ヘニング・マンケル (著)、柳沢 由実子 (翻訳)
マンケルはkindle版が無く、紙の上下巻で。

長年一緒に仕事をしてきた同僚の刑事が殺された。あまりに無惨なその姿に、イースタ署の面々は言葉を失う。どうやら彼は、例の若者たちが失踪した事件を一人で調べていたらしい。二つの事件は同一犯のしわざなのか?調べ進むうちに明らかになる、同僚の隠された素顔。捜査陣の焦燥感がつのるなか、次の犠牲者が…。現代社会の病巣をえぐる北欧の巨匠の傑作。シリーズ第七弾。


ヴァランダーシリーズの第7作目。あぁ、後は↓の4作のみになってしまった。
ファイアーウォール Brandvägg (1998)
霜の降りる前に Innan frosten (2002)
ピラミッド Pyramiden (1999)
Den orolige mannen (2009)

シリーズ物は、主人公陣に久々に会いに行く感じが好きなのだけれど。この作品の様に、「いつものメンバー」がいなくなるというのは寂しい。

ヴァランダーはいつものヴァランダーだけれど、体調は悪いし、事件が立て続けに起きて疲労困憊で、さすがに気の毒になるレベル。

基本的に警察小説はとても好きなのだけれど、ヴァランダーは銃を事務所の自分の机にしまっておくとか、アメリカの警察ものとは違うんだなー。それほど銃は世の中に溢れていないってことなのかなと思ってもみる。

ただし、ヴァランダーが携帯を忘れたり、電源を切っておいたりするのにはイライラするわw

いつもの通り、エピローグが美しく、物語をぐっと引き締める。

今回の解説でもシリーズ最初の3作は飛ばして読んでも良いと人には勧めた方が良いかもと触れられていたけれど。うじうじ煮え切らない最初の頃のヴァランダーとは異なり、安定の面白い警察小説。そしてjustice の人。いつも通りここが大事。

ヴァランダーには幸せになって欲しいなぁと思うんだけれど。

コメント

美藤
2018年5月8日2:01

>ただし、ヴァランダーが携帯を忘れたり、電源を切っておいたりするのにはイライラするわw

可笑しいw
ヘニング・マンケルの刑事ってみんなそうなのかー(笑)「タンゴステップ」の刑事たちも「おい!」とツッコミ入れたくなったし。スウェーデンの警察がのんびりしてるのか?平和で牧歌的なのか?アメリカの刑事よりは長生きできそうではありますね(笑)

ヴァランダー・シリーズにも早く手を付けたいのですが「許されざる者」も気になってます。

はにゃ。
2018年5月8日13:13

>美藤さま
アメリカの都市部の殺人科の刑事なんて一瞬を競うみたいな慌ただしさだったりするけど、北欧ものってちょっと違いますね。全体的にはワークライフバランスの概念が全然違う気が確かにします。それでも今作はみな不眠不休で働いてますけどw

『許されざる者』とても良かったです。最近話題の作品ですが、おススメできます。

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