捜査官ケイト シリーズ感想、まとめて!
捜査官ケイト シリーズ感想、まとめて!
捜査官ケイトの感想どどーんとまとめて。

著者のローリー・R・キング(Laurie R. King)ですが、さっくり検索してみたら、経歴に「カリフォルニア大学で宗教学を専攻し、バークレーの神学校で神学を修め、30歳以上も年上の宗教学教授と結婚」とありました。

なるほどねー。この捜査官ケイトの2作目の宗教的談義はそういうバックグラウンドがあったからなのねー。納得。


1.捜査官ケイト A Grave Talent

第1作目は、サンフランシスコの刑事としてデビュー。ケイトがレズビアンであることは触れられてはいるが、普通のミステリ的な色合いが強い。

事件の舞台になる街の設定が興味深いですね。

原題の grave talent って、何だか意味深。


2.捜査官ケイト 愚か者の町 To Play the Fool

Fool という概念の宗教者が主になっているため、ストーリーそのものが難解に感じられる。

登場人物の会話などでそのFoolについて説明しようとしているのだろうけれど、「渡鬼」じゃないけど、説明調の台詞が少々鼻につく気が・・。

1作目の結末の影響で、女性パートナーの生活が一変してしまったのも、少々驚きでしたね。


3.捜査官ケイト 消えた子 With Child

ミステリものとしては、ぐっとよく書けていたと思う。いわゆる筆力が上がったってことでしょうか。

独自の捜査を続けているあたりも、刑事=ワーカホリック的なミステリ・キャラと違和感無く感じられたし。

写真から解かれる結末。よろし!

シリーズの中では、これが一番好きな作品な気がします。

ただ、このシリーズ・・。

刑事物(あるいは検事物でもよいけど)によくある、警察内の官僚的なゴタゴタがほとんど出てこなくて、そのあたりが綺麗すぎちゃう気がするのですが。



4.捜査官ケイト 夜勤 Night Work

これ、邦題が悪いなぁ。

あれこれ考えたんだろうけど、夜勤じゃなぁー。ただ刑事が夜勤に就いているだけみたいで・・。

色々と含んだNight とWorkのよさが全く表れていないじゃん。(マイクル・コナリーの Blood work と 「我が心臓の痛み」 みたいな感じなんだろうけど。こちらには多少の工夫が見られると思う。)

前作でミステリ作家として成長したなっと思えたミステリの”筋”が、アメリカのサンフランシスコという町の色々な意味でのマジョリティーとマイノリティーをあまりに前面に出したことで、少々ぼやけた気がしますね。

ちょい風呂敷広げ過ぎか。


5.捜査官ケイト/過去からの挨拶 The Art of Detection

これはこの著者のもう1つの人気シリーズの「シャーロック・ホームズの愛弟子」との、いわばジョイント作の様なものらしいのですが。

うーん。私的にはいまひとつ。

今やミステリより、ゲイ・コミュニティー的な要素が少々強いのが、どうなのかなー。今のアメリカやサン・フランシスコというエリアのひとつの切り取り方ではあると思うけど。

現実に個人的にはサンフランシスコに住むゲイの友人とかいるから、リアルであるとは思うけど・・・。

女性と刑事とレズビアンという取り合わせの葛藤があまりにも無い気がしますけど。うがった見方かしら。



写真は1作目と3作目。

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