大きな一歩(たち)

2003年7月14日
昨日キプロスの友人から久しぶりに電話が掛かってきた。電話で話すのは3ヶ月振り位。お互いの近況など話して、キプロスのすごく大きな変化を聞いた。

キプロスは地中海に浮かぶ小さな島国。日本人にはとてもなじみが薄い国で、とてもとても遠い存在の国、だと思う。

1975年に起きたキプロス紛争でその北半分がトルコ(正確には北トルコ共和国、だと思った)に占領されている、ということはあまり知られていないと思う。私も友人が出来るまで、知らなかった。

キプロスは歴史的にも文化的にはギリシアの一部みたいな国だ。ギリシアとトルコは何千年にも渡って血を血で洗う戦いをしてきたので、当然仲が悪い。

でも、キプロスは昔のユーゴスラビアみたいに、ギリシア系住民とトルコ系住民が、小さな島でキリスト教教会とモスクを隣り合わせに持って仲良く暮らしていたのだ、トルコが侵略するまでは。

まぁ、国家の争いなので0対100みたいな完全な悪でトルコが侵略したわけではないので、その経緯は省くとして。

そのトルコが占領後、28年ぶりにキプロスの国民に対して国境を開き、占領された地域を訪ねる事を許したのだと言う。

私の友人は現在引かれている国境(バッファーゾーン)をはさんで、北トルコ側の村で生まれて6歳でその村をトルコ軍に追われた。

そして、その国境のすぐ南にある難民キャンプ(と言ってもテントとかではなくちゃんとした家だけれど)で育った。そして、その難民キャンプのある地域からは元の自分の村が見えるのだ。

私も友人を訪ねて遊びに行った時に、国境越しに見える彼の故郷の教会の尖塔(もちろん十字架は外されている)を見た。

「こうして見えるのに二度と戻れないんだ」と哀しそうに語っていたのが、28年ぶりに故郷に戻って来たという。電話口で彼は泣いていた。

自分の家に他人が住んでいてそのキッチンで他人がコーヒーを入れてくれるのを見るのは、とても複雑な気持ちだと。confused and mixed feeling....

「でもね、それは大きな大きな一歩だよね」と私。「そうだね、それは事実だね。」と、彼。

キプロスはほぼ確実に来年EUに加盟することが決まっている。そして、トルコもEUへの加盟を希望しながらその加盟のめどはまだ立っていない。

今回のトルコの措置はEUへの加盟の為の政治的な妥協案かもしれない。でも、この大きな一歩がもっともっと大きな進歩へ向ってくれるといいな、と思う。戦争ばかりしているのが脳じゃないよね、国だって。

もうひとつ!性同一性障害の人たちの戸籍上の性別の変更を認める法律が成立した。

私は個人的に自分にそういう友人がいる、ということもあるけれど、社会の様々な弱者に対して救いの手が差し伸べられることがとても必要だと思うし、そういうのを見るととても嬉しい。

法律が成立した日、友人と乾杯をした。この法律もきっと、改正すべき点が出てくるだろうし、もっともっと大きな数歩になってほしい、と本当に思う。

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ところで、シアターのI am the space,you are the sun がただ今ローテーション中なんだけれど、8曲目はピンク・フロイドで、10曲目はツェッペリンだと思うんだけど。違う?(って誰に聞いてるんだか)ちょっとにまにま笑ってしまいました。

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