『スパイはいまも謀略の地に』
ジョン・ル・カレ (著)、加賀山 卓朗 (翻訳)

先日『誰よりも狙われた男』を再読したので、折角だしと遺作になった『スパイはいまも謀略の地に』を。

イギリス秘密情報部(SIS)のベテラン情報部員ナットは、ロシア関連の作戦遂行で成果をあげてきたが、引退の時期が迫っていた。折しもイギリス国内はEU離脱で混乱し、ロシア情報部の脅威も増していた。彼は対ロシア活動を行なう部署の再建を打診され、やむなく承諾する。そこは、スパイの吹きだまりのようなところだった。 ナットは、新興財閥(オリガルヒ)の怪しい資金の流れを探る作戦を進めるかたわら、趣味のバドミントンで、一人の若者と親しくなっていく。 ほどなく、あるロシア人亡命者から緊急の連絡が入った。その人物の情報によると、ロシアの大物スパイがイギリスで活動を始めるようだ。やがて情報部は大がかりな作戦を決行する。そして、ナットは重大な決断を下すことに……。 ブレグジットに揺れるイギリスを舞台に、練達のスパイの信念と誇りを描く傑作。


す〜っと読めて(何ならティンカーとか挫折したままだし)、まさに「今」を描いた謀略もので面白くて。

あーん、ル・カレ先生の新作がもう読めないなんて残念過ぎると遅まきながら思った次第。

その前の『スパイたちの遺産』が、アマゾン先生いわく、『傑作『寒い国から帰ってきたスパイ』『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』、世紀を超えた続篇!』という情報なので。

やはり、ここは『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を読み直すべきな気がしてきた。

ところで、アメリカに慣れ親しんだ身としては、この作品の中の、「イギリス人から見たヨーロッパ感」みたいなものが、すごくアメリカの作品とは違うよなぁ、と思ったんだよねぇー。

本もドラマもアメリカ発のものをついつい選んでしまうので。

ブレグジットとトランプを並べて小説の中で語られる様とか。
アメリカの作品で、ブレグジットが出てきた記憶がないなぁ・・・。

と、思いながら、アメリカのスパイもの"Homeland"の最終シーズンを見てるんだけどね。
さぁ、あと数話しか残ってないんだけど、どうオチをつけるんだろ。

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