初詣の後、映画を見に行きました。

ノルウェイの森。

原作を知っている者としては、あの長編が1本の映画に納まるはずがないよなぁ、と、何も期待せず、何も事前に情報収集もせずに。

映像は確かに本当に綺麗。

風、葉ずれの音、雨、雪、植物。
どこでもない場所な感じ。

これはやはり監督の手腕。得意とするところなんだろうなぁ、と確かに思う。


私としては同意できなかったところ:

まずは、どうしても駄目だったのが菊地凛子のキャスティング。これは最初から最後まで違和感を拭えなかった。監督さん、きっと彼女のこと好きで使いたかったんだろうなぁ、とは思うけれど、雰囲気、存在感、年齢などなどすべてを持ってしてもミスキャストと思う。

それから、レイコさんの解釈。あの物語において、レイコさんという人物は欠かすことの出来ない存在なのに、そこがすっぱり落ちてしまっているのは痛恨。とても中途半端な描き方になってしまっていた。

直子のバックグラウンドも、姉の自殺という混乱の始まりが描かれていないから、直子がどうしてあそこまで混乱して病んでしまったのかが、伝わらない。

緑。原作のもつ、生き生きとした生命力に溢れた緑の魅力が映画ではどこか平板で伝わらない。ワタナベ君が直子に責任を感じつつ、どうしようもなく緑に惹かれてしまうほどには、緑が魅力的に見えない。

大きく残念だったのは、このあたりかなぁ・・・・・・。


原作を知らなかったらどう見えるのだろうかと、かなりそこに留意して映画として単体の完成品として見ようと努めたけれど、やはり長編を映画化するのは難しいですね。

どうしても、状況を説明するのにモノローグを多用することになってしまっていたし。



松山君はなかなか良かったなぁ。

永沢さんとハツミのキャスティングも結構はまっていた。


映画で話されている言語を解さない監督が映画を撮っているとき、俳優の台詞の細かなトーンってどうやって判断するのだろう、という素朴な疑問も。

女性陣がみな、「~~よ。」という平板なしゃべり方をするんだけれど、日本語ネィティブならその言葉尻の上げ下げでも感情の入り込み具合が解るけれど、日本語が解らない場合に何をもってOKとするのかなぁ・・・と。


それで、映画としてどうだったの?と聞かれると、やはり映像が綺麗だったとしか答えられないかなぁ。

お勧めもしないし、観に行くことを否定もしない。


私が感じた違和感は、原作の解釈の違いということになるんだろうなぁ、と、思います。

と思うと、監督は翻訳された原作(何語か解らないけれど)を読んで映画化したかったんだろうから、例えば、英語訳されたノルウェイの森を読んでみたい気持ちに少しなりました。

以上、取り急ぎ、ご報告。

コメント

はち
2011年1月10日20:25

レンタル屋さんに並ぶまで待ちます(笑

はにゃ。
2011年1月10日20:27

>はちさま、
それで十分かと(笑)。

映像は確かに綺麗でした。以上、ですかねー。

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