遠い太鼓

2004年12月13日 読書
村上春樹のエッセーの中でこの「遠い太鼓」は特にお気に入りの1冊。

滞在している地域が地中海周辺が多いというのも、私自身が大好きな地域なので好む理由のひとつにはなっているのでしょう。もう何度も読み返している。

(この後にアメリカ滞在記も出しているけれど、そっちはあんまり読み返していない。)

ところで、これを読むたびに村上春樹氏の奥方であるということはどんな感じなのかなぁ、といつも思うのだ。(お名前は陽子さんとおっしゃって、こういう紀行文にはほぼ必ず彼女の写真が添えられているのだけれど)

学生結婚して、ジャズバーの店主から超売れっ子作家へ変身を遂げた伴侶。彼と供に日本を脱出して、ヨーロッパからアメリカまでかなり長い期間一緒に海外生活を余儀なくされるということ。などなどなど。

私は専業主婦ということをしたことが無いので、あんまり上手く想像が出来ないのだ。

例えば、ギリシャの島で迎えた土曜日の朝。金曜日の内に両替を済ませておかなかったハルキ氏に奥方が怒る。「どうして、普通のオトナの男の人がちゃんとできることがあなたには出来ないのか?」と。

このくだりはかなり私には衝撃的でした。だって、そんな風に男の人に期待・依存ってしたことが無いんだもの。

私の生活の中では、例えばこういう「両替を済ませておくこと」って私の役割であることが多くて、「ふぅん。そういう役割分担で人と生活するのってどんな感じなのだろう・・・・。」とハルキ氏とは関係の無いところまで、想像したりしてしまう。

でも、ハルキ氏が生活の伴侶であることって、ましてや日本からたった二人だけ切り離されて生活するのは結構大変そうだよなぁ、とは思ってしまう(笑)。へへへ。

ハルキファンでなくても、南ヨーロッパの紀行文ということ単独だけでも結構楽しめる本だと思う。普段あまり知ることが出来ないギリシャの人々の考え方や、イタリア人のいい加減さなどが生活に密着して語られていてとても面白いんだな。

あぁ、ギリシャ行きたい。

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