年老いた猫との暮らし方(岩波書店)
ダン・ポインター (著), 脇山 真木 (翻訳)


現在我が家の長男猫が闘病中というか、緩和ケアに入ったところで。
ボーイフレンド君がこの本を見つけてプレゼントしてくれました。
イラストが何とも愛らしい、高齢の猫を飼育しているペット・オーナーへ向けたエッセー集。

アメリカで、ご自身も高齢猫を見送ったダン・ポインター氏が同じ様に高齢猫を見送った人達の言葉と、各ステージにおける複数の視点からのヒントを集めたエッセー集とでもいえば良いのかな。

医学書ではありませんが、ペット・オーナーに向けて、獣医療的に注意すべき点もかなり書かれています。

アメリカ人やアメリカ文化に慣れ親しんでいた私にとっては、とても「アメリカらしい」本だなぁ、と思う部分があるので、日本人からするとちょっと不思議な感じがするところもあるのかもしれないけれど。

高齢の猫についてだけ書かれた本と言うのは珍しいと思うし、猫が高齢になれば心に留めておかなくてはいけない疾患って、恐らくあまり知られていなかったりするでしょうから、高齢猫を飼育しているペット・オーナーが手にとってくれると良いなぁ、と思いながら読みました。



最初、電車の中で読み始めて、大失敗。最初のほうにね、こんな一節があるのです。

『衰弱は、じわじわと忍び寄ってきて、いきなり加速するかもしれません。何も食べ物を受けつけなくなった状態が二、三日続くと、取り返しのつかない臓器障害が始まります。この警告段階の兆しを見逃さず、その意味を理解し、すぐに行動に移さねばなりません。』


・・・・泣けちゃいました。本当に、急に加速して、きたんですよねぇ・・・・・・・・。

取り敢えず集中的に点滴はして貰いましたけど、もう腎臓と肝臓の値は改善することはありませんでした。

只今週に2回の最低限の水分の補給(皮下注射)、食欲増進剤、制吐剤(注射)。
朝晩(週末はもう少し頻回の)、シリンジ状の容器からペーストにしたフードの給餌。


アメリカの(欧米の、かな)獣医療のフレーズで Cat is not a small dog!というものがあるのですが、猫と犬は本当に色々な意味でとても異なる動物であり、必要な栄養素や衰弱の仕方も異なるとのこと。

猫は口(や消化管)から食物を摂れない状態が続くと、例えば肝リピドーシスなど、重篤な状態に陥る可能性が高いのですね。

誰もがベストな治療を施せるわけではないですし、正しい・間違っているという判断もどこか違うし。

ペットへの医療は結局はペット・オーナーの哲学が反映されるものだから、ペットの命やQOLを尊重しつつ、ペット・オーナーが後悔しない形が取れれば良いのだろうなぁ、と常々思っています。

我が家の長男猫、福助君。毎日少しずつ、少しずつ、体重が減少してはいますけれど、ご機嫌にしています。

本日も、きっと暖かいところをきちんと探り当てて、今頃眠っていることでしょう。

我が家で看取ってあげるつもりなのですが、在宅勤務では無いので、「いつ何が起きてもおかしくない状態」ということを、心に留めて・・・・・・・・・・。出来ることは精いっぱい。

また明日の朝も皮下注射と制吐剤の注射に通院です。

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