化された『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』というのに「大幅加筆のうえ、文庫化!」と書いてあったのでkindleでポチってみた。
多少追記されてたけど、大幅かしらねー。
そして、結局、中途半端だったなーという感想はあまり変わらず。
まぁこれはこれ以上はどうにも広がらない材料なのでしょう。
その流れで?というのか、多分アマゾンが『東電OL禁断の25時』酒井 あゆみ著をオススメしてきたので、安いし(¥378)ポチってみた。『円山町東電OL殺人事件の被害者と“夜の渋谷”で“同僚”だった著者が、風俗嬢の立場から事件の「なぜ」に迫る』という説明書き。
まぁ結果から言えばこれも別の意味でイマイチだったんだけど。
これは本人が想像で補い過ぎていて、それが売りなのはわかるけど。
周辺雑記、というたぐいかな。
煽情的な殺人事件のルポってあまり読まないからか、妙に感情/感傷を込めたルポになりがちになってる(佐野眞一の『東電OL殺人事件』もその昔そう思った)、というのがなんとも。
もっと良質のルポルタージュは沢山あるのだろうとは思うけれど、なにせ時間が無くてそこまで手は広げられない。私はやはりフィクションが好きなのだと思う。
そういえば、ちょっと前に読んだ(殺人事件ではないけれど)荻上チキ氏や鈴木大介氏のルポは事実に語らせるという点で優れていたかなと個人的に思ったかな。
その後、以前買っておいた『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』というルポルタージュを読んだ。青木理氏の著作。
この本は発売されたときは知らなかったのだけれど、首都圏連続不審死事件の木嶋佳苗がブログで嫉妬してぎゃーっと触れていたときに、へーーーと思って、古本で買っておいたもの。随分と積読してたな。
でもなんだか中途半端なルポだなぁと気に入らなかった。
周辺調査はしていて、そのあたりはなるほどと思うけれど。なにより、容疑者との接触が少なくて、実像的なものが足りない。
まぁ、そもそも成り立ちが中編のルポを書くためだけだったのが、追加取材となったということだから仕方ないのかな。
小さい県の犯罪だからか、捜査も中途半端だった?という感じですしね。
起訴された2件の強盗殺人についても物的証拠はないしね。
そしてそれに対しての著者の、彼女だけではなし得なかった犯罪ではないか、という「合理的な」疑いも。
ミステリ小説でサイコパスの殺人者に日常的に触れている身としては、いやいやなんぼでも口でうまいこと言って犯行現場に連れて行ってその場で睡眠薬飲ませたら可能でしょ、とあほな感想も持ったり。
(ワタクシは、普段主に翻訳ミステリを読んで「死」や「殺人」や「アメリカ型の裁判」などにいつも「読書」で触れているわけですが、ハードエビデンス/物的証拠がなく、状況証拠だけで有罪と判断することには基本的に反対。特に状況証拠だけで死刑判決になっている事件は、感情的に思うところはあっても、反対と思ってます)
それで文庫化された『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』というのに「大幅加筆のうえ、文庫化!」と書いてあったのでkindleでポチってみた。
多少追記されてたけど、大幅かしらねー。
そして、結局、中途半端だったなーという感想はあまり変わらず。
まぁこれはこれ以上はどうにも広がらない材料なのでしょう。
その流れで?というのか、多分アマゾンが『東電OL禁断の25時』酒井 あゆみ著をオススメしてきたので、安いし(¥378)ポチってみた。『円山町東電OL殺人事件の被害者と“夜の渋谷”で“同僚”だった著者が、風俗嬢の立場から事件の「なぜ」に迫る』という説明書き。
まぁ結果から言えばこれも別の意味でイマイチだったんだけど。
これは本人が想像で補い過ぎていて、それが売りなのはわかるけど。
周辺雑記、というたぐいかな。
煽情的な殺人事件のルポってあまり読まないからか、妙に感情/感傷を込めたルポになりがちになってる(佐野眞一の『東電OL殺人事件』もその昔そう思った)、というのがなんとも。
もっと良質のルポルタージュは沢山あるのだろうとは思うけれど、なにせ時間が無くてそこまで手は広げられない。私はやはりフィクションが好きなのだと思う。
そういえば、ちょっと前に読んだ(殺人事件ではないけれど)荻上チキ氏や鈴木大介氏のルポは事実に語らせるという点で優れていたかなと個人的に思ったかな。
寝てる間に読んだもの
2018年4月1日 読書 コメント (2)忘れないようにメモ:
『俺たちの日 』ジョージ・P. ペレケーノス
『ザ・バット 神話の殺人』ジョー・ネスボ
『斜陽』太宰治
『グッバイ』太宰治
『細雪』谷崎潤一郎
『誘蛾灯』および『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』 青木理
『東電OL禁断の25時』 酒井 あゆみ
個別の感想は別途。
『俺たちの日 』ジョージ・P. ペレケーノス
『ザ・バット 神話の殺人』ジョー・ネスボ
『斜陽』太宰治
『グッバイ』太宰治
『細雪』谷崎潤一郎
『誘蛾灯』および『誘蛾灯 二つの連続不審死事件』 青木理
『東電OL禁断の25時』 酒井 あゆみ
個別の感想は別途。
『ザ・バット 神話の殺人』
2018年3月30日 読書ジョー ネスボ(Jo Nesbo)(著)、戸田 裕之 (翻訳)
『その雪と血を』がとても良かったし、『コマドリの賭け』が再販になるならオスロ警察刑事ハリー・ホーレ・シリーズを読んでいこうと思っての、第1作。
伝説を織り込んだストーリーは良いのだけれど、予想していたよりもちょっとイマイチで、この先好きになれるのか不安。
もしかしたら個人的に「サイコパス」「連続殺人」というモチーフに今や飽きているのかも?
