ISBN:4103134100 単行本 田辺 聖子 新潮社 1978/10 ¥788

この間「センセイの鞄」を読んだ後に、何故か田辺聖子の「春つげ鳥」という短編を読みたいなっと思っていた。

この短編集「孤独な夜のココア」確かに持っていて何度も読み返したはずの本なのに探しても自宅の本棚には無く。仕方なく新刊もブックオフでの古本も探したりしていたけれど、店頭では見つからず。アマゾンの中古市場の¥1というのを注文した。

しかしこの¥1っていうの凄いですよねぇ。きっとアマゾンから強制的に徴収される1冊につき¥300ちょっとの送料(それもいくばくかの手数料がきっと引かれて)から実際の郵便代金を引いたほんの僅かな金額が利益なんでしょうけれど。

もうひとつ余談ですが、最近きっと田辺聖子の作品ってあまり売れていないんでしょうね。特に初期や中期の頃の作品などは。

10年位前までは文庫本の棚には彼女の作品ってずら〜〜〜〜って並んでいたものだけれど、最近ほんの少ししかないですもん。

確かにディテールなどに古臭い表現があるのは否めないけれど、作品の質そのものはちっとも古くないと思うのだけれど。

で、昨日到着していたのでビールを呑みながらささっと読んでしまった。う〜ん、やっぱりこの作品集はなかなかに佳い作品(小さな佳品って感じ?)が集められている。

大体タイトルが佳いじゃないか。「孤独な夜のココア」なんて。オンナノコ、オンナノコし過ぎていて、とても男性の手は伸びないかもしれないけれど。

田辺聖子には「好きな相手が突然に亡くなってしまう」というモチーフの作品がいくつかあるのだけれど、「センセイの鞄」を読んだ後に、その中でこの「春つげ鳥」をどうして思い出したのかなぁ・・・。

この短編集の中には他にも愛する相手に病で先立たれる作品も収録されているのだけれどね。

主人公と年の離れた相手、という設定かしら・・・・。今となってはその連想の理由もはっきりとは思い出せないのだけれど。

それでもこの作品の主人公22歳と44歳という設定で、薄ぼんやりとした不確かな記憶では男性はもうちょっと年配と思い込んでいたかもしれないのだけれど。

この頃の田辺聖子さんはまだ若くて元気だったんだろうなぁ・・。哀しい結末の作品でもそこに漂う空気が淋しくない。まさにココアの様にほの温かい。先日読んだ鷺沢さんの作品に漂っている空気と全然違う。

もっとこの頃の作品を読み返したくなりました。

また¥1とか¥10とかの古本を注文しなくては。

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