『停電の夜に』
ジュンパ ラヒリ (著), Jhumpa Lahiri (原著), 小川 高義 (翻訳)

毎夜1時間の停電の夜に、ロウソクの灯りのもとで隠し事を打ち明けあう若夫婦──「停電の夜に」。観光で訪れたインドで、なぜか夫への内緒事をタクシー運転手に打ち明ける妻──「病気の通訳」。夫婦、家族など親しい関係の中に存在する亀裂を、みずみずしい感性と端麗な文章で表す9編。ピュリツァー賞など著名な文学賞を総なめにした、インド系新人作家の鮮烈なデビュー短編集。


これは多分どこかで推薦を見て、ポチっておいたらしき紙の積ん読の山から。

インド系アメリカ人の作家で、デビュー作にて、ピュリッツァー賞を受賞など↑↑の通り、大絶賛された短編集。

70年代の北アイルランド、1930年ごろのイングランド、ときて、現代の(主に)ボストンとインドと。

まさに絵に描いたように、頭の中の世界旅行ですね。ふふふ。

誰に勧められたのかも、もはやわからないけれど。
たまにはクライムノベルばかりでなく、こういう作品も良いな。
昔は短編ってあまり好きじゃなかったけど、今は残された余白を楽しんだり、考えたり、感じたりする短編ならではの良さに寄り添える気がする。


あぁしかしねー。
翻って自分は・・・?と(やはり)思ったり、するよね。

3連休に読んだ本、でした。

コメント

美藤
2019年8月13日15:27

もうずいぶん前に読んだから、細かいとこは忘れちゃったんだけど。
ロウソクの灯り闇のなかで、親密さと緊張が増す感覚を感じつつ、「打ち明けちゃいけないこともあるよねー でもそれ、わかってて打ち明けてるよねー」って思ったのだけよく覚えてる。

はにゃ。
2019年8月13日15:38

>美藤さま
打ち明けちゃいけない秘密を、そんなシチュエーションで話すのかぁ。
でも、終わりつつあるカップルだから、とか。
全く関係ない人だから、とか。
逆にそのタイミングだから言えるっていうこと、あるよね、きっと。

っていうのが感想でしょうか。へへ。

ヨーロッパで暮らす友人が、わりにカジュアルに夕食時とかにロウソクを使っていて。
IKEAでも安くふんだんに使えるように売っていて。

でも、日本って(まぁ地震とか火事とかのリスクがあるにしても)、ロウソクってあんまり使わないし、防災グッズみたいだよねぇー(笑)。自分自身でも、一時ロウソク灯して入浴とかしてたけど、最近めっきりやってないし。今では利かん坊猫がいて、キャンドルなんて危なっかしくて使えなかったりして。キャンドルを使う生活には少々憧憬があったりします。

ま、この表題作はちょいと違うけどねん。

はち
2019年8月13日15:53

ラヒリ、私も大好きです
内容も良かったけど、この本のクレストブックの香辛料の表紙も好きでした

カルカッタとニューイングランドを行き来する、湿地も良かったですよ、少し暗いけど
母語以外の言葉で書かれていること、旅をしていること、女性であることなど、多和田葉子さんと似てる。暗いところも似てるかも

もう、成長のしようのないこの歳になると、主人公が、特に若い人だと、眩しくってしょうがないですよね。色んな意味で

美藤さん経由でオススメのドン・ウィンズロウ、犬の力を読み終え、カルテルの上巻の半ば、少し息切れ気味です

はにゃ。
2019年8月13日16:50

>はちさま
ほー。みなさまもう読んでいらしたんですねー。
そうそう、単行本のあの表紙が素敵。最近もっぱら電子書籍で紙の本を買わない(つまり、装丁や表紙があまり関係なくなってしまった、残念なことに)ので、検索した後で気づきました。素敵な装丁だからつい手にとって買いたくなるって行為。大好きだったのに、便利を優先するとこうなりますね。

カルカッタとニューイングランドって恐らくすごい対比ですよね。知り合いにインド出身でアメリカの大学で教授をしている女性がいるのですが。彼女は、彼女を教育するためにお母さんが(小さな)学校を作り、大学からアメリカに渡り、専門職についたところでお母さんがインドには戻ってくるなと言われたそうで。女性には色々な制限がいまだにありますからね。インド人の男性の友人もとてもリベラルな人でしたが、すごく当たり前といった感じで親の決めた結婚してたなぁ、とか。そんなインド人の友人・知人を思いながら読んでいました。

確かに、今、ロウソクの灯りのもとで告白っこをするのはシンドイかもw

ドン・ウィンズロウの『犬の力』→『ザ・カルテル』は続いて読む良さもあるけど、ゼーゼーしちゃいますね。あまりの暴力の前に圧倒されてしまう。続きの『ザ・ボーダー』が出ましたが、体力・気力のタイミングが合わないと読めないと思うので、まだポチってません。

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