『その雪と血を』がとても良かったし、『コマドリの賭け』が再販になるならオスロ警察刑事ハリー・ホーレ・シリーズを読んでいこうと思っての、第1作。
オーストラリアで働くノルウェー人女性が死体で見つかり、オスロ警察の刑事ハリーは捜査協力のため、単身シドニーに赴く。ハリーも加わった捜査班の前に次第に浮かび上がる、隠れていた一連のレイプ殺人。犯人の目星は二転三転し、捜査班は出し抜かれては後手を踏む。さらに、封じ込めていた自身の過去がハリーを苛みはじめる…。「ガラスの鍵」賞受賞に輝く驚異のデビュー作、登場。
伝説を織り込んだストーリーは良いのだけれど、予想していたよりもちょっとイマイチで、この先好きになれるのか不安。
もしかしたら個人的に「サイコパス」「連続殺人」というモチーフに今や飽きているのかも?
ジョージ・P. ペレケーノス(George P. Pelecanos )(著)、佐藤 耕士 (翻訳)
1. 硝煙に消える(A Firing Offense)
2. 友と別れた冬(Nick’s Trip)
と、ニック・ステファノシリーズを読んだ上で、D.C.カルテットの第1作目にあたるらしい、ニックのおじいさんのニック・ステファノが主人公の一人のお話。
これは良いわぁー。ぐっと良くなってる。
確かに傑作と思う。
「ハードボイルドの次代を担う」って言われたのは分かる。
けど、なんとなく尻すぼみになってる?日本で訳されてないだけ?テレビ番組の脚本に参加したりしてるし、そのあたりはどうなんでしょうか。
主人公のジョーとカラスの少年時代の丁寧な描写が良いし、そこから大人になっての再会あたりもぐっとくる。原題は”The Big Blowdown”なのを、『俺たちの日』にしたのも、わかる。
幼馴染の少年時代とその後の苦い話としては、ちょっとルへインの『ミスティック・リバー』を思い出したり、した。あれもアイルランド系移民の子供たちの話。
さて、DCカルテットに突入したわけだけれど、これからどうなるかな。
1. 硝煙に消える(A Firing Offense)
2. 友と別れた冬(Nick’s Trip)
と、ニック・ステファノシリーズを読んだ上で、D.C.カルテットの第1作目にあたるらしい、ニックのおじいさんのニック・ステファノが主人公の一人のお話。
ギャングのボスのために借金を取りたてる―どんな危険も顧みない幼なじみのジョーとピートにとって、それは簡単な仕事だった。が、非情になりきれないピートは取り立てを見送り、見せしめのためギャングの手下に脚を折られてしまう。三年後、小さな食堂の店員として働くピートのまえに、いまやボスの片腕となったジョーが現われ…“ハードボイルドの次代を担う”と絶賛される著者が贈る、心を震わせる男たちの物語。
これは良いわぁー。ぐっと良くなってる。
確かに傑作と思う。
「ハードボイルドの次代を担う」って言われたのは分かる。
けど、なんとなく尻すぼみになってる?日本で訳されてないだけ?テレビ番組の脚本に参加したりしてるし、そのあたりはどうなんでしょうか。
主人公のジョーとカラスの少年時代の丁寧な描写が良いし、そこから大人になっての再会あたりもぐっとくる。原題は”The Big Blowdown”なのを、『俺たちの日』にしたのも、わかる。
幼馴染の少年時代とその後の苦い話としては、ちょっとルへインの『ミスティック・リバー』を思い出したり、した。あれもアイルランド系移民の子供たちの話。
さて、DCカルテットに突入したわけだけれど、これからどうなるかな。
アガサ・クリスティー (著)、坂口 怜子 (翻訳)
主人公が若々しくてフレッシュ!
ラブコメみたい。
ただ、引用されている古典の探偵ものがワタクシの知識をはるかに超えていて、その妙味は味わえなかったことをここに告白しておきますw
冒険好きな若夫婦のトミーとタペンスが、国際探偵事務所を開設した。平和で退屈な日々は、続々と持ちこまれる事件でたちまち慌ただしい毎日へと一変する。だが、二人は持ち前の旺盛な好奇心と若さとで、猟犬のごとく事件を追いかける! おしどり探偵が繰りひろげるスリリングな冒険を描いた短篇集。
主人公が若々しくてフレッシュ!
ラブコメみたい。
ただ、引用されている古典の探偵ものがワタクシの知識をはるかに超えていて、その妙味は味わえなかったことをここに告白しておきますw
ヘニング・マンケル (著)、 柳沢 由実子 (翻訳)
ヴァランダーシリーズの6作目。
最初の頃に、うじうじしているのがなぁんかイマイチと思っていたヴァランダーですが、それも人間らしさと思えるようになっているこの頃。
警察官であることを逡巡していたのが、今は警察官以外のことは出来ないと腹をくくっている模様なせいかもしれない。
日本人的感覚からするといつもいつも父親に電話しなくてはと思っていた父親の急死は胸にこたえる。この小説はマンケルが50歳前くらいに書いているみたいだから、丁度そういう年ごろでもあるよね。
読めば読むほど、優秀な刑事にして、人間らしさも失われていないヴァランダーが好きになる。
(今回のテーマは『ミレニアム』に通じるところもあるんだけど)その動機が、そこまでの犯罪につながるのか、少々疑問は感じなくもなかったかな。
ああしかし。残りの作品が少なくて寂しい。
------------------------
殺人者の顔 Mördare utan ansikte (1991)
リガの犬たち Hundarna i Riga (1992)
白い雌ライオン Den vita lejoninnan (1993)
笑う男 Mannen som log (1994)
目くらましの道 Villospår (1995):英国推理作家協会賞(CWA賞)最優秀長編賞。
五番目の女 Den femte kvinnan (1996)
背後の足音 Steget efter (1997)
ファイアーウォール Brandvägg (1998)
霜の降りる前に Innan frosten (2002)
Pyramiden (1999)
Den orolige mannen (2009)
【上巻】父親とのローマ旅行は予想外に楽しかった。休暇が終わって仕事に戻ったヴァランダーを待ち受けていたのは、花屋の家宅侵入の通報だった。店主は旅行中で盗まれたものはない。次は一人暮らしの老人が失踪した疑いがあるとの訴え。一見些細な二つの事件。だが老人が串刺しの死体で発見されるに至り、事件は恐るべき様相を見せはじめる。CWAゴールドダガー受賞作シリーズ第六弾。
【下巻】殺された老人の金庫に入っていた、傭兵と思われる人物の日記。捜査を進めるヴァランダーのもとに、父親急死の報が。せっかく心を通わせることができた矢先だというのに…。だが哀しみにひたっているひまはなかった。行方不明の花屋の主人が遺体で発見されたのだ。監禁されたのち殺されたらしい。新たな連続殺人の幕開けなのか。現代社会の問題をあぶり出す、北欧ミステリの真髄。
ヴァランダーシリーズの6作目。
最初の頃に、うじうじしているのがなぁんかイマイチと思っていたヴァランダーですが、それも人間らしさと思えるようになっているこの頃。
警察官であることを逡巡していたのが、今は警察官以外のことは出来ないと腹をくくっている模様なせいかもしれない。
日本人的感覚からするといつもいつも父親に電話しなくてはと思っていた父親の急死は胸にこたえる。この小説はマンケルが50歳前くらいに書いているみたいだから、丁度そういう年ごろでもあるよね。
読めば読むほど、優秀な刑事にして、人間らしさも失われていないヴァランダーが好きになる。
(今回のテーマは『ミレニアム』に通じるところもあるんだけど)その動機が、そこまでの犯罪につながるのか、少々疑問は感じなくもなかったかな。
ああしかし。残りの作品が少なくて寂しい。
------------------------
殺人者の顔 Mördare utan ansikte (1991)
リガの犬たち Hundarna i Riga (1992)
白い雌ライオン Den vita lejoninnan (1993)
笑う男 Mannen som log (1994)
目くらましの道 Villospår (1995):英国推理作家協会賞(CWA賞)最優秀長編賞。
五番目の女 Den femte kvinnan (1996)
背後の足音 Steget efter (1997)
ファイアーウォール Brandvägg (1998)
霜の降りる前に Innan frosten (2002)
Pyramiden (1999)
Den orolige mannen (2009)
ジョージ・P. ペレケーノス (George P. Pelecanos)(著)、 松浦 雅之 (翻訳)
前作『硝煙に消える』は翻訳が佐藤耕士さんだったのに、訳者が違う。
なんでだ?同じハヤカワ・ミステリなのに・・。
というか、Wikiみてると全部ハヤカワから出てるのに、横山啓明さんと3人で翻訳をしている。今なら基本的に1作家に1翻訳者が担当みたいになっていると思うけど、当時は違ったんだろうか。
ペレケーノスについては殆ど知識が無くて読み始めて、手始めにニック・ステファノス・シリーズにしたんだけど。訳出がここで止まってるのね・・・・。残念。
ちょっとナイーヴで自分を「ぼく」というニックをもっと読みたかったな。
「D.C.カルテット」が4作。「デレク・ストレンジ & テリー・クイン シリーズ」が4作。ノンシリーズが3作訳出されているので、そのどれかにいくしかない、と。
ところで、こういうハードボイルドは結構好きで、いつまででも読んでいられる気がする。
舞台になっている80年代のワシントンD.C.(特別区)は治安も景気も悪くて。
政府が雇用凍結してたし、大学出ても就職できない人が続出、という時代。
バブルに浮かれた日本とはまるで雰囲気が異なる街でした。殺人も多くてMurder Capital と呼ばれていたのを思い出す。
大体探偵免許自体がそんなに簡単に取れちゃってよいわけ?と思うんだけど。
特別区であるD.C.ならではの何か理由があったんだろうか。
馴染みのある地名や道の名前が少し郷愁。
もう行くことはないんだろうか。
ひとつとても残念なのは、丹念に運転中や店でかかっている音楽を描写してくれるんだけど、いまひとつピンとこないというかよく分からない/知らない。
これが分かるのと分からないでは結構差がある気がする。とても残念。
家出した妻の居所を探りだしてくれ。十五年ぶりに現われた旧友のビリーが、ニックに調査の依頼を持ちこんだ。彼はビリーの妻に複数の浮気相手がいた事実を突きとめ、その一人と会った。が、彼女が立ち寄った形跡はなく、しかも男から二十万ドルを持ち逃げしていたことも判明した。ニックは彼女の行方を追うが、その直前、友人の記者が何者かに殺されるという事件が…二人の友のため、探偵ニックが捨て身の闘いを挑む。
前作『硝煙に消える』は翻訳が佐藤耕士さんだったのに、訳者が違う。
なんでだ?同じハヤカワ・ミステリなのに・・。
というか、Wikiみてると全部ハヤカワから出てるのに、横山啓明さんと3人で翻訳をしている。今なら基本的に1作家に1翻訳者が担当みたいになっていると思うけど、当時は違ったんだろうか。
ペレケーノスについては殆ど知識が無くて読み始めて、手始めにニック・ステファノス・シリーズにしたんだけど。訳出がここで止まってるのね・・・・。残念。
ちょっとナイーヴで自分を「ぼく」というニックをもっと読みたかったな。
「D.C.カルテット」が4作。「デレク・ストレンジ & テリー・クイン シリーズ」が4作。ノンシリーズが3作訳出されているので、そのどれかにいくしかない、と。
ところで、こういうハードボイルドは結構好きで、いつまででも読んでいられる気がする。
舞台になっている80年代のワシントンD.C.(特別区)は治安も景気も悪くて。
政府が雇用凍結してたし、大学出ても就職できない人が続出、という時代。
バブルに浮かれた日本とはまるで雰囲気が異なる街でした。殺人も多くてMurder Capital と呼ばれていたのを思い出す。
大体探偵免許自体がそんなに簡単に取れちゃってよいわけ?と思うんだけど。
特別区であるD.C.ならではの何か理由があったんだろうか。
馴染みのある地名や道の名前が少し郷愁。
もう行くことはないんだろうか。
ひとつとても残念なのは、丹念に運転中や店でかかっている音楽を描写してくれるんだけど、いまひとつピンとこないというかよく分からない/知らない。
これが分かるのと分からないでは結構差がある気がする。とても残念